「不思議な話」
火曜日, 1月 1st, 2013魍魎亭主人
野田総理の第三次改造内閣で、法務大臣に任命された田中慶秋氏は僅か22日間で辞任に追い込まれた。外国人からの献金、暴力団との関係と云うことが問題にされ、大臣に任命する際の「身体検査」の御粗末さが指摘されている。
しかし、外国人からの献金については、法律で禁止されている行為であり、国会議員であれば、十分に承知している話ではないのか。それなのに何故、次々と問題になるのか甚だしく不思議である。国会議員の誰かが問題としてやり玉に挙がれば、それ以後は献金先に注視し、疑わしきは受け取らないというのが当たり前の話で、何で万度指摘されるのか。国会議員の財布は、金なら誰の金でも受け取るという、意地汚い習性が染み込んでいるとでも云うのだろうか。
更に甚だ不思議なのは、30年前の暴力団との関係が、大臣になった途端に何で出てきたのかと云うことである。一国会議員であっても、暴力団との係わりがあったのでは不味いだろう。にも係わらず国会議員を止めろというマスコミの論調にはならず、大臣になった途端に吹き出してくるという仕組みが解らない。本来から云えば、国民の代表である国会議員が暴力団と付き合いがある等ということは以ての外で、選挙に出る資格はない。つまり国会に出る段階で精密検査が済んでいなければならないはずである。
その結果、検査に引っかかれば国会議員として相応しくない人物ということであり、立候補は御遠慮願う。出るか出ないかは当人の勝手だということで、どうでも立候補すると云うことであれば、選挙では投票しないと云うことで、淘汰していくと云うことが出来なければおかしい。今回の事例でも、法務大臣はおかしいという論は聞こえるが、国会議員はおかしいという話は聞こえてこない。
しかし、しつこいようだが、誰が探してきた旧聞なのか。しかも二昔以上は過ぎた旧聞である。実は前から解ってはいたが、効果的な場面で出すために伏せておいたとすれば、底意地の悪い話である。
尤もこの話、当人が一番承知している話であろうから、大臣になぞなりたがらなければ、週刊誌にも書かれずにすんだのではないか。脛に傷持つ身である。目立たないでいることも出来たはずである。労働組合の出身者が何で暴力団とつながりが出来るのか。兎に角不思議な話である。
(2012.10.27.)