「ミツマタの毒性」
木曜日, 1月 10th, 2019■対象物□□□□□□□□□□□□□□□□
*ミツマタ(三椏)。
*分類:ジンチョウゲ科ミツマタ属
*学名:Edgeworthia chrysantha LINDL.
*和名:三椏。
*別名:三叉、三又。きずいこう(黄瑞香)。さきくさ(三枝)。ペーパーブッシュ。中国語では「結香」(ジエシアン)。
*生薬名:黄瑞香。
*花期:3-4月、黄色、赤色の花。果実期:7-8月。
■成 分□□□□□□□□□□□□□□□□
*クマリン配糖体。刺激生成分。
*詳細については不明とする資料も見られるが、クマリン配糖体とする資料が多い。
■一般的性状□□□□□□□□□□□□□□□□
*三椏は枝が三叉状に出るところから。中国原産。慶長年間に渡来し、山地に栽培される。落葉低木。高さ1-2m、枝は三分枝するが、ミツマタの名の由来である。若枝は緑色、有毛。葉は互生、薄く、長さ5-15cm、草落性の葉状の包葉がある。花は早春、新葉に先立ち、蜂の巣に似た頭花を開く萼筒は4裂、外面に柔毛が密生。花弁は無い。雄蕊8、雌蕊1、樹皮は和紙の原料。「三叉の花」は日本においては仲春(啓蟄(3月6日頃)から清明の前日(4月4日頃迄))の季語とされる。冬期には葉を落とす落葉性の低木。樹皮は黄褐色で、強い繊維がある。秋の落葉の頃枝先に苞に囲まれた蕾が垂れ下がり、春先に新しい葉に先だって開花する。
*花は早春に葉の出る前に咲き、まり状に集まって枝の端に丁字形に着く。花の筒状部は長さ約7mmで花弁状の萼片で、外側は蜜毛で覆われ白色、内側は黄色である。雄蕊は8個、萼筒の内面に4個づつ上下2段につき、花柱は長く花外に出る。果実は、あずき粒大の痩果が夏に熟す。早春、開花期の花蕾を採取して乾燥させ、生薬として新蒙花、蒙花株という。新蒙花は中国市場に多く見られ、根も薬用に用いる。
*有毒部位:全株(特に果実)。樹液は皮膚に付くと、皮膚炎を起こすことがある。成分としてはクマリン配糖体と考えられる。
*ミツマタの毒成分はクマリン配糖体の一種と言われているが、詳細は不明である。花は香りがあり、部屋に飾られる事もあるが、花は勿論のこと、全株に毒がある。
■症 状□□□□□□□□□□□□□□□□
*口内・胃の炎症。大量に摂取すると体が麻痺する。皮膚のかぶれ。又は腹痛、血便、硬直。かぶれ、下痢、腹痛、口内炎、胃炎。
*誤食により腹痛、血便、身体硬直等の症状が出る。
■処 置□□□□□□□□□□□□□□□□
*基本的処置(曝露部位の洗浄)、対症療法。
■事 例□□□□□□□□□□□□□□□□
*特に具体的な事例は確認出来なかった。
■備 考□□□□□□□□□□□□□□□□
*民間薬では、昔は水虫、タムシに外用薬として使用されていたとされる。今日では殆ど聞かないが、経口服用は不可。
■文 献□□□□□□□□□□□□□□□□
1)公益財団法人日本中毒情報センター;保健師・薬剤師・看護師向け中毒情報,http://www.j-poison-ic.or.jp/ippan/M70284.pdf#search,2017
2)佐竹元吉・監:フィールドベスト図書v.16-日本の有毒植物;学研教育出版,2012
3)牧野富太郎: 原色牧野日本植物図鑑 II;北隆館,2000
4)川原勝征:毒毒植物図鑑;南方新社,2017
5)中井將善:気をつけよう!毒草100種;金園社,2002
調査者・古泉秀夫 | 分類・63.099. | 記入日・12017.11.28 |