毒キノコ(1)-卵天狗茸の毒性
火曜日, 12月 4th, 2007調査者 | 古泉秀夫 | 記入日 | 2005. 7.30. |
[註]卵天狗茸の写真はW. Fische Fred Stevens 著 amanita phalloides を引用。
調査者 | 古泉秀夫 | 記入日 | 2005. 7.30. |
[註]卵天狗茸の写真はW. Fische Fred Stevens 著 amanita phalloides を引用。
■尿成分の90%以上は水で、残りの主たる成分は尿素及び塩化ナトリウムであり、他にカリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニア、リン酸、クレアチニン、尿酸、硫酸なども含む。黄色清澄透明な液体。黄色の色調は主としてウロクロムによる。健康成人の尿量は通常1日1-2Lで有り、pH5-8、浸透圧50-1500mOsm/kgH2O、比重1.005-1.030で、糖や蛋白を含まない。
尿色調の変化は、病気によっても起こり、次の報告がされている。
表1.疾病が原因とされる尿色調変化
青いおむつ症候群 |
乳児期に尿でおむつが青染されるトリプトファン吸収障害症。大腸で吸収されなかったトリプトファンが細菌によって分解されインドール化合物になり、それらが吸収されインジカンとして排泄される。これらが酸化されインジゴブルーとしておむつを青くする。本症は家族性疾患で高カルシウム血症、腎石灰症、インジカン尿症を来たし、臨床的には発育障害、易感染性、便秘等が見られる。 |
乳糜尿 |
乳糜尿はフィラリア症(filariasis)によるもので、糸状虫(Filaria bancrofti)若しくはWuc-hereria bancrofte(ブケレリアバンクロフト)の感染によってもたらされる。乳糜尿はリンパ液のため粘稠性のある白濁した外観を呈する。 |
ビリルビン尿 |
高直接ビリルビン血症においてアルブミンとの結合が緩やかな抱合型ビリルビンが増加するが、その中で蛋白非結合のものは水溶性であり尿中に排泄される状態をいう。尿は濃黄褐色や赤褐色を呈する。→黄疸尿。 |
ヘモグロビン尿 |
血色素尿。ヘモグロビン尿の存在は、血管内溶血を意味する。透明で鮮紅色を呈し、時間の経過したものは、暗褐色を示す。ヘモグロビン尿は、発作性血色素尿、連鎖球菌性敗血症、溶血性尿毒症症候群、熱帯性マラリア、輸血、熱傷などで見られる。 |
ポルフィリン尿 |
δ-アミノレブリン酸からヘモグロブリンやミオグロビンなどヘム蛋白が合成される代謝経路に障害が生じ、これらの中間代謝物であるポルフィリン体の血中濃度が上昇し、尿中へも排泄されるもの。肝性ポルフィリン症、鉄芽球性貧血や鉛中毒などによって尿中排泄が増加する。ポルフィリンは一般に赤色を呈する。尿中へのポルフィリン排泄のためブドウ酒色(ポートワイン様尿)に変色。 |
ミオグロビン尿 |
ミオグロビンが尿中に高濃度に出現した病態。ミオグロビン濃度が高くなるに従い、赤、赤褐色、黒赤色(コカコーラ様尿)となる。ミオグロビンは心筋、骨格筋に存在する小分子量のヘム蛋白質である。ミオグロビン尿はこれらの組織の障害を意味し、横紋筋融解、筋肉の挫滅、痙攣、激しい運動、筋炎などで見られる。 |
表2.として集合化した資料は、病気に起因する尿色調の変化、服用した薬の副作用に起因する尿色調の変化等によるものではなく、薬の原体又は代謝産物の排泄に伴う尿色調の変化を集約したものである。なお、1例報告についても類似の調査依頼がされた場合の便宜性を考慮し収載した。
表2.物理・化学的影響による尿色調変化(副作用に起因すると考えられる着色は除外)
分類・一般名・商品名(会社名) | 原体の色調 | 尿色調 | 発現機序 |
[251] acriflavinium chloride | 紫褐色?類赤色結晶又は結晶性粉末 | 黄緑色蛍光 | acrinol水溶液(1→40,000)は、緑色蛍光を発するとされている。本剤の場合も同様と考えられる。 |
[235] alosenn<配合剤> |
? | 黄褐色又は赤色 | センナ葉・実等の配合剤の主成分であるanthra-qunoneは、アルカリ性尿を赤変させることがある[D.J.1982] |
[629] ambazone |
暗褐色結晶性粉末 | 黄色[D.J.19 82] |
