『彼岸花』
水曜日, 4月 3rd, 2013魍魎亭主人
先日、用事が会って京王電鉄井の頭線の駒場東大前駅に出かけた。用事も終わったのでさて戻ろうかという時に『駒場野公園』という案内板が見られたので寄ることにした。どのような公園かよく解らないので大して期待していなかったが、『かつては人の背ほどもある笹が一面に生え、ところどころに松林がしげる広い原野で、駒場野と呼ばれていた。明治になると、農業の近代化を図るため、この広い原野を利用して駒場農学校が開校し、近代農業の総合的教育・研究の場となっ。明治14年この農学校にドイツ人ケルネル氏が農芸化学の教師として着任し、土壌や肥料の研究を行って大きな成果をあげたという。園内にある水田はこの実験を行った場所で、農学発祥の地「ケルネル田んぼ」と呼ばれ、稲作は筑波大学付属駒場中・高校の生徒によって今でも行われているという紹介が見られた。
駒場農学校はその後東京農林学校、東京帝国大学、農科大学等を経て、東京教育大学農学部となり、昭和53年に筑波へ移転した。その移転跡地に造成されたのが駒場野公園であるとする解説も見られる。』
駒場野公園は1986年に目黒区立駒場野公園として開園したとされる。公園の入口近くに“ケンネル田圃”の看板が見え、沢山の案山子が並べられていたが、どうやら恒例の案山子コンクールに出展された物がそのまま飾られていたようである。ただ、入口側-田圃の対岸からは塀沿いに植えられている植木の背丈が高く写真を巧く撮ることが出来なかった。
北門から入ってほたる橋を渡って右手の池を見て左手に行くとジャブジャブ池なるものがあったが水は入っていなかった。本来なら右手に色々な木が植えられた雑木林が見えていたが、蚊が酷そうだと云うことで、入るのは遠慮し、正面に見える建物の方に行ったところキャンプ場があり、バーベキューが出来る炉が幾つか見られた。その炉に添って右奥を見たところ、何か木になる赤い物が見えた。隣に居るかみさんにあれ彼岸花じゃないか。と云いながら足を早めて近寄ったところ、間違いなく彼岸花の小群落があった。「へえーこんな所に彼岸花の群落がね」と云いながら今年は彼岸花の写真を諦めていただけに、早速飛んでいったが、その部分は“野草園”と云うことで、大切にされている場所のようである。
しかし、この場所は桜の時期にも見事な花が見られるようで、写真だけの感想だが、21種類の桜の花があると云うことで、咲いている期間は長いような紹介がされていた。十月桜もあると云うことで、この桜は春と秋に花を付けるとされているが、どの程度本数があるのか、普通の桜と違い花びらの数が多いというが、染井吉野の派手さに比べると甚だしく地味な花だという印象がある。確か三囲神社の写真を撮りに行った時に墨堤で見た記憶があるが、ただ一本だけしか気がつかなかった。
(2012.10.28.)