『従軍慰安婦問題』何故検証しないのか?
水曜日, 4月 2nd, 2014魍魎亭主人
「慰安婦問題」に関連した河野談話の再検証を行うという安倍政権の方針に対して、韓国の朴槿恵大統領は、強行に批判しているという。しかし、河野談話の成り立ちに懸念があると云うことであれば、検証することはいいのではないか。曖昧なまま放置し、お互いに己の立場を主張し続けるというのでは餓鬼の喧嘩である。大統領に確信があるなら、反対する必要はないのではないか。河野談話を出すときに擦り合わせが行われたと云われているが、どのような内容だったのか。双方が資料を公開し、話を詰めるべきである。
少なくとも韓国は、再度、国家による金銭による補償を期待している。それに対して我が国は全ての補償問題は終了していると主張している。
新たに何か対応するとしても、それは国民の税金での対応であり、国民に対する明確な説明が必要であり、疑念を残したまま対応する訳にはいかない。そのためには出発点となった河野談話の背景を調査し、水面下に潜んでいるものがあれば、それを明らかにすることが必要だろう。
それに対して朴槿恵大統領が、再検証に異論を唱えるのは、再検証をすることで韓国に不利益な問題が明らかになり、韓国の主張が否定される可能性があるという危惧を持っていると云うことなのか。
1993年の河野談話に至る慰安婦問題の火付け役は、1991年8月11日付朝日新聞朝刊≪大阪版≫にスクープ記事を書いた植村 隆記者だとされている。
彼は韓国特派員時代に『「女子挺身隊」の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた「朝鮮人従軍慰安婦」の存在をソウルで確認し、日本軍による強制連行があった』とする内容の記事を書いた。しかし、この記事には重大な事実誤認が含まれていた。先ず『挺身隊』とは、国家総動員法に基づいて工場労働者として女性を動員する制度で、初歩的な間違いだとしている資料がある。
更に植村記者が記事で言及した女性は、日本軍に強制連行されたのではなく、親に身売りされて慰安婦になっていた。植村の記事にある金学順の証言と、アジア太平洋戦争韓国人犠牲者補償請求事件における金学順の陳述には、異なる点も多い。また女子挺身隊と慰安婦を混同した「『女子挺身隊』の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた『朝鮮人従軍慰安婦』」という解説は、現在では誤りとされているが、朝日新聞社は今もって謝罪・訂正をしていない。本記事を発端として、国際社会にいわゆる従軍慰安婦問題が提起されていくこととなる等の紹介記事が見られる。
兎に角この問題では、色々な意見が飛び交っている。特に韓国はあちらこちらに銅像を建てたり、朴槿恵大統領は機会ある毎に『慰安婦』問題での発言をくり返し、日本は過去の戦争に対して反省していないと云い続けている。しかし、彼女の父親である朴正煕氏が大統領の時に日韓基本条約の締結を行い、「漢江の奇跡」と呼ばれる高度経済成長へと結びつけた。韓国はこの経済成長により最貧国グループから脱したとされているが、これは日本の支援によって達成したものではないのか。つまりこの時に戦争に関わる全ての問題を双方で終結させると云う約束をしたのではないのか。
所で重要な問題が山積している中、『慰安婦』問題しか云わない大統領とういのも、如何なものかという気がしないではないが、何時までもその問題だけに拘らっている訳には行かないのではないか。兎に角何を擦り合わせたのか、その辺の話を検証するぐらいのことはするべきではないか。
1)週刊文春:56(10):30-32(2014.3.13.)
2)週刊ポスト;第2270号:32-35(2014.3.21.)
(2014.3.19.)