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隠すための言い訳で無ければいいんですが

金曜日, 3月 14th, 2008

                                                                      魍魎亭主人   

 

*神奈川県茅ヶ崎市は25日、同市立病院(仙賀裕院長)に心臓病の治療で入院・通院し、検査を受けていた60-70歳代の男性患者5人が、C型肝炎に院内感染した疑いが強いと発表した。患者は2006年12月から今年4月にかけて、循環器内科で心臓のカテーテル検査を受けたことがあった。病院は検査で使われた生理食塩水が汚染されていた可能性があると見て調べている。5人は、肝機能が改善しているという。別の診療科から11月、患者の肝機能が低下していると循環器内科に連絡があった[読売新聞,第47346号,2007.12.25.]。

*神奈川県茅ヶ崎市の市立病院でのC型肝炎院内感染問題で、同病院では心臓のカテーテル検査の際、使い捨ての検査器具を、中に残っていた生理食塩水とともに使い回していた疑いがあることが25日、同市などの調査で分かった。この生理食塩水を介して感染が広がったと見て調べている。

同市によると、患者5人は2006年12月から今年4月にかけて同検査を受け、今年8-11月に発症した。ウイルスの遺伝子型が、同病院で治療や同検査を受けたC型肝炎患者と一致した。5人のうち2人はこの患者の直後に同検査を受けて感染。このうち1人の再検査の際、残る3人が感染したと見られる。使い回していた器具は、同検査の際、血圧を測定するためのもの。同病院は「担当の臨床工学技士が忙しい時に検査器具の交換を怠った可能性がある」としている[読売新聞,第47347号,2007.12.26.]。

本来、使い捨てであるべきディスポーザブルの器具を、廃棄しないで流用していたとすれば、恐るべき想像力の欠如といわなければならない。人はあらゆる感染の原因となりうる可能性を持っており、滅菌すること無しに医療機器あるいは器具類の共用をしてはならないというのは、医療関係者の常識のはずである。

更に病院当局者は『臨床工学技士が忙しい時に検査器具の交換を怠った可能性』などという申し開きをしていたようであるが、果たして本当なのか。最近の病院は経費削減に汲々としている。時にディスポーザブルの医療用具を再滅菌することで使用出来ないかなどという考えられない質問を受けることがあるが、経費節減を最優先事項とする事務系の圧力に抗うことが出来ず、問い合わせしてくるのだろうと思うが、医療機関としては最悪の対応だということを承知しておかなければならない。

                                                                    (2008.2.1.)