Archive for 10月 24th, 2009

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『フラルタドンについて』

土曜日, 10月 24th, 2009

KW:薬名検索・フラルタドン・furaltadone・AMOZ・CAS-139-91-3・ニトロフラン類・フラン合成抗菌薬

Q:フラルタドンについて

A:フラルタドン(furaltadone)は、動物用医薬品で、合成抗菌剤である。5-(4-Morpholinylmethyl)-3-[[(5-nitro-2-furanyl)methylene]amino]-2oxazo-lidinone;5-morpholinomethyl-3-5-nitrofururylideneamino)-2-oxazo-lidinone。C13H16N4O6=324.29。CAS-139-91-3。本品はニトロフラン類に分類される。ニトロフラン類はフラン系合成抗菌薬の総称である。furaltadoneの主要代謝物は3-amino-5-morpholinomethyl-3-oxazolidone(AMOZ)である。

食品衛生法においてはいわゆるポジティブリスト制度の導入に伴い、『食品において「不検出」とされる農薬等の成分である物質』に指定され、furazolidone、nitrofurantoin、furaltadone、nitrofurazoneがその対象とされている。具体的には、これらの代謝物である3-amino-2-oxazolidone(AOZ)、1-aminohydantoin(AHD)、3-amino-5-morpholinomethyl-3-oxazolidone(AMOZ)及びsemicarbazide(SEM)を分析対象化合物とする。またニトロフラン類の食用動物への使用は国内及び諸外国においても多くで禁止されている。furaltadone(AMOZ)の検出限界は0.001ppmである。

ADI(acceptable daily intake)を設定することは適当でない(2007年5月(府食第461号)。ニトロフラン類及びその代謝物として評価される。なお、規格基準における「ニトロフラン類」の名称は改正され、個別物質furaltadoneとして規定された(2007年5月(食安発0531001号)。

その他、furaltadone(AMOZ)については、国内やJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家委員会) における評価、NTP(米・国家毒性プログラム) による発がん性試験等の情報は得られていない。また、EMEA(欧州医薬品審査庁)においては、furaltadone(AMOZ)に関する情報がないため、ADI 及び MRL(最小リスクレベル)は設定せず、食用動物への使用を認めない動物用医薬品リストに収載するとしている。

1)The Merck Index 14th,2006

[011.1.FUR:2009.8.10.古泉秀夫]

『パップテストについて』

土曜日, 10月 24th, 2009

KW:語彙解釈・パップテスト・pap test・パパニコロー塗抹試験・Pap smear test・Papanicolaou・細胞診・子宮頚癌

Q:パップテストについて

A:『pap test』について、次の説明がされている。

パパニコロー検査、パパニコロー塗抹試験(Pap smear test)、子宮癌テスト。

子宮頚癌を発見するために用いられる細胞診検査。子宮頚癌細胞診。子宮頚癌は子宮頚部に癌が発生するため、子宮頚部の細胞を擦り取って細胞診検体(pap smear)を作成し顕微鏡検査を行う。

細胞診は、主として光学顕微鏡で細胞を観察し、その形態学的所見から病変の質的判断を下す病理診断法の一つである。細胞診は病理組織学的検査と同様、病気の確定診断に直結しうる点で一般の臨床検査とは、その性格を異にしている。

細胞診の判定は多くの施設でパパニコロウ(Papanicolaou)の5段階クラス分類が使用されている。

パパニコロウ分類

クラスI

正常

クラスV

悪性

クラスII

良性異型

クラスIII

良性・悪性の判定の困難な異型

クラスIV

悪性を強く疑う

婦人科領域では、クラスIIIを更にa.b.の二つに分類し、各のクラスに推定組織像を対応させる特殊な分類が採用され、ここでは各のクラスに応じて対応ないし処置が決められていると報告されている。

尚、日本では日本独自の改良が加えられ日母分類による子宮頸部細胞診検査として確立されているとする報告も見られる。子宮頸がんは検診で早期発見が可能であり、検診率を高めることが重要であるとされているが、日本では20%に満たないとする報告もされている。

1)金井正光・編:臨床検査法提要 改訂第32版;金原出版株式会社,2005

2)高久文麿・監:臨床検査データブック;医学書院,2009-2010

[615.8.PAP:2009.6.29.古泉秀夫]

『“瘧”の読み方と意味』

土曜日, 10月 24th, 2009

KW:語彙解釈・瘧・おこり・ギャク・ひょうふう・飆風・わらわやみ・童病

Q:“瘧”の読み方とどの様な症状を示している言葉なのか。

A:この漢字の読みは『おこり』である。

 症状は『間歇熱』の意の雅語的表現。あるいはマラリアなどの熱病。わらわやみ。瘧を患う病人[飆風(ひょうふう)」。

 マラリアは、奈良、平安、鎌倉時代には我が国にも蔓延しており、特に琵琶湖周辺の湿地帯で流行していたようである。「おこり」とか「わらわやみ(童病み)」とか「虐(ギャク)とか呼ばれていたとする報告が見られる。

 瘧=躰が震える発作。悪寒と発熱が時を定めて襲ってくる病気。マラリア性の熱病で、童病とも云われる。かなり古くからあった疾患で、医心方などによると、平安時代に既に我国の一部にはマラリアの流行があったのではないかと推測される記述も見られるとされている。

1)新明解国語辞典第六版;三省堂,2005

2)新潮現代国語辞典第二版;新潮社版,2000

3)鈴木 昶:江戸の医療風俗事典;東京堂出版,2000

[615.8.MAL:2009.9.6.古泉秀夫]