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「S-Adenosylmethionineの製剤」

月曜日, 10月 25th, 2010

KW:薬名検索・S-アデノシルメチオニン・S-Adenosylmethionine・活性メチオニン・FO-1561・ademetionine sulfate tosilate・硫酸トシル酸アデメチオニン・SAME・Ceritan・セリタン ・脳血管改善剤

Q:S-アデノシルメチオニンの製剤は市販されているか

A:S-アデノシルメチオニン(S-Adenosylmethionine)は、活性メチオニンとも呼ばれ、メチオニンの代謝研究中にその中間物質として見出だされた。1959年にはCantoniによって構造が明らかにされ、この中間体は肝臓のメチオニントランスアデニラーゼによって、次のようにして生成され、メチル基の転移に関して重要な生化学的意味を持っている。

ATP+L-メチオニン→ ←S-アデノシルメチオニン+燐酸ピロリンサン

生成したS-アデノシルメチオニンは、メチル基の受容体があると相応する転移酵素によってメチル化合物ができ、中間体自体はアデノシルホモシステインになる。その結果N-メチルニコチンアミド、クレアチン等、生化学的に重要な化合物が作られる。また、抗炎症、慢性肝炎の治療に用いられるとする報告も見られる。

FO-1561(富士化学・三共・伊;ビオリサーチ社):本剤は生体内に広く分布する補酵素の1つであるS-Adenosyl-L-methionine(SAMe)の硫酸トシル塩で、生体内メチル反応におけるメチル・ドナーとして発見されてから、生理学的活性が注目されている。海外では骨関節症治療剤として上市されている。一般名:ademetionine sulfate tosilate(硫酸トシル酸アデメチオニン:SAME)。商品名:Ceritan (セリタン)。

脳血管改善剤。虚血脳内エネルギー代謝改善、脳内モノアミンturn over促進、赤血球変形能助長、微小循環改善作用を有する脳血管障害治療剤。

脳卒中急性期の治療に1日300-900mgとする報告がされている。

 

1)化学大辞典[1];共立出版,1963
2)Merck Index,1989
3)NHS-DIC治験薬データベース,1993
4)国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・編:FAX.DI-News,No.578,1993.6.7.より転載

[011.1ADE.1993.2.24.・1999.5.17.・2010.2.15.訂正.古泉  秀夫]