尿中に排泄された未変化のambazoneの色調に由来。 |
[114] aminopyrine |
無色?白色結晶性の粉末 |
赤色 |
内服により酸性尿の場会に赤変することがある[医要,1978]。 |
[622] aminosalicylic acid(PAS) (田辺三菱) |
? | 脱色(一定の色ではない) | 立証する情報は得られていない[関口ら,1981] |
[117] amitriptyline HCl トリプタノール錠・注(万有) |
無色結晶又は白色-微黄色結晶性粉末 | 青緑色 | FDAに1例が報告されたといわれるが、立証されていない[関口ら19 81]。 |
[114] antipyrine |
無色?白色結晶・白色結晶性粉末 | 赤色?黄色紫赤?赤(褐色) | 酸性尿で変化の報告。発現機序不明。 |
[124] avapyrazone |
白色?微黄色結晶 | 一時的赤色尿 | acamylophenineとsulpyrineの分子化合物であり、sulpyrineの酸化成績体による[医要,1978]。 |
[235]casanthranol dioctylsodiumsulfosuccinate |
anthranol:黄色針状晶・casanthra-nol:黄褐色-褐色粉末。ioctylsodiumsulfo-succinate:白色蝋状又は樹脂状物質 | アルカリ性尿:赤色、酸性尿:橙色、黄褐色又は赤色尿 | 配合剤中のcasa-nthranolに起因する。casanthranolは、cascara sag-radaから得られるanthranol配糖体の混合物である。 |
[235] cascara sagrada |
暗赤色澄明 |
黄褐色又は赤色。 |
anthraquinone誘導体。一般にこの系に特有の色調として尿を赤色-赤褐色に変化。 |
[613] cefacetoril sodium |
白色?微帯褐色結晶性粒又は粉末 | 赤色 | 尿を放置した場合、易着色。本剤の代謝産物であるCGP-695による[新井ら,1976] |
[613] cefdinir |
白色?淡黄色の結晶性粉末 | 赤色 |
?細粒小児用で15例、Cap.で2例報告。赤色調を呈する原因として細粒に着色剤として添加されている赤色102号、又はセフジニール鉄錯体の存在が考えられる。但し採集尿から検出されておらず、現在発症機序は不明[DSU解説,47(11):151-152(1995)]。 |
[613] cefozopran hydrochloride |
白色?微黄色結晶又は結晶性粉末 | 赤色 | 臨床試験で2例に赤色尿が見られたが、いずれも投与中あるいは投与終了後に消失した。原因物質は同定されていない。 |
[114] chinophen | 白色?類黄色結晶又は粉末 | 赤色?褐色 | 生体内で酸化され8-oxiphenyl-quinoline-4-carboxylic acidとなる[化学大辞典7,1964] |
[641] chloroquine diorotate |
? | 黄赤色?褐色。錆黄?褐色 | 立証する情報は得られていない[関口ら,1981] |
[122] chlorzoxazone |
白色?淡黄色結晶又は結晶性粉末 | 橙色(橙色?赤紫色) | 代謝産物による[D.J.,1982]。phenol性の代謝産物が関与[関口ら,1981]。代謝産物により尿が橙色に変化。 |
[623]clofazimine |
赤褐色結晶性粉末 | 赤褐色 |
本剤はイミノフェナジン系の染料で、当初抗結核剤として開発。皮膚着色(暗赤色から黒褐色;赤色化→投与1-4週間後、皮膚病変部の黒褐色→投与2-3カ月後変化)→投与中止により消失するが数ヶ月-数年必要。 |
[237] creosote | 無色?微黄色澄明液 | 暗緑褐色、放置しアルカリ性尿で黒色 | phenol類の混合物であり、主成分の一つguaiacolは塩化第二鉄の存在で暗緑色。phenol類は紫色?灰緑色?汚緑色に変化[JP-VI] |
[112]crocus |
暗褐色?赤褐色 | 黄色 |
色素成分crocinは水に溶け易く、唾液を黄色に染める。尿の着色はcrocinに起因 |
[235] danthron |
橙褐色粉末 |
赤色 |
