「アルツハイマー病治療薬isproniclineについて」

KW:薬名検索・イスプロニクリン・ispronicline・アルツハイマー病・認知症

 

Q:アルツハイマー病の治療薬isproniclineについて

A:イスプロニクリン(ispronicline)はアストラゼネカが開発中のアルツハイマー病・認知症治療薬である。

別名:AZD3480、RJR-1734、TC-1734、TC-1734-112。[CAS-252870-53-4]。

isproniclineは米・targacept社(ターガセプト社)が創製した脳選択的α4/β2ニコチン性アセチルコリン(ACh)受容体パーシャルアゴニストで、アストラゼネカ社とtargacept社が2005年12月に全世界での共同開発・販売契約を締結した。

2006年3月本剤は加齢に伴う記憶障害患者に対する第II相臨床試験において有効性が確認されたの報告が見られる。既に2004年には加齢に伴う記憶障害患者、軽度認知障害の患者において安全性の確認もされている。

本剤は経口投与で、大脳皮質からのACh放出を持続的に促進し、acetylcholine esterase阻害剤との相加又は相乗効果が示唆されたとされる。また本剤は、動物モデルで神経保護効果、抗鬱効果を発揮した。毒性試験では遺伝毒性、細胞毒性は認められていないとされている。

現在までに行われた第I相臨床試験において、何れの用法・用量でも忍容性は良好で、主な有害事象は軽度-中等度の眩暈、頭痛であった。また臨床検査値、心血管パラメータの異常変動も認められなかった。また第II相臨床試験においても重篤な有害事象や有害事象による脱落は殆ど無く、主な有害事象は眩暈、頭痛であったとされている。

 

1)研究開発Report;New Current,18(3):48-50(2007.2.1.)

   [011.1.ISP:2007.3.5.古泉秀夫]