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『不思議な人だね』

火曜日, 3月 3rd, 2015

             魍魎亭主人

韓国の大統領が新年の記者会見で、安倍首相との会談について「日本側の姿勢の転換、変化が重要だと述べたと云う。いわゆる従軍慰安婦問題で、日本側の歩み寄りが必要との考えを改めて示したものだ。朴氏は日本との関係改善に意欲を示す一方で「一歩前進できる首脳会談にしなければならないが困難がある。元慰安婦のおばさん達が生存している間に旨く解決することが重要だ」と述べ、更に「合意案がでても、国民の目線に合わなければ役に立たない」と語り、国内世論も納得出来る内容でなければならないとの立場を強調した[読売新聞,第49914号,2015.1.13.]という。

よく解らないが、これは明らかにハードルを上げたということだろう。つまり国民の代表である大統領が、自ら国民を代表していないと表明したも同じで、どのような提案であれ、自身では判断せず、国民が納得する回等がない限り解決はないと発現したと云うことではないのか。色々な政治状況の中で、完全解決を目指すことが困難な場合が多いことは常識だろう。その様な状況下で、厳しい現実を認識していない国民の納得などと云うのは、得られる可能性は低い。その時にどういう決断をするのか、国民を代表する大統領の責任だろう。

この問題、日本の軍隊が朝鮮人の婦女子を強制的に駆り集め、部隊の性処理をさせたという事であるが、軍隊の女性狩りによる強制確保と云う話しは、稀代の詐話師の騙りを見抜けなかった朝日新聞の記者が、念を入れて報道した結果だということになっている。その意味では、我が国としては、軍隊が強制的に女狩りをしたという云い分を認めるわけにはいかない。入口論議としてこの辺の話しは合意できるのか。まして戦争中は売春禁止法は成立していない。つまり当時の日本では、売春は違法行為ではなく、商売として成立していたわけである。

国外に同じシステムを持ち込んだことの是非については、異論があるかもしれない。しかし韓国が期待するような回答にはならないと思われることから、これを問題解決の第一位に据えている限り、交渉の場は開かれない。これ以外に相談すべき外交問題がなければ、呑気な顔をしていてもいいが、もし近々に片付けなければ成らない課題があるとするなら、今のままでは済まないのではないか。お互いに知恵を絞って落としどころを考えるべきではないのか。韓国にも国民がいるだろうが我が国にも国民はいる。今、我が国の国民は賃金の抑制や消費税の増税、物価の上昇等、諸々の経済的圧力に頭を垂れているのが現状である。この問題で安易に韓国に賠償金を払うなどと云うことになれば、国民は納得しない。現在民間の基金から支払われている見舞金があるはずである。戦後賠償の請求は全て終了したという国の約束を乗り越えての請求に対して、その様な手立てがされていると理解している。

つまり何もしていないわけではないのに、あえてそこに固執すると云うことであれば、本質的に何が目的なのかと云うことを明確に云うべきなのではないか。

参照:元慰安婦を含む個人への補償問題は、1965年の請求権協定で「完全かつ最終的に」解決している。日本政府は、95年にアジア女性基金を設立し、韓国の元慰安婦61人らに、首相のお詫びの手紙とともに「償い金」も支給した。韓国政府は当初基金設立を評価したが、その後、日本の法的責任を追求する民間団体と歩調を合わせる立場に転じた。

              (2015.3.3.)