「アルツハイマー病治療薬ロシグリタゾンについて」
KW:薬名検索・アルツハイマー病・ロシグリタゾン・rosiglitazone・インスリン抵抗性改善薬
Q:治験中のアルツハイマー病治療薬ロシグリタゾンについて
A:ロシグリタゾン[一般名:マレイン酸ロシグリタゾン:rosiglitazone maleate](GSK)はチアゾリジンジオン系インスリン抵抗性改善薬である。特定の遺伝子を持つ患者に投与すると、脳のブドウ糖の取り込みを助けたり、脳に起きる炎症を抑制する作用が報告されている。第II相臨床試験段階。
商品名:アバンディア(avandia)
剤型:錠剤
別名:BRL-49653C(2型糖尿病治療剤。インスリン抵抗改善薬)。
rosiglitazone maleateは、2型糖尿病の原因の一つであるインスリン抵抗性を改善する作用のある経口血糖降下剤である。
ADOPT (A Diabetes Outcome Progression Trial)と名付けられた大規模臨床試験において、同社の糖尿病治療薬である「avandia」(一般名:rosiglitazone maleate)が、治療開始5年の時点における経口糖尿病薬の単独療法無効のリスクを、メトホルミンと比較して32%(p<0.001)、またグリブリド(スルホニル尿素薬:SU薬、日本における一般名:グリベンクラミド)と比較して63%(p<0.001)軽減できたと発表しました。この国際的な大規模臨床試験は、新たに2型糖尿病と診断された4,360人を対象に行われたもので、この試験結果は、ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌と国際糖尿病連合(IDF)の第19回世界糖尿病学会で発表されました。
*参天製薬では、rosiglitazone maleateを点眼剤として開発中である。点眼剤としては角膜障害改善作用を有し、ドライアイ、角膜潰瘍、角膜炎、結膜炎などの角膜障害治療薬としての有用性が期待されている。
*rosiglitazone maleateは、本来、糖尿病薬として使われている薬であり、脳の糖代謝を改善し炎症を防ぐ作用がありアルツハイマー病に有効とされている。
1)トライアルドラッグス;エルゼビア・ジャパン,2003-2004
2)研究開発Report;New Current,17(3):49(2006.2.1.)
3)http://www2f.biglobe.ne.jp/~boke/news2.htm,2007.6.18.
[011.1.ROS:2007.7.10.古泉秀夫]