danthronは化学名を1,8-dihydro-xyanthraquinoneといい一般にant-hraquinone配糖体では、この系に特有な色調として、尿を赤色?赤褐色に着 |
[618] daunorubicin HCl ダウノマイシン(明治製菓) |
赤色結晶性粉末 | 赤色 | 尿中に排泄される本剤は殆ど未変化体であり、そのため赤色尿となる。本剤はant-hracycline系の抗悪性腫瘍剤。 |
[392] deferoxamine mesilate |
白色?微黄色結晶性粉末 | 赤褐色 | deferoxamine mesilateは、生体内において酸化の鉄イオンに特異的に結合し、安定な化合物feri-oxamine B(赤褐色)を形成し、殆ど代謝されず尿中に排泄[D.J.19 82] |
[113] diphenylhydantoin |
白色結晶性粉末又は粒 | 桃色?赤?赤褐色 | 立証する情報は得られていない[関口ら,1981] |
[618] doxorubicin HCl アドリアシン注(協和醗酵) |
赤橙色結晶性粉末又は粉末 | 赤色 | 尿中排泄物から未だ代謝産物は確認されておらず、本剤の未変化体の尿中排泄による尿色調変化と考えられている[アドリアシン文献,1975]。本剤はanthra-cycline系の抗悪性腫瘍剤 。 |
[3999] epalrestat |
黄色?橙色結晶又は結晶性粉末 | 黄褐色?赤色 | 本品の原末は「黄色?橙色」であるが、これは本剤の有する五員環がロダニン色素と同一の構造であるため。本品は体内で代謝されても、五員環を開環しないため(=SSM結合に影響が無いため)、原末の色調がそのまま尿中に排泄される[企業報告,1997]。 |
[423] epirubicin HCl |
微帯黄赤色?帯褐赤色の粉末 | 赤色尿 | 本剤の尿中排泄により尿が着色する。塩酸ドキソルビシン同様anthracycline系の抗悪性腫瘍剤。 |
[313] flavin adenine dinucleotide sodium |
橙黄色?淡黄褐色の粉末 | 黄色 | 本剤は補酵素型ビタミンB2であり、riboflavinの尿中排泄の増加に起因する。 |
[114] floctafenine |
淡黄白色結晶性粉末 | 黄色 | 本剤の主成分は4-phenylamino-quinolin誘導体の一つであり、尿中の代謝産物に起因するものと思われる。添付文書では副作用欄に記載。 |
[722] fluorescein sodium |
橙色粉末 | 黄褐色。草緑色→酸によってこの色は無くなる。 | 本品はpyronine核を有するfluor-escein色素であり、本品の未変化体の尿中排泄により着色するものと思われる。eth-anol又は水に溶けて緑色の蛍光を発する[D.J.,1982]。添付文書では皮膚の一過性の黄変とともに副作用欄に記載。 |
[429] flutamide |
淡黄色の結晶性の粉末 | 琥珀色又は黄緑色を呈する |
国内において尿の変色が2例報告されたため記載。尿の変色はフルタミドの代謝物によって起こる[IF,1996.7.] |
[237] furazolidon | ? | 褐色 | 本剤の代謝産物による [関口ら,1981] |
[617]griseofulvin
ポンシルFP(武田) |
白色の結晶又は結晶性の粉末 | 赤色 | 立証する情報は得られていない[関口ら,1981] |
[237] guaiacol carbonate | 白色結晶性粉末 | 黄色 | guiacolは塩化第二鉄の存在で、暗緑色に変化[JP-VI] |
[423]idarubicin HCl
イダマイシン注(ファイザー) |
黄赤色の粉末 | 赤色 | 本剤の尿中排泄(2.04%)により尿赤色化。本剤はanthracycline系の抗悪性腫瘍剤。投与後1-2日間尿が赤色を呈することがある。 |
[119]idebenone
-製造中止- |
帯黄橙色?橙色結晶又は結晶性粉末 | 褐色?赤褐色 | 現在迄にヒトでの報告はないとされるが、動物における高用量群試験において尿色調の変化が報告されている。 |
[613]imipenem・cilastatin-sodium
チエナム点滴用・筋注(万有) |
imipenam:白色-
淡黄色結晶性粉末 |
