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「記帳義務について」

木曜日, 10月 3rd, 2013

 

KW:法律・規則・記帳義務・記帳義務期間終了・生涯記帳義務医薬品・製造番号・製造記号・保存期間3年

Q:記帳義務期間終了の連絡文書をみることがあるが、病院における医薬品の管理に何か関係するのか。

A:医薬品の記帳義務については、薬事法施行規則第11条の4に『医薬品の譲受及び譲渡に関する記録』として規定されている。この規定は『薬事法に基づく薬局開設者』を対象としたものであり、医療法上の調剤所である病院内薬局は該当しない。

薬事法施行規則第11条の4で規定された記帳義務項目は、『品名、数量、製造番号又は製造記号、譲受又は販売若しくは授与の年月日及び譲渡人又は譲受人の氏名』である。

通常、医療機関において医薬品の購入をする際、納品書等に上記項目、特に『製造番号』を記録することとしているが、これは医薬品管理の上で必要ということで記載を求めているもので、記帳義務に由来するものではない。

なお、毒薬、劇薬、習慣性医薬品等は『生涯記帳義務医薬品』であるが、記帳義務期間が終了する医薬品とは、『昭和56年1月薬発第65号 薬事法施行規則の一部を改正する省令等の施行について』の3のアに該当する医薬品が、再審査期間を経過した場合である。

昭和56年1月薬発第65号(一部抜粋)

………薬事法施行規則第11条の4の規定に基づき、薬局開設者等に対し医薬品の譲受及び譲渡に関する記録の作成、保存の義務づけが行われたところであるが、この医薬品の記帳義務は、医薬品の保管、管理の適正化、迅速的確な回収等の保健衛生上の観点から実施されるものであり、医薬品の流通規制を目的とするものではないこと。

第2概要

3.対象医薬品の範囲

対象医薬品については、厚生省告示第223号により指定されているところであり、その範囲は、次の通りである。

ア.新医薬品(法第14条の3第1項各号に掲げる医薬品であって、再審査期間を経過していないもの)

イ.法第50条第6号の規定に基づき3年以内の有効期間又は有効期限の記載が義務付けられている医薬品

ウ.法第50条第10号の規定に基づき使用の期限の記載が義務付けられている医薬品

エ.毒薬及び劇薬

オ.習慣性医薬品

なお、対象医薬品には、サンプル(いわゆる製剤見本を除く)も含まれるものであること。

4.対象業種

前記1~3の医薬品の記帳義務は、薬局開設者の他、医薬品製造業者、輸入販売業者、一般販売業者(卸売販売業者を含む)、薬種商販売業者及び特例販売業者に対しても適用されること(規則第27条の2、第29条の3、第30条の2及び第32条の2による規則第11条の4の準用)。

5.対象医薬品の表示

対象医薬品に係わる『記』の文字の記載については、<○に記>(新医薬品であって、3のイからエまでに該当しないものにあっては再審査期間の満了月日を含め<○に記> 年 月)と表示されたいこと。この表示については、外部の容器又は外部の被包に記載されていれば、直接の容器又は直接の被包への記載を省略できることとされていること(規則第53条の2)。

(医薬品の譲受及び譲渡に関する記録)

薬事法施行規則第11条の3 薬局開設者は、厚生労働大臣の指定する医薬品を譲り受けたとき及び薬局開設者、医薬品の製造業者若しくは販売業者又は病院、診療所若しくは飼育動物診療施設(獣医療法(平成4年法律第46号)………を含む。以下同じ)の開設者に販売し、又は授与したときは、次に掲げる事項を書面に記載しなければならない。

1.品名
2.数量
3.製造番号又は製造記号
4.譲受又は販売若しくは授与の年月日
5.譲渡人又は譲受人の氏名

二 薬局開設者は、前項の書面を、記載の日から3年間、保存しなければならない。

1)基本医療六法編纂委員会・編集:基本医療六法平成14年版;中央法規,2002
2)国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・編:医薬品情報,26(5):456-457(1999)

 

[615.1.ENT:2003.2.10.古泉秀夫]