「アルツハイマー病治療薬リバスチグミンについて」

KW:薬名検索・アルツハイマー病・リバスチグミン・rivastigmine・エクセロン・ENA713D

Q:アルツハイマー病治療薬リバスチグミンについて

A:リバスチグミン(rivastigmine)は、アルツハイマー型認知症の治療薬で、経皮吸収型製剤として、ノバルティス-小野薬品の両社で共同開発している薬剤である。

治験記号:ENA713D

剤 型:経皮吸収型貼付剤(パッチ剤)。

投与方法:1日1回貼付する。

本剤は、アルツハイマー型認知症治療薬としては初めての経皮吸収型製剤であり、国内では現在第II相臨床試験が実施されている。今後、両社が積極的に協力して臨床開発に取り組むことにより、早期の製品化が期待される。

アルツハイマー型認知症は、記憶や思考、行動に関して重要な役割を担っているacetylcholine(脳内神経伝達物質)の脳内生成が減少することによって発症するとされている。rivastigmineは、脳内神経伝達系を活性化するcholinesterase inhibitors(コリンエステラーゼ阻害薬)の一種で、acetylcholineの分解酵素であるアセチルコリンエステラーゼ、ブチリルコリンエステラーゼの双方を阻害する薬剤として期待されている。

アルツハイマー型認知症に、アセチルコリンエステラーゼが深く関与することは知られているが、一方で、病態の進行に伴ってブチリルコリンエステラーゼの関与がより深くなってくることが報告されている。rivastigmineは二つの分解酵素を阻害し、脳内acetylcholineの有効利用を促進することから、アルツハイマー型認知症患者の症状の進行を抑制することが期待されている。

rivastigmineの経口剤であるエクセロン