赤褐色 | imipenemが分解されることに起因して発現する。 |
[322] iron solbitol | ? | 帯黒色 | 一部が尿中に排泄され、尿が黒変する[医要,1978]。硫酸化鉄の生成で尿が黒っぽくなることがある[関口ら,1981] |
[114] isopropylantipyrin | 白色結晶又は結晶性粉末 | 白色結晶又は結晶性粉末 | 立証する情報は得られていない[関口ら,1981] |
[119] levodopa |
白色?微帯灰白色結晶又は結晶性粉末 | 黒色(放置すると帯黒色) |
本剤の代謝産物による。汗・唾液も黒変することがある。 |
[119]levodopa・benserazide |
白色?微帯灰白色結晶又は結晶性粉末 | 黒色(放置すると帯黒色) | 同上 |
[119]levodopa・carbidopa |
白色?微帯灰白色結晶又は結晶性粉末 | 黒色(放置すると帯黒色) | 同上 |
[122]methocarbamol
ロバキシン(武田) |
白色結晶性粉末 | 放置すると暗色化して褐色・黒色又は緑色 | 立証する情報は得られていない[関口ら,1981] |
[214] methyldopa |
白色?僅かに帯灰白色結晶性粉末 |
黒色 |
methyldopa又はその代謝産物が分解されることに起因する[D.J.,1982]。本剤投与中の患者尿が、次亜塩素酸漂白剤と混ざると赤味を帯び、更に褐色に変化し、やがて黒変することがある[関口ら,1981] |
[251] methylene blue | ? | 青色 | 可能性がある[関口ら,1981] |
[114] metiazinic acid |
微黄色粉末 | 赤色?暗赤色 | 尿が水道水に接触し着色することがある[D.J.,1982]。 この赤色尿は本剤又はその代謝産物によるのではないかと推定。一般にpheno-thiazine系薬剤は、微量金属又は塩素の存在で着色することがある。 |
[641] metronidazole |
白色?微黄白色結晶又は結晶性粉末 | 希に帯黒色?暗赤色 | 恐らく本剤の代謝産物によると推定される[関口ら,1981]。添付文書は副作用欄に記載。 |
[421] mitoxantrone hydrochloride |
暗青色結晶 | 青?緑色 | 本剤はanthra-quinone系の抗がん剤。本剤の未変化体の尿中排泄に起因すると考えられている[企業報告,1990] |
[255] nephless |
? | 赤色 | 配合剤中の西洋アカネの色に起因する。 |
[625] nitrofurantoin |
黄色?黄褐色結晶又は結晶性粉末 |
黄褐色 |
nitrofurantoinの代謝産物の尿中排泄に起因する[D.J.,1982]。 |
[613] panipenem・betamipron |
P:白色?淡黄色の粉末又は塊 |
P:白色-淡黄色の粉末又は塊 |
panipenemが分解され、尿が茶色を呈することがある。また、本剤が採尿後時間の経過とともに茶色に着色し、ウロビリノーゲンの測定に影響を及ぼす可能性があるので3時間以内に測定する。 |
[622] para-aminosalicylate |
白色?僅かに着色した粉末 | 赤色 | PASを含む尿は、次亜塩素酸系漂白剤で清拭した便器に触れて変化[関口ら,1981]。 40℃以上になると脱CO2を起こしてm-aminoph-enolから一種のquinone体となって褐色に変化する。酸性条件で特に変化し易い[医要,1978]。 |
[114]phenacetin
-製造中止- |
白色結晶又は結晶性粉末 |
赤色?褐色、放置で黒色 |
代謝産物としてn-acetyl-amino-phenol。phenol性代謝産物は、尿を橙色又は赤紫色に変化させることがある[関口ら,1981]。アセトアニリド系の代謝産物であるacetophenetidinは尿色調を黄色(暗褐色?ぶどう酒色)に変色。 |
[259]phenazopiridine HCl | ? | 橙赤色・橙褐色・赤色 | 立証する情報は得られていない[関口ら,1981] |
[333] phenindione | ? | アルカリ性尿:橙色、酸性尿:消失 | 立証する情報は得られていない[関口ら,1981] |
