「コウジ酸について」
KW:薬名検索・健康食品・シミ・酵母酸・コウジ酸・麹酸・kojic acid・チロシナーゼ・メラニン生成抑制・ビオナチュールSホワイトニングクリーム・デルメッドホワイトニングクリーム
Q:皮膚のシミに有効であるとされる酵母酸とは何か
A:現在、発酵関連物質で、皮膚のシミ防止目的に使用されているのはコウジ酸(麹酸;kojic acid)である。
麹を扱う人の手が白く美しい-この言い伝えに着目して開発されたコウジ酸は、日焼けによるシミの元であるメラニンを作る酵素「チロシナーゼ」の活性を抑え、メラニンの生成にブレーキをかけ、日焼けによるシミ・ソバカスを防ぐと報告されている。
その他、味噌、醤油などの原料であるコウジ酸を含有した新しいメラニン生成阻害クリームが近く発売される。商品説明では、肌に擦り込んでから約4週間でシミ防止の効果が発現すると報告されている。
皮膚表面は厚さ0.2mmの表皮で覆われている。その一番下の基底層で細胞が作られ、約4週間で表層の角質に移行する。紫外線にはメラニン生成細胞を活性化させ、メラニンの色素を多量に生成する性質があるが、この細胞の活動を抑制すればメラニンの生成が抑制される。
皮膚科医に委託した臨床試験でも、毎日塗り込むと4週間後にはシミが消え始め、数ヶ月後にはなくなる効果が出ている。
市販されている製品として、下記の商品名が検索できたが、いずれも化粧品の扱いである。
「ビオナチュールSホワイトニングクリーム」(山之内製薬-三省製薬)
「デルメッドホワイトニングクリーム」(三省製薬株式会社)
コウジ酸、5-オキシ-2-オキシメチル-γ-ピロン(5-hydroxy-2-hydroxymethyl-γ-pyron)。
主としてAspergilus oryzae、A.fflavus、A.tamarii、A.wentii、A.nidulan、A.candidus等のアスペルギルス属子嚢菌によって各種炭水化合物から生成されるが、この他にPenicillium dalae、P.expansum等のペニシリウム属子嚢菌、グルコノバクター属細菌等によっても生成される。
性状:無色柱状晶(アセトンから再結晶)、融点152℃、水、エタノール、酢酸エステルに易溶、エーテル、クロロホルム、ピリジンに難溶、ベンゼン、石油エーテルに不溶。塩化鉄(III)で紫赤色を呈し、また各種金属塩を作る。弱い抗菌力を有し多くの細菌を1/500?1/4000程度の濃度で抑制する。
用途:分析用試薬、鉄(III)の検出定量用。
1)三省製薬株式会社読売新聞広告
2)シミ防止にコウジ酸-メラニン色素性性を抑制-;読売新聞,1990.1.24.(夕刊)
3)化学大辞典[3];共立出版,1972
4)国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・編:NHS.DI-News,No.1483,1997.2.25.より転載
[011.1KOJ:1996.4.3.古泉秀夫・1999.9.28.・2005.12.20.一部修正.]