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ネット販売団体

火曜日, 12月 23rd, 2008

    魍魎亭主人

改正薬事法の施行日が迫ってきたが、医薬品のインターネット販売を展開する業界団体『日本オンラインドラッグ協会』が、厚生労働省の提示した省令案に反発するコメント発表した[リスファックス,5192号,H20.9.18.]。

厚生労働省が省令案で、カタログ・インターネット販売を『郵便等販売』と定義づけ、第3類OTC薬の販売に限定した事による。更に郵便等販売を実施する場合は、予め店舗所在地や販売方法を都道府県知事に届け出る事になっている。

これに対し『日本オンラインドラッグ協会』は、「現在は可能な解熱鎮痛剤、風邪薬、胃腸薬など大半の医薬品は、今後一切(ネットで)購入できなくなることを意味する」と指摘。「実態にそぐわない規制強化で、協会としてとうてい納得できるものではない」としている。

『日本オンラインドラッグ協会』があること事態驚いたが、それ以上にネットで解熱鎮痛薬や風邪薬を販売することの意味が些か解り難い。解熱鎮痛薬も風邪薬も症状が出れば、直ちに服用しなければならない薬であって、ネットで発注して、例え次の日に入手できたとしても間に合わない。第一OTC薬とはいえ、解熱鎮痛薬も風邪薬も症状を確認して適切な薬を選択する助言をする役割を販売者は担っているのではないか。ネット販売では購入者の顔が見えない状況下で販売するのであって、如何にセルフメディケーションとはいえ、問題があるのではないか。

解熱鎮痛薬も風邪薬も全く副作用がないわけではない。更に通常の副作用以外に、場合によっては重篤な副作用が発現する可能性も完全に否定されているわけではない。そのような危険性のある薬を販売するのはあくまで“対面販売”が基本である。

ところで“対面販売”が原則であると書きかけて止めたが、何時頃から“原則”は守らなくてもいいことだというように解釈が変化したのか。原則は守ることが基本であり、原則が付いているからいい加減でいいというのは納得がいかない。

   (2008.12.22.)