[235] phenolphthalein | ? | アルカリ性尿:赤色?赤紫色又は桃色?赤?深紅色・酸性尿:黄褐色 | アルカリによりquinoido型Na塩が生じる[医要,19 78] |
[728] phenolsulfonphthalein |
鮮赤色 | アルカリ性尿:桃色?赤色 | 立証する情報は得られていない[関口ら,1981] |
[141] phenothiazine |
桃色?赤色又は赤褐色 | 立証する情報は得られていない[関口ら,1981] | |
[235] phenovalin |
白色結晶性粉末 | アルカリ性尿:赤色 | 便の赤色化も報告。加水分解によりphenolphtaleinのquinoide型Na塩が生じる[医要,1984] |
[113] phensuximide | 桃色?赤色又は赤褐色 | 立証する情報は得られていない[関口ら,1981] | |
[113] phenytoin |
白色結晶性粉末又は粒 | 桃色又は赤?赤褐色 | 立証する情報は得られていない[関口ら,1981] |
[641] primaquine | ? | 赤黄色?褐色(錆黄?褐色) | 立証する情報は得られていない[関口ら,1981] |
[114] protizonic acid |
微黄色?淡黄白色結晶性粉末 | 青色 | 尿が水道水に触れると着色することがある[D.J.,19 82]。この赤色尿は、本剤又はその代謝産物によるのではないかと推定。一般にphen-othiazine系薬剤では、微量金属又は塩素の存在で着色することがあるとされる。 |
[642] quinacrine hydrochloride |
白色結晶又は結晶性粉末 |
酸性尿で黄色 |
代謝産物に起因する。 |
[641] quinine sulfate |
白色結晶又は結晶性粉末 |
酸性尿で黄色 |
代謝産物に起因する。 |
[322] reduced iron(還元鉄) | ? | 帯黒色 | 一部が尿中に排泄され、尿が黒変する。硫酸化鉄の生成で尿が黒変することがある等の報告が鉄剤でされている。 |
[235] rhubarb |
褐色 | 褐色・帯赤黄色。酸性尿:黄褐色・アルカリ性尿:桃黄色、放置で褐色?黒色 | 有効成分のsen-noside Aに関連し、anthraqui-none配糖体に起因する。 |
[318] riboflavin |
黄色?橙黄色結晶 | 黄色 | 配合剤中に含まれるriboflavinに起因する[D.J.,19 82]。大量のribo-flavinは尿の黄変を起こすといわれる。 |
[313] riboflavin tetrabutyrate |
橙黄色結晶又は結晶性粉末 | 黄色 | riboflavinの大量は、尿を黄変させる。 |
[616] rifampicin |
橙赤色結晶性粉末 |
橙赤色 | 汗・痰・唾液・涙液も着色。本剤及びその代謝産物による[D.J.,1982]。尿、糞、唾液、痰、涙液がrifampicin及びその代謝産物により橙赤色に着色。血清も同様の着色を示す。又、ソフトコンタクトレンズが着色することもある |
[621] salazosulfapyridine |
帯黄褐色微細結晶 |
アルカリ性尿:黄赤色 | 尿中に排泄されたsalicylazo-sulpha-pyridineによる。酸性尿では着色しない。尿がアルカリ性の場合、黄赤色に着色することがある。又、ソフトコンタクトレンズが着色することがある。 |
[237] salicylate phenyl |
白色結晶又は結晶性粉末 | 暗緑色 | 小腸内でsalicyl-ateとphenolに分解する[医要,1978] |
[642] santonin |
無色又は白色結晶性粉末 | 酸性尿:淡黄色?橙色・アルカリ性尿:紫赤色 | santoninの酸化生成物に由来する[JP-X] |
[235] senna ext.leaf.pod |
? |
アルカリ性尿:黄褐色・酸性尿:赤色。 |
主成分であるanthraquinoneに特有の色である。主成分のanthra-quinoneとアルカリ尿の反応によるもの。 |
[235] sennoside |
淡褐色粉末 (Ca塩) |
黄褐色又は赤色 | anthraquinone配糖体に特有の色。 |
