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『キャンドルブッシュについて』

金曜日, 7月 25th, 2014

KW:薬名検索・キャンドルブッシュ・ゴールデンキャンドル・ゴールドブッシュ・Candle bush・Cassia alata・Senna alata・ハネセンナ・羽根旃那

Q:『健康茶で腹痛など被害21件』とする新聞記事を見たが、健康茶中に含まれている成分でキャンドルブッシュというのは何か

A:読売新聞の記事として次の記事が見られる。
「国民生活センターは23日、『キャンドルブッシュ』という植物を原材料に使った健康茶を飲み過ぎると、激しい下痢を起こす恐れがあると注意喚起した。全国の消費生活センターには、2009年度以降、この茶を飲んだ後に下痢や腹痛を訴える被害相談が21件寄せられているという。

国民生活センターが昨年10~12月、東京都内のドラッグストアなどで購入したキャンドルブッシュを含む健康茶15銘柄を調べたところ、全銘柄で下剤の作用があるセンノシドという成分を検出。このうち8銘柄はカップ2、3杯飲むと、医療用医薬品の下剤と同程度か、それ以上のセンノシドを接種する可能性がある」。

次に『キャンドルブッシュ』について調査した結果、『キャンドルブッシュ』という名称に該当するものは見られなかった。

尚、Internetの検索の結果では、同義語としてゴールデンキャンドル、ゴールドブッシュの名称が見られ、[英]Candle bush、[学名]Cassia alata(カッシア・アラタ)、Senna alataとする記載が見られる。分類についてはマメ科、カワラケツメイ属とする分類とジャケツイバラ科カワラケツメイ属とする報告がある。その他同義語としてハネセンナ(羽根旃那)の表記も見られ、中国名は対葉豆(タイヨウトウ)とする記載も見られる。

概 要:南アメリカ原産の低木、約3mに成長する。葉は幅広の楕円形で、葉軸から左右に6-12対並ぶ。葉の長さは約15cm、幅8cm。花は鮮やかな黄色で丸みを帯び、5枚の花弁からなる。柄のある多数の花が花軸に総状につく。果実は熟すと暗褐色になる豆果である。

その他、印度尼西亜(インドネシア)、印度等の熱帯アジアの湿地帯に自生するマメ科の植物。
巷間では「便秘によい」等といわれているが、ヒトでの有効性・安全性については、十分なデータが見当たらない。

法 規・制度:全草が「医薬品的効能効果を標榜しない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」に該当。

成 分:葉にはアデニン、kaempferol 3-gentiobioside、アルカロイド (cassiaindoline) を含む。
kaempferol 3-O-gentiobioside含有量は、成熟した葉で2.0-5.0%、幼葉で1.0-4.0%。種子には含まれない。センノシド AとセンノシドBは全部位で検出されたが、葉と根に多く、アントラキノン類ではAloe-emodinが小葉と茎と根、Rheinが全部位、Emodin は花茎や茎と根、Chrysophanol は茎と根、Physcion は茎と根で検出されたという報告がある。根にはフェノール合成物、アントラキノン類、フラボノイド類を含む。種子にはフラボノイドグリコシドを含む等の報告が見られる。

効能:便秘症の患者80名 (試験群24名、15-86歳、タイ) を対象とした無作為化プラセボ比較試験において、葉の浸出液120mLを就寝前に摂取したところ、24時間以内の排便率が高くなったという報告がある。

有害反応:葉の浸出液120mL摂取により、16%の対象者に吐き気、消化不良、腹痛などの副作用がみられたという報告がある。

相互作用:水抽出物に薬物代謝酵素CYP2D6とCYP3A4の阻害およびグルタチオンS-転移酵素 (GSTs) の阻害作用がみられるため、これらに関連する薬剤との相互作用が考えられるという報告がある。    

1)健康茶で腹痛など被害21件:読売新聞,第49561号,2014.1.24.
2)独立行政法人国立健康・独立行政法人国立栄養・健康研究所:「 健康食品 」の安全性・有効性情報,2013.12.14.

            [015.9.CAN:2014.4.23.古泉秀夫]