Archive for 1月 5th, 2009

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「医薬品の化学的分類」

月曜日, 1月 5th, 2009

 

KW:薬名検索・医薬品・化学的分類・薬効分類・適応症・睡眠導入剤・睡眠障害改善剤・benzodiazepine類・ベンゾジアゼピン類・非ベンゾジアゼピン類・non-benzodiazepine類

 

Q:次の商品に使用されている原薬成分の化学的分類について

レンドルミン・ロラメット・エバミール・ハルシオン・アモバン

 

A:質問の薬剤の化学的分類は次の通りである。

一般名(薬品名・会社名) 薬効分類 適応症 化学的分類

brotizolam(JAN)
レンドルミン錠(NBI)

高齢者:少量から投与開始等慎重投与[高齢者-運動失調等の副作用]

睡眠導入剤

不眠症:1回0.25mg就寝前経口投与。

麻酔前投薬
手術前夜:1回0.25mg就寝前経口投与。麻酔前:1回0.5mg経口投与。

benzodiazepine類

lormetazepam(JAN)
ロラメット錠(ワイス)
エバミール錠(バイエル)
高齢者:少量から投与開始等慎重投与[高齢者-運動失調等の副作用]

睡眠導入剤 不眠症:1回1-2mg就寝前経口投与 benzodiazepine類

triazolam
ハルシオン錠(ファイザー)

高齢者:少量から投与開始等慎重投与[高齢者-運動失調等の副作用]

睡眠導入剤

不眠症:1回0.25mg就寝前経口投与。高度不眠症には0.5mg投与。高齢者1回0.125mg-0.25mgまで。
麻酔前投薬(手術前夜):1回0.25mg就寝前経口投与。

benzodiazepine類

zopiclone(JAN)
アモバン錠(サノフィ・アベンティス)

高齢者:易運動失調。また、副作用易発現、少量(1回3.75mg)から投与開始。

睡眠障害改善剤

不眠症:1回7.5-10mg就寝前口投与。
麻酔前投薬:1回7.5-10mg就寝前又は手術前に経口投与。

non-benzodiazepine類。
GABA-A/ベンゾジアゼピン受容体のα1インフォーム選択的アゴニスト。

 

1)独立行政法人医薬品医療機器総合機構;2007.10.24.l,
2)仙波純一・訳:精神科治療薬処方ガイド;メディカル・サイエンス・インターナショナル,2006

                                    [011.1.BEN:2007.10.24.古泉秀夫]

『テトロドトキシンについて』

月曜日, 1月 5th, 2009

 

KW:薬名検索・テトロドトキシン・ tetrodotoxin・フグ毒・河豚・コリン作動性線維・トリウムチャンネル・sodium channel

 

Q:テトロドトキシンについて

A: tetrodotoxin(TTX)は、フグ毒の本態となる毒物である。 tetrodotoxinの吸収は早く、状は潜伏期0.5時間から4.30時間で発現し、知覚鈍麻、四肢麻痺、呼吸筋麻痺が起こるが中枢神経系には障害は生じないとされる。

口唇・舌及びその周辺、指先の痺れから始まり、悪心・嘔吐、頭痛、腹痛などが生じる次第に痺れは麻痺に移行し、四肢から全身に広がり、運動障害が生じる。麻痺が重度でっても、意識は障害されない。流涎、筋攣縮、発汗、胸痛、嚥下困難、言語障害、痙攣不整脈を生ずる例もある。

重症の場合、角膜反射の消失、散瞳、呼吸困難、呼吸停止、血圧低下、徐脈等が生ずる。
死因の多くは、摂取後4-8時間で生じる呼吸停止である。殆どの場合、12時間までに状が消失する。治療が奏効すれば、後遺症無く回復する。

tetrodotoxinはコリン作動性線維の興奮膜にあるNa-channel(sodium channel)と結合しNa-ionの流入を妨げる。このため神経伝達、更には神経・筋接合部でのアセチルコリの遊離が阻害されため骨格筋の麻痺が生じる。健常成人の致死量:0.5-2mg。

抗コリンエステラーゼ薬(カーバメイト等)は神経・筋接合部でのアセチルコリンの分を妨げるため、筋力回復に有効とする報告もある。

1964年カリフォルニアイモリにフグ毒に類似の毒がふくまれているとの報告がされたがその後、この毒は tetrodotoxinであることが判明した。

1970年代に入るとツムギ鯊、ヒョウモンダコ、カエル、ウモレオウギカニにも tetrodotoinが確認された。更にボウシュウボラ、バイ貝、オオナルトボラ等の巻貝やアオブダイナンヨウブダイ等の魚類からも tetrodotoxinが確認されている。

これらの事実から河豚が tetrodotoxinを造るのではなく、ある種の細菌(Alteromonasやibrio属菌)がこの毒を産生ること。そしてこれらがプランクトンに取り込まれ、更にの“毒化プランクトン”を食べた河豚に毒が吸収・蓄積され、有毒になるものと考えらている。いわゆる食物連鎖の結果として、河豚の毒化が起こると考えられている。

 

1)相馬一亥・監修:イラスト&チャートで見る 急性中毒診療ハンドブック;医学書院2005
2)船山信次:毒と薬の科学;朝倉書店,2007
3)本田武司:食中毒学入門-予防のための正しい知識;大阪大学出版会,1999

[011.1.TTX:2008.11.17.古泉秀夫]

 

食安監発第0816003号平成19年8月16日

     都  道  府  県

各 保健所設置市    衛生主管部(局)長 殿
     特     別     区

厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課長

   

ムシロガイ科キンシバイ(巻貝)での食中毒の発生事例について

 

長崎市内の農水産物直売所で販売されたムシロガイ科キンシバイ(学名:Alectrion glas)で、テトロドトキシンによる食中毒の発生事例がありました。長崎市では本事例をけ、当該巻貝を喫食しないよう注意喚起するとともに、採取及び販売を中止するよう漁関係者に指導しているところです。
ついては、水産担当部局と連携し、貴管内の水産及び魚介類販売等の関係者に対し、念ため、当該巻貝の採取及び販売を控えるよう指導方お願いします。
なお、農林水産省とは協議済みであることを申し添えます。

(参考)ムシロガイ科キンシバイ(学名:Alectrion glans)

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