「ツベルクリン検査にについて」
土曜日, 1月 12th, 2008KW:語彙解釈・ツベルクリン・ツベルクリン検査・精製ツベルクリン・一般診断用・一般診断用強反応者用・確認診断用・結核予防法改正・年齢制限
Q:ツベルクリン検査の動向について
A:平成14年11月13日付で『結核予防法施行令』の一部が改正され、平成15年4月1日から『小・中学校におけるツベルクリン反応検査は廃止』されている。
理由として『平成7年にWHOが、BCGの複数回接種の有効性に関して疑問視していることや、小・中学校でのツベルクリン検査による結核患者の発見も殆どなく、また強陽性患者が出たとしても過去にBCGの接種を受けていた結果あるいは再ツベルクリン検査などで繰り返し接種した場合の影響等で、結核感染の判断をすることが困難になる等が挙げられている。
□平成16年6月15日付で新に『改正結核予防法』が成立し、平成17年4月1日から施行された。改正のポイントは
?ツベルクリン反応検査を廃止して直接BCG接種を実施、また定期健康診断や定期外健康診断の対象者・方法の見直し
?保健所・主治医によるOTSの実施
?国・地方公共団体の責務の規定
?国・都道府県の結核対策に係る計画の策定
?結核診査協議会の見直し
の5点である。
『結核予防法施行令の一部を改正する政令第332号』の概要(平成17年4月1日施行)
□BCGの接種
改正前 | 改正後 |
対象年齢 間隔:ツ反判定後2週間以内 *)小・中学生へのツベルクリン反応検査・BCG接種は平成14年11月13日付で結核予防法施行令が一部改正され、平成15年4月廃止。 |
定期の予防接種 生後6ヵ月(特別の事情によりやむを得ないと認められる場合においては1歳)に達するまでの期間 *)ツベルクリン反応検査は全廃される。 |
定期の予防接種
生後6ヵ月(特別の事情によりやむを得ないと認められる場合においては1歳)に達するまでの期間
*)ツベルクリン反応検査は全廃される。
(二)定期の健康診断を受けるべき者 | 定期 |
(1)学校(専修学校及び各種学校を含み、幼稚園を除く。)、病院、診療所、助産所、介護老人保健施設などにおいて業務に従事する者 | 毎年度 |
(2)大学、高等学校、高等専門学校、専修学校、又は各種学校(修業年限が1年未満のものは除く。)の学生又は生徒 | 入学した年度 |
(3)監獄に収容されている者 | 20歳の誕生日の属する年度以降において毎年度 |
(4)社会福祉法に規定されている施設に収容されている者 | 65歳の誕生日の属する年度以降において毎年度 |
(三)市町村が行う定期の健康診断を受けるべき者 | 定期 |
(1)他の者が行う健康診断の対象者以外の者 |
65歳の誕生日の属する年度以降において毎年度 |
(2)市町村が時に必要があると認める者 | 市町村が定める定期 |
□定期の健康診断の回数を次のとおりとすることとした。
条件 | 回数 |
(1)(二)及び(三)(1)の健康診断にあっては、それぞれの定期において | 1回 |
(2)(三)(2)の健康診断にあっては、市町村が定める定期において市町村が定める | 回数 |
□定期外健康診断について
初発患者が感染源となって接触者に感染させた疑いがある場合に感染の有無等を把握するため、及び当該初発患者に感染させたと疑われる者を発見する目的で以下の方法等必要な検査を実施する。
実施の方法[接触者検診・集団検診]
喀痰検査・胸部X線検査、聴診、打診、ツベルクリン反応検査等必要な検査。
□以上の法律改正に伴い、次の製品は2005年3月末をもって製造・販売中止された。
製品 | 単位 | 備考 |
一般診断用強反応者用精製ツベルクリン(PPD) | 0.2μg/2mL | 経過措置期間:2006.3.31. |
確認診断用精製ツベルクリン(PPD) | 10 μg/2mL | 経過措置期間:2006.3.31. |
確認診断用精製ツベルクリン(PPD)1人用 | 2.5μg 1人用×10 | 経過措置期間:2006.3.31. |
一般診断用精製ツベルクリン(PPD) | 5μg/10mL | [薬価未収載] |
BCG接種用管針 | 10本入り | |
BCG接種用管針煮沸ホルダー | 20本立て |
□継続して製造・販売される製品
製品 | 単位 | 備考 |
一般診断用精製ツベルクリン(PPD) |
1μg/瓶 |
約10人 |
一般診断用精製ツベルクリン(PPD)1人用 |
0.25μg/瓶 |
10瓶 |
乾燥BCGワクチン(経皮用・1人用) | 12mg/ 1人分/管・溶剤0.15mL/管 | 器具1人分添付 |
[615.8TUB:2002.11.25.古泉秀夫・2007.4.3.・2007.6.18.改訂]
1)NEWS「改正結核予防法が成立」;日本医事新報,No.4182:70(2004.6.19.)
2)小学1年・中学1年に対するツベルクリン反応検査及びBCGの接種の中止にいて;事務連絡,2002.11.13.
3)結核予防法施行令の一部を改正する政令,第332号,2002.11.13.
4)結核予防法施行令の一部改正に伴う母子健康手帳の様式の改正について;雇児母発第1119001号,2002.11.19.
5)結核予防法の規則の一部を改正する省令;厚生労働省政令第9号,2003.2.4.
6)結核予防法施行令の一部を改正する政令(政令第303号)(厚生労働省);官報,第3949号:1-2(平成16年10月6日)
8)卸DI実例集第273回;卸薬業,29(8):485(2005)
9)政令第44号:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令;官報,第4539:2-7(平成19年3月9日)