オレフィン(C14-16)スルホン酸ナトリウムについて
KW:薬名検索・オレフィン(C14-16)スルホン酸ナトリウム・テトラデセンスルホン酸ナトリウム・Sodium Tetradecene Sulfonate・α-オレフィンスルホン酸ナトリウム・AOS・界面活性剤・起泡剤・発泡剤
Q:オレフィン(C14-16)スルホン酸ナトリウム(クレンジング成分)の安全性・毒性等について
A:オレフィン(C14-16)スルホン酸ナトリウムについて、次の報告がされている。
項目 | 概要 |
Code | 500279 |
表示名 | オレフィン(C14-16)スルホン酸ナトリウム |
種別許可成分名称 | テトラデセンスルホン酸ナトリウム液 |
化学名 |
テトラデセンスルホン酸ナトリウム(一般名)。テトラデセンスルホン酸ソーダ、ソジウムテトラデセンスルホネート、1-テトラデセン-1-スルホン酸ナトリウム |
英名 | Sodium Tetradecene Sulfonate |
別名 | α-オレフィンスルホン酸ナトリウム |
慣用名 | AOS |
INCA | SODIUM C14-16 OLEFIN SULFONATE |
分類 | 界面活性剤、洗浄剤、発泡剤 |
本品は主としてテトラデセンスルホン酸ナトリウム(C14H27NaO3S:298.42)及びヒドロキシテトラデカンスルホン酸ナトリウム(C14H29NaO4S:316.43)からなり、乾燥したものを定量するとき、テトラデセンスルホン酸ナトリウムとして90.0%以上を含む。
- 性状:本品は、白色-淡黄色の結晶又は結晶性粉末で、僅かに特異な臭いがある。本品は水に溶け、90%-温エタノールにやや溶け易い。無水エタノールには溶け難い。水溶液は化学的に安定で、酸性下でも分解しにくい。
- 基原:α-オレフィンスルホン酸塩(AOS)には、炭素数鎖によりC14-C19のAOSがあり、また製法上はほぼ同様の性能を持つC14-C19のヒドロキシアルキルスルホン酸塩を副生物として含む。従ってテトラデセンスルホン酸ナトリウムは、正確にはAOSを代表する一成分である。AOSは直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)に匹敵する洗浄力、起泡性を持ち、また比較的皮膚刺激も弱く、テトラデセンスルホン酸塩(C14AOS)は香粧品や台所洗剤にも汎用され、更に衣料用洗剤にも利用されている。
性質・作用 |
- 粘度特性:温度変化(10-60℃)により変化が少なく、20-30(cp)である。
- 生分解性:生分解度(JIS K-3363)は99%以上とよく、生分解速度も4日間で分解が終了し速い。
- 安全性:テトラデセンスルホン酸ナトリウムとしては特定していないが、AOSを対象として非常に多くの試験が実施されており、問題ないことが確認されている。
- 急性毒性:マウスに対するLD50値は、経口2500-3600mg/kg、皮下注209-1660mg/kg等である。
- 慢性毒性・発癌性:ラットへの2年間の経口投与 (5000ppm配合飼料)、30%溶液を70週間にわたり確実に皮膚投与等の試験において、腫瘍の発生等悪影響は認められていない。その他変異原性も認められず、催奇形性、多世代試験も悪影響は見られない。更に代謝・排泄については、経口投与した場合、消化管から容易に吸収され、大部分は尿中に排泄される。
- 感作性・各種刺激性:モルモットを用いた感作性試験は陰性であり、動物に対する皮膚刺激試験及びヒトに対する皮膚刺激性試験、眼刺激性試験について、いずれの場合も香粧品に配合される濃度では刺激性は認められていない。
[011.1.TET:2006.2.20.古泉秀夫]
- 湯浅正治・他編著:化粧品成分ガイド 第3版;フレグランスジャーナル社,2005
- http://ecoassist.omika.hitachi.co.jp/LawSCRIPTS_c/index.asp,2006.2.16.
- 化粧品原料基準 新訂版;薬事日報社,1999
- 日本化粧品工業連合会・編:日本汎用化粧品原料集 第4版;薬事日報社,1997
- 日本公定書協会・編:化粧品原料基準 第二版追補註解;薬事日報社,1987