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『感染症の分類-重要な感染症-改訂第2版』

金曜日, 3月 21st, 2014

 

KW:滅菌・消毒・感染症・感染症分類・一類感染症・二類感染症・三類感染症・四類感染症・五類感染症

Q:重要な感染症について、表にまとめたものはあるか。

A:重要な感染症の『重要な』は、取り方によって異なると考えられる。感染症としての『重症度』なのか、あるいは『院内感染』としての重要度なのか、『有効な治療薬がない感染症』であるために重要なのか等である。
しかし、取り敢えずということで、我が国において法律に基づいて分類されている感染症を表示してあるので、それを紹介する。なお、更に詳細な表が必要な場合、『感染症法中の感染症の分類と措置等 第三改訂』を参照すること。

一類感染症 エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう(天然痘)、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱 感染力、罹患した場合の重篤性から判断して、危険性が極めて高い感染症
二類感染症 急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(病原体がコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る)。 感染力、罹患した場合の重篤性から判断して、危険性が高い感染症
三類感染症 コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、 腸チフス、パラチフス 感染力、罹患した場合の重篤性から判断して、危険性は高くないが、特定の職業への就業によって集団発生を起こしうる感染症。
四類感染症 E型肝炎、A型肝炎、黄熱、Q熱、狂犬病、炭疽、鳥インフルエンザ、ボツリヌス症、マラリア、野兎病、ウエストナイル熱、エキノコックス症、オウム病、オムスク出血熱、回帰熱、キャサヌル森林熱、コクシジオイデス症、サル痘、腎症候性出血熱、西部ウマ脳炎、ダニ媒介性脳炎、つつが虫病、デング熱、東部ウマ脳炎、ニパウイルス感染症、日本紅斑熱、日本脳炎、ハンタウイルス肺症候群、Bウイルス病、鼻疽、ブルセラ症、ベネズエラウマ脳炎、ヘンドラウイルス感染症、発しんチフス、ライム病、リッサウイルス感染症、リフトバレー熱、類鼻疽、レジオネラ症、レプトスピラ症、ロッキー山紅斑熱。 既に知られている感染性の疾病であって、動物等の物件を介して人に感染し、国民の健康に影響を与えるおそれがあるものとして政令で定める感染症。
五類感染症

(全数把握)
ウイルス性肝炎(A型肝炎及びE型肝炎を除く)、クリプトスポリジウム症、後天性免疫不全症候群、梅毒。
-省令で定める疾病-
アメーバ赤痢、急性脳炎(ウエストナイル脳炎、西部ウマ脳炎、ダニ媒介性脳炎、東部ウマ脳炎、日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎及びリフトバレー熱を除く)、クロイツフェルト・ヤコブ病、劇症型溶血レンサ球菌感染症、ジアルジア症、髄膜炎菌性髄膜炎、先天性風しん症候群、破傷風、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症、バンコマイシン耐性腸球菌感染症。

(定点)
インフルエンザ(鳥インフルエンザを除く)、性器クラミジア感染症、麻しん、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症。
-省令で定める疾病-
RSウイルス感染症、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、急性出血性結膜炎、クラミジア肺炎(オウム病を除く)、細菌性髄膜炎、水痘、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ(尖形コンジロームから変更)、手足口病、伝染性紅斑、突発性発しん、百日咳、風しん、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症、ヘルパンギーナ、マイコプラズマ肺炎、無菌性髄膜炎、薬剤耐性緑膿菌感染症、流行性角膜炎、流行性耳下腺炎、淋菌感染症。

国が感染症発生動向調査を行い、その結果などに基づいて必要な情報を一般国民や医療関係者に提供・公開していくことによって、発生・拡大を防止すべき感染症

 

今回、結核予防法が廃止(2007.4.1.)に伴い、『感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律』中に取込まれ、『二類感染症』として追加された。
また、今回、bio terrorへの使用が予測されるvirusが追加されており、その意味で重要な感染症の一覧とすることができる。

1)官報 号外第239号,15.10.16.
2)岡部信彦:感染症対策・予防接種の知識;調剤と情報,9(12):1679-1683(2003.11)
3)官報 号外第251号,15.10.30.
4)官報 第3716号,15.10.22.
5)基本医療六法編纂委員会・編:基本医療六法;中央法規,2002

   [615.28.INF:2004.1.12.古泉秀夫・2007.4.9.改訂]