エフェドラ属(genus ephedra)に分類される植物
KW:薬名検索・健康食品・エフェドラ属・genus ephedra・麻黄・Ephedra Herba・草麻黄・華麻黄・田麻黄・ephedrine・pseudoephedrine
Q: エフェドラ属に分類される植物としてどの様なものがあるか
A: 麻黄(Ephedra Herba)基原植物であるEphedra spp.は、ユーラシア大陸に約40種、アフリカに11種、アメリカ大陸南部に約30種分布しているが、これを薬として活用し、現在も頻用しているのは、漢民族及びその文化圏の人々だけであるとする報告がされている。
麻黄属(genus ephedra)に属する植物として、次の植物名が確認できたが、本表以外の麻黄属の植物名については不明である。
学名 | 成分等 |
Ephedra sinica Stapf麻黄(マオウ) (英名:Ephedra Herba) 別名:華麻黄(カマオウ)・草麻黄(ソウマオウ)・田麻黄(デンマオウ) |
遼寧、河北、河南、山西、陜西、内蒙古などの乾燥地に自生する。多年生草本状小低木、高さ20-40cm。主アルカロイドの(-)-ephedrine、抗炎症性の本体(+)- pseudoephedrine、ephedroxaneの他、副アルカロイドとして(-)-norephedrine、(-)-N- methylephedrine、(-)-N-methylpseudoephedrine、(+)- norpseudoephedrine等、アルカロイドの揮発性成分ベンジュールメチルアミンを含んでいる。 このうち主要成分はL-ephedrineである。 |
Ephedra equisetina Bunge木賊麻黄(モグゾクマオウ・トクサマオウ) |
河北、山西、陜西、内蒙古、 甘粛、新疆、四川西部などの乾燥地に自生する。小低木、高さ30-50cm。主要成分は(-)-ephedrine、(+)-pseudoephedrine である。 |
Ephedra intermedia Schrenk et C.A.Meyer中麻黄(チュウマオウ) | 甘粛、新疆、青海、内蒙古な どの砂地に自生する。低木、高さ1mに達する。多量の(-)-ephedrineを含む。 |
Ephedra linkiangensis Florin麗江麻黄(レイコウマオウ) | 雲南、四川に分布。草質茎を 麻黄として使用。 |
Ephedra przewashii Stapf膜果麻黄(マクカマオウ) | 内蒙古、新疆、甘粛、青海に 分布。草質茎を麻黄として使用。 |
Ephedra distachya L.双穂麻黄(ソウスイマオウ) | 東北、新疆に分布。草質茎を 麻黄として使用。 |
なお、国内では、dietary supplement中に『麻黄』を配合することは禁止されているが、米国では痩身目的のdietary supplementに配合されていた。しかし、今回、米国においてもdietary supplement中に麻黄を配合することは禁止された。
『米FDAは、Ephedra含有栄養補助食品の販売禁止の予定を発表するとともに、ephedra含有栄養補助食品の安全性について消費者向けの警告を発行(2003年12月30日付)。
ephedra製品の購入および使用を速やかに中止するよう消費者に対し警告。また、2003年12月30 日に、ephedrineアルカロイド含有の栄養補助食品による疾病または傷害の過度のリスクについてfinal ruleを発表する予定であることを製造業者に通知(2003年12月30日付)』とする報告がされている。
[011.1.EPH:2004.3.9.古泉秀夫]
- 伊澤一男:薬草カラー大事典;株式会社主婦の友社,1998
- 奥田拓男・他:天然薬物・生薬学;廣川書店,1993
- 和漢薬ハンドブック;富山県薬剤師会,1992
- 高木敬次郎・他:和漢薬物学;南山堂,1983
- 上海科学技術出版社・編:中薬大辞典;小学館,1998
- http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/diet/jirei/ephedra.html#17,2004.3.9.