「アマランサス葉の含有成分について」
KW:健康食品・アマランサス・アマランサス葉・葉鶏頭・grain amaranthus・Inca wheat・紐鶏頭・ヒモゲイトウ、仙人穀・センニンコク、繁穂ヒユ、種粒ヒユ、子実用アマランサス
Q:アマランサス葉の含有成分について
A:アマランサスとは、葉鶏頭の仲間で、ヒユ科、ヒユ属の1年生草本である。60属中に800の種があり、その内10種ほどが食用にされている。メキシコからアンデス南部を原産地とするものや、インドから東南アジア、またヨーロッパが原産のものもある。耐暑性と耐寒性を備えており、生育前半に霜にあたらなければ、生育はしだいに旺盛となる。
学名:Amaranthus hypocondriacus L.、 A. caudatas、 A. curuentus等。
別名:ヒモゲイトウ、センニンコク、繁穂ヒユ、種粒ヒユ、子実用アマランサス
英名:Grain amaranthus、Inca wheat
種類: 雑穀、擬穀類食用。
アマランサス属は、さらにAmaranthus節とBlitopsis節に分けられる。前者はグレインタイプであり、染色用、装飾用、野菜用を含むが、大多数は雑草である。この中には、A. cruentus、南米で栽培されている紐鶏頭(A. caudautus)、メキシコで栽培されている繁穂ヒユ (A. hypochondriacus)及びA. edulisが含まれているが、A. edulisを除き無限花序である。一方、Blitopsis節は無限花序で、頂部に穂があっても小さい。この中には、葉菜用のA. tricolor(葉鶏頭)、A. gangeticus及びA. blitumなどが含まれている。
amaranthusの近縁種
子実用 |
栽培種 | A. hypochondriacus L. |
栽培種 | A. caudatus L.(紐鶏頭、仙人穀) |
栽培種 | A. cruentus L.(スギモリケイトウ、フジ鶏頭) |
葉菜用 | A. tricolor L.(葉鶏頭) |
葉菜用 | A. viridis L.(アオビユ、ホナガイヌビユ) |
葉菜用 | A. dulius Mart. ex Thell.(スギモリケイトウに近似) |
野生種 | A. spinosus L.(ハリビユなど) |
野生種 | A. retroflexus L.(アオゲイトウ) |
野生種 | A. patulus Bertoloni L.(ホソアオゲイトウ) |
amaranthusの一部は、広い環境に適応できる。早生種を選べば北海道でも栽培可能なことがわかったと報告されている。普通の葉は先の尖った楕円形を呈している。葉の大きさは種によって多様である。茎色も濃緑から赤紫まで色々である。光合成能力が高い。
amaranthusは、南米Tehuacan ValleyのBC6700-5000の遺跡から発見されている。新世界における古い作物の一つであり、4千年前から耕作され、トウモロコシ、ジャガイモなどと共にインカ古代文明を支えた食物のひとつと伝えられている。
19世紀初頭にインド、ネパール地域に持ち込まれ、この地域を中心に、主として食用目的に栽培されている。中国では葉鶏頭の若い茎葉を野菜とし、薬用とする他、小鳥の餌、あるいは穂や茎葉は豚の餌として使っている。
アメリカでは中国から品種を輸入して栽培しているが、1980年代に、雑草としてのアマランサスを研究中に、薬効があることが解り、健康食品として見直されているとされる。日本でもアレルギー性患者をもつ家庭で関心を持ち始めているが、輸入穀物は検疫の際、燻蒸するため、国産品が求められている。
amaranthusは、葉は野菜、実は穀物、花は観賞用となるほか、ミネラルや良質たん白質が豊富であるため健康食品として、また水田転作作物として関心が持たれつつある。
amaranthus生葉100g中[農業機構(FAO)資料;Elias, J(1977)]
mineral |
蛋白質 | 食物繊維 | Fe | Ca | Na | K | P |
4.6-14.9g | 7.4g | 2.2-24.8mg | 146-476mg | 41-15mg | 411-624mg | 45-610mg |
vitamin |
A | B1 | B2 | C | niacin |
65-7715IU | 0.01-0.08mg | 0.14-0.42mg | 12-120mg | 0.3-1.8mg |
以上、調査の結果を報告するが、まだ野菜としての大衆的認知が得られていないため、食品としての詳細な栄養成分の報告は入手できなかった。しかし、取り敢えず、上記の各成分については、国外での報告例として紹介されていた。
[015.9.AMA:2006.1.112.古泉秀夫]
1)古泉秀夫・編著:わかるサプリメント健康食品Q&A;じほう,2003
2)http://www.agri.pref.hokkaido.jp/chuo/hata2/tokuyo51.htm,2005.11.10.
3)http://misa.ac.affrc.go.jp/mihonen/CROP4.html,2005.11.10.
4)http://www.nava21.ne.jp/~uesugi/ken/seibun/amaranthus.htm,2005.11.10.