トップページ»

『川崎-稲毛神社』

土曜日, 3月 18th, 2017

稲毛神社は、神奈川県川崎市川崎区にある神社である。旧社格は郷社で、現在は神社本庁の別表神社。旧称は山王権現、武甕槌(タケミカヅチ)神社で、現在も山王様の通称で呼ばれる。

現在は武甕槌神を主祭神とし、経津主神(フツヌシノカミ)・菊理媛神・伊弉諾神・伊弉冉神を配祀するとしている。
江戸時代までは山王権現を祀るとされていた。

歴史

imageimageimage創建の年代は不詳であるが、社伝によれば、武甕槌神を祀って天皇の軍の戦勝を祈ったのに始まると伝えられる。景行天皇が東国巡行の際に、当社で賊難を避けたという。欽明天皇が東征のとき、新たに配祀神四神を祀り、以降長らく勅願所とされたと伝えられる。
当初は祭神の名前から「武甕槌宮」と称していた。平安時代末期、この地を領有した河崎基家が山王権現を勧請して以降、「河崎山王社」「堀之内山王権現」などと呼ばれるようになった。

明治元年、関東へ下降する有栖川宮熾仁親王が当社で休憩し、その際、「神仏習合に基づいた「山王」の社名は新政府の神仏分離の方針にふさわしくない」といったことから、社名を旧地名の武蔵国稲毛庄にちなんで「川崎大神稲毛神社」とし、明治中頃に「稲毛神社」の名が定着した。

明治六年、郷社に列格した。昭和四十一年(1966年)、神社本庁の別表神社に加列された。

当神社の創建の年代は詳らかではないとされている。御神木大銀杏の樹齢が1千年と推定されるところから、当地の古社であることがわかる。

社伝によれば、当神社は東国に争乱の絶えなかった頃、武神・武甕槌神をまつり、天皇軍の戦勝を祈る社として建てられたと伝えられているという。第十二代景行天皇が東imageimage国御巡遊のおり当神社で賊難を避けたといい、第二十九代欽明天皇の御代、この地方に動乱が絶えなかったため、天皇は当神社に幣帛・七串を奉り、新たに経津主神、菊理媛神、伊弉諾神、伊弉冉神を配祀せしめられ、戦勝とその後の親和協力を祈られ、以後長く勅願所であったと伝えられている。

鎌倉時代には将軍家より社領七百石を賜り、佐々木四郎高綱公が源頼朝公の命を受けて御社殿の造営に当た。

足利時代には、当時の神主が新田家と関係が深かったため社領を二十石に削られてしまった。しかしこの時代の信仰の深さを物語る史料として、応永十一年(1404)の大般若経六百巻施入の記録がある。また新潟県の国上寺に現存する長禄二年(1458)銘の鰐口は、河崎山王社に奉納されたもので、これは当社に当たる。

秀吉公および江戸幕府からは二十石を賜り、とくに家康公江戸入府に際し天海僧正ご巡見の参拝あり、随神門、神馬等の寄進を受けたと伝えられている。江戸時代中期以降、平和な時代の中で殷賑を極め、社家九家社人十三人を擁し、川崎宿および河崎七ヶ村の鎮守として広く近隣一円の崇敬を集め、 例大祭「河崎山王まつり」は六月十五日に行われ、その盛況なさまから「東の祇園」と称されて街道名物の一つとなっていたという。

当神社は初め御祭神の御名をそのままとって、「image武甕槌宮」と称していたが、平安時代末期にこの地を領有した河崎冠者基家(秩父平氏)が山王権現を勧請して以後「河崎山王社」「堀之内山王権現」「五社山王」「三社imageimage宮」などとよばれていた。

山王権現の称号は、天台宗系の神仏習合思想「山王一実神道」によるとされるが、慶応四年、下向された有栖川宮熾仁親王殿下が当神社にご休憩され、その折りの殿下の御言葉「御社名、新政府の神仏分離の方針に相応しからず」により、鎮座地武蔵国稲毛庄の名をとって「川崎大神稲毛神社」と改称。明治中期には「稲毛神社」が固定しました。

旧御社殿は江戸中期の宝永年間に川崎宿本陣当主・田中丘隅の世話によって造営された荘厳優雅な建物だったが昭和二十年の空襲により灰塵に帰してしまった。しかしその後、氏子崇敬者の赤誠によって、昭和三十八年、鉄筋コンクリート神明造り、延べ面積数百一坪の華麗なる現社殿の建設がされた。 なお当神社は、昭和四十一年、神社本庁より「別表に掲げる神社」に指定された。

此処の狛犬は勝手に狼だと思っていた。どう見ても一般の神社に見られる狛犬ではなく、狼と云うに相応しい面構えをしている。この『天地にらみの狛犬』は藪内佐斗司氏の制作だと、境内の説明書には書いてあるが、制作者がそう説明しているのであれば、狼ではなく狛犬と云うことだろう。更に躯に問題がある場合、上半身は右、下半身は左の狛犬を撫でる事で御利益が在るということのようである。

神社としては古い神社であるが、戦火の洗礼を受けており、銀杏の木以外は戦後再建されたものである。

                                                                      [2017.1.5.]