インポテンス治療薬バゾマックスについて
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Q: 新しいインポテンス治療薬のバゾマックスがFDAに申請されたというが、これはどの様な薬か
A:インポテンス治療薬バゾマックス(vasomax)は、Zonagen 社(ゾナジェン社)の開発した勃起機能を高める薬で、成分名はフェントラミン・メシル酸(phentolamine mesilate) である。
商品名ゼットマックス(Z-max)は、メキシコで承認販売された本品の商品名である。
phentolamine mesilateは、白色の結晶性粉末。水に易溶。交感神経抑制薬のうちα-受容体遮断薬に属する。
筋注又は静注によりカテコールアミン産生過剰となり、血圧を急激に下降させる。
細胞腫瘍摘出時の発作性高血圧の予防、細胞腫の診断に用いるとする報告が見られる。
その他、phentolamineはイミダゾリン誘導体 (imidazoline derivatives)で、競合的α受容体遮断作用の他に交感神経刺激作用(心筋興奮、冠血管拡張)を示し、その他副交感刺激作用(消化管運動亢進、唾液腺、汗腺、気道分泌促進)ヒスタミン様作用(胃液分泌促進、末梢血管拡張)、抗セロトニン作用など広範な薬理作用を有している。
本剤を静脈投与した場合、血圧は心臓興奮と血管拡張の両効果の割合に従って変動し、phentolamineは血圧降下を起こす。
臨床的には褐色細胞腫の診断、末梢循環障害の治療などに僅かに用いられている。
副作用は主に心臓作用(頻脈、不整脈)、消化管運動促進による胃腸管刺激作用(腹痛、悪心、嘔吐、下痢)である等の報告が見られる。
[011.1.PHE:2004.2.16. 古泉秀夫]
- 薬科学大辞典 第2版;広川書店,1990
- 藤原元始・他編:医科薬理学;南山堂,1986