[114] sulpyrine | 白色?淡黄色結晶又は結晶性粉末 | 赤色 | aminopyrine同様ピラゾロン誘導体 |
[237] tannic acid |
黄白色-淡褐色無晶形粉末又は光沢ある小葉片又は海綿状の塊 | 赤色?褐色 | 尿中代謝産物としてピロガロール。アルカリ性尿で赤?赤褐色に変色するとされている[JP-X] |
[623] thiazosulfone |
白色?微黄色結晶又は結晶性粉末 | 桃色又は赤色 | 尿中に排泄されたthiazosulfoneによる[関口ら,1981] |
[642] thymol |
無色結晶又は白色結晶性粉末 | 緑色、放置で黒色 | thimol hydroxy-quinoneとなり尿中に排泄。放置すると酸化により変化する[医要,1978] |
[124] timepidium bromide |
白色結晶又は結晶性粉末 | 赤味がかった着色尿 | 本剤の代謝産物の尿中排泄による[D.J.,1982]。本剤の代謝産物により、赤味がかった着色尿が現れることがあるので、ウロビリノーゲン等の尿検査は注意。 |
[641] tinidazole |
白色?淡黄色結晶性粉末 | 濃縮した濃い黄色?褐色の着色尿 | metronidazoleと類似した化学構造であり、恐らく代謝産物によると推定される。 |
[114] tinoridine hydrochloride |
帯黄白色?黄色粉末 | 黄緑色蛍光 | 本剤の尿中排泄に起因する[D.J., 1982]。服用後尿が黄緑色の蛍光を呈することがある。これは本剤の成分の一部によるもの。 |
[222] tipepidine hibenzate |
白色?淡黄色結晶性粉末 | 赤味がかった着色尿 | 本剤の代謝産物の尿中排泄に起因する[D.J.,19 82] |
[449]tranilast |
? | 緑色尿 | 緑色尿については、3例の報告があるが、機序は不明。いずれも10歳未満の小児、幼児で報告、オムツの着色から判明。 |
[213] triamterene |
黄色結晶性粉末 | 青白色蛍光 | 立証する情報は得られていない[関口ら,1981] |
[251] uva ursi leaves |
? | 赤色?褐色 | 主成分中のarbutin配糖体が尿中で分解、hydroquinoneとなることに起因[D.J.,1982] |
[219] vinpocetine |
白色?微黄色結晶又は結晶性粉末 | 黒色 | 現在までにヒトでの報告はされていないが、動物実験の高用量投与群においてvinpocetineの微量代謝産物によると推定される尿及び便の黒色化が報告されている。 |
[333] warfarin potassium |
白色結晶性粉末 | 橙色 | 立証する情報は得られていない[関口ら,1981] |
分類・一般名・商品名(会社名) | 原体の色調 | 尿色調 | 発現機序 |
1)伊藤正男・他総編集:医学書院医学大辞典:医学書院,2003
2)キネダック錠添付文書,1996.10.改訂
3)小野薬品工業株式会社・学術課私信,1997.6.16.
4)国立国際医療センター医薬品情報管理室・私信,1997.6.16.
5)オダイン錠インタビューフォーム,1994.10.
6)国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・編:尿色調に影響する薬剤;医薬品情報,21(5):423-430(1994)
7)関口 慶二・他監訳:薬物相互作用 第IV版;薬業時報社,1981
8)大阪府病院薬剤師会・編:医薬品要覧<総合新版>;薬業時報社,1978
9)第八改正日本薬局方解説書;広川書店,1971
10)第十改正日本薬局方解説書;広川書店,1981
11)新井 武利・他:Cephacetrileの基礎的研究;Chemotherapy,24(1):45(1976)
12)日本医薬品情報センター・編:日本医薬品集 第6版;薬業時報社,1982
13)ファルモビシン注添付文書,1991.3.作成
14)グリソビン-FP錠添付文書,1996.11,改訂
15)カルベニン点滴用インタビューフォーム,1993.10.作成
16)ファーストシン静注用インタビューフォーム,1996.9.改訂
17)イダマイシン注インタビューフォーム,1995.6.作成
18)吉利 和・他監訳:薬の副作用