アダラートCR錠の粉末化について
KW:物理化学的性状・特殊用例・粉末化・錠剤粉砕・アダラートCR錠・ニフェジピン・nifedipine・有核錠・徐放錠
Q:アダラートCR錠の粉末化調剤は可能か
A:アダラートCR錠(バイエル薬品)は、1錠中にニフェジピン(nifedipine) 10mg(帯赤灰色)・20mg(淡赤色)・40mg(淡赤褐色)を含有する徐放化システム(有核錠)を導入したフィルムコート錠である。また本剤は nifedipineを一定速度で放出する徐放性の外層部と、それよりも薬物放出速度が速くなるよう設計された内核錠から構成された有核錠である。
従って本剤を粉末化した場合、薬物放出特性、消化管通過速度及び消化管の運動性を考慮したとされる製剤特性が破壊される。
剤型 | × |
温度安定性 | ? |
湿度安定性 | ? |
光安定性 | ? |
水溶解性 | ? |
力価 | ? |
味 | ? |
臭い | ? |
融点 | ? |
総合判定 | × |
なお、本剤の粉末化等について、添付文書中に次の注意事項が記載されている。
『9.適用上の注意-(1)服用時:本剤は割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのま まかまずに服用させること[割ったり、かみくだいたりして服用すると、血中濃度が高くなり、頭痛、顔面紅潮等の副作用が発現しやすくなる可 能性がある]。』
従って、如何なる理由であれ本剤を粉末化することは、本剤を使用する意味を失うことになる。
本剤商品名の『CR』の略号はControlled Releaseを略記したものである。
[014.4.NIF:2004.10.4.古泉秀夫]
- アダラートCR錠添付文書,2001.10.改訂
- アダラートCR錠インタビューフォーム,1999.3.作成