「アルツハイマー病治療薬tesofensineについて」

KW:薬名検索・テソフェンシン・tesofensine・NS2330・アルツハイマー病・パーキンソン病

 

Q:アルツハイマー病治療薬tesofensineについて

A:テソフェンシン(tesofensine)はデンマークのニューロサーチ社(NeuroSearch社)が開発したNA(noradrenaline)再取り込み阻害剤に分類されている。tesofensineは脳神経内ドパミン、セロトニン、ノルアドレナリンの3種の再取込阻害作用を有するアルツハイマー病(AD)、パーキンソン病治療薬である。acetylcholine esterase阻害作用を有する既存薬とは作用の異なる薬剤で、軽度アルツハイマー病患者32例でのプラセボ対照第II相臨床試験では、アルツハイマー病評価スケールの認知項目であるADAS-Cogは用量依存的に改善され、投与終了後2週間目でも効果が維持されていた。また忍容性も良好であったと報告されている。

早期又は進行期パーキンソン病患者515例での第II相臨床試験では14週間投与した結果、早期患者への単独投与では、14週目のエンドポイントは数値的にも改善が認められたが、統計学的にはプラセボとの有意差に達しなかった。

治験記号:NS2330(デンマーク・NeuroSearch社)

2002年独・Boehringer Ingelheim社は、tesofensineの共同開発でNeuroSearch社と合意したが、2005年8月10日、アルツハイマー病患者とパーキンソン病患者を対象とした第II相臨床試験で、予め設定した基準をクリアできなかったことから、共同開発者であるBoehringer Ingelheim社は、アルツハイマー病患者を対象にしたNS2330の開発を中止すること決断した。但し、2006年1月25日、NeuroSearch社は、NS2330の開発を続行すると発表した。NS2330の共同開発者であるBoehringer Ingelheim社は、NS2330の権利を返還した。

 

1)治験薬一覧表:New Current,17(28):25(2006.12.20.)
2)Bio Today;http://www.biotoday.com/view.=11292,2007.2.14.

 

[011.1.TES:2007.3.5.古泉秀夫]