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『漢方としてのイワタバコについて』

日曜日, 11月 30th, 2014

KW:薬名検索・漢方薬・イワタバコ・岩煙草・岩萵苣・イワジシャ・山萵苣・苦萵苔・クキョタイ・コナカンドロシド・アクテオシド・acteoside

Q:岩煙草は漢方薬として使用されているか。

A:次の報告が見られる。

岩煙草は、イワタバコ科イワタバコ属の双子葉の多年草で、我が国では園芸植物と見られている。
岩煙草の別称として岩萵苣(イワチシャ)とする名称も見られる。学名:Conandron ramondioides。岩煙草は台湾原産で、温暖で湿った岩壁や湿気の多い斜面に生育する。岩煙草の葉は、冬には枯れて根茎で過ごすが、春には長さ5-20cm程の根生葉を数枚出し、岩壁に垂らす。葉は濃緑色で、葉には皺があり艶も見られる。この葉が煙草の葉に似ていることから岩煙草の名称で呼ばれている。
新葉(越冬芽)は冬は堅く丸まり、褐色の毛で密に覆われて越冬する。初夏には10cm-15cm程の花茎を伸ばし、直径1-1.5cm程の星型の花を多数咲かせる。
中国では、苦萵苔(クキョタイ)と呼ばれているとされる。
岩煙草は、観賞用の花として知られているが、若い葉は普通に摂食することも可能で、山菜料理や精進料理として酢味噌和え、胡麻和えなどにして食しているとされる。

含有成分:岩煙草に含まれている成分として全草から苦味配糖体のアクテオシド、ベルバスコシド等が含まれているとされる。

使用部位:葉及び全草。

効能:岩煙草の効能として胃潰瘍、慢性胃炎、食べ過ぎ、飲み過ぎ等の症状に効果があるとされる。

用法・用量:岩煙草の約5g-10gに水600mL-800mLを加えて弱火で15-20分間煎じ、その後岩煙草を取り除き、1日数回に分けて服用する。蕺草(ドクダミ)、蓬、麦茶等と一緒に煎じて服用してもよい。
岩煙草粉末:1回約1-2gを水又は微温湯で1日数回服用するか、お湯に混ぜて服用する。岩煙草の粉末は、単独で服用してもよいが、牛乳、野菜ジュース、スープ等に混ぜて服用する。

アクテオシド(acteoside)、同義語:ベルバスコシド(verbascoside)、クサギニン(kusaginin)。acteosideはオリーブの果実や胡麻の葉等に含まれているプロフェノールの一種である。抗酸化作用が強く、赤ワインに含まれるポリフェノール『リスベラトロール』の15倍、ビタミンCの5倍の抗酸化力を持っているとする報告が見られる。また、炭水化物(糖質)の分解に関与する酵素『α-グルコシダーゼ』の働きを抑えて、血糖値を上げ難くする作用があるといわれている。

1)三橋 博・監修:原色牧野和漢薬草大図鑑;北隆館,1988
2)サプリメント大学;http://www.suplement.jp/dictionary/list/akuteosido/,2014.6.23.
3)やなぎ堂薬局;http://yanagidou.co.jp/syouyaku-yakusou-iwatabako.html,2014.6.23.

              [011.1.CON:2014.11.30.]