『水仙考』
鬼城竜生
広報東京都第746号(2008.2.1.)に、葛西臨海公園で2月17日まで“水仙まつり”が行われているという広報が掲載されていた。そこで2月3日(土曜日)整形外科で腰痛のマイクロ波療法を受けた後、品川駅から東京駅を経由して、JR京葉線に乗り換え、葛西臨海公園駅まで出かけた。
駅の直ぐ前が、葛西臨海公園で、足の便は甚だ良いが、東京駅で京葉線に乗り換えるのは甚だ難儀な話で、560m先などという案内が山手線のホームを下りた階段の所に出ていた。
ところで肝心の水仙だが、これは甚だ残念といわなければならないのは、公園全体の器の大きさに比べて、水仙の植え付け面積が狭いということか、オオ咲いているという感覚からは些か遠かった。水仙は個人の庭で観賞するなら大して本数はいらないかもしれないが、大きな場面で鑑賞するのであれば、壮大な本数がないことには、あまり目立たないのではないかという気がした。しかし、水仙の花の匂いは十分にしていたところを見ると、こちらが思うほどには少ない数ではなかったということか。
まあ当日の総歩行数は11,202歩ということであり、1万歩の目的は達成したので、良しとしておくことにする。
2月7日(木曜日)、前日の雪とも雨ともつかない寝ぼけた天候に反して、日差しも温かく、空も晴れていたので、水仙ロードなる名前で呼ばれている北下浦海岸通りに出かけた。最もこの名称よりは“野比海岸”の方が通りがいいのではないかと思われるので、以後“野比海岸”として話を進めるが、兎に角出かけたのである。京急川崎駅で三浦海岸行きの快速に乗って、京急久里浜海岸まで。最も新大津から三浦海岸まで各駅停車になるので、降りる駅の心配はないが、京急久里浜は駅としては大きな駅である。
京急久里浜駅を下りて東口に出て、開国橋を目指すはずが、駅の前が色々輻輳しており、あまつさえろくな地図を持っていないということで、どうやら平作川に出て夫婦橋経由で開国橋に至る道を外してしまった。結局辿った道は久里浜天神を経由して“くりはま花の国”の横手を通る道ということになってしまった。しかし、道標に従って久里浜港-東京湾フェリーの方向に歩いているうちに港の前を通る212号線に出てしまった。
水仙とは直接関係がないが、港に出る前にあった洋食和食定食なる店に入ってロースカツを食したが、あれだけ見事に肉を延ばしたカツを食ったのは初めての経験である。但し、出てきた豚汁は大きなお椀に入っており、十分に納得出来る味であった。更にキャベツも山盛り付けられており、それなりに納得した。
港を左に見て212号線を歩くことになるが、昔乗船したことのある釣り船ムツ六の船小屋があったのには驚いた。その時は車に便 乗して来たので、久里浜港から出船したという意識は丸でなかったのである。港の先、左手に住吉神社を見て、東京電力横須賀火力発電所の前を通るとトンネルに入るが、案内板には130mと書いてあったような気がしたが、さてどうだろう。
トンネルを出て海側のガードレール際に水仙が見えたが、ほんの僅かな植え込みがあるだけで、なんだい、これで終わったら張り倒すよと思いながら歩いていると、右側の国立アルコール症センター久里浜病院の石垣の上に、見渡す限り水仙の帯が出来ていて、へーってなものである。なるほど水仙ロード等と威張るだけのことはあると感心したが、残念ながら花の方は元気がなかった。多分2月3日に降った雪と、昨日降った氷雨にやられたのではないかと思われる。
ところで2回に亘って水仙を見て歩いたが、水仙の葉を観察すればするほど、ニラと間違えて水仙を誤食した事例があるということが信じられなかった。尤も水仙の葉の若い時の形状は見たわけではないので解らないが、今眼の前にある水仙の茎は、食欲が湧くような代物には見えなかった。水仙は勿論有毒植物である。畑に水仙を植えておいて、それをニラと取り違えて等という話があるようだが、何故、畑に水仙を植える必要があったのか、その必然性が解らない。
因みに本日の歩行数は12,761歩である。
(2008.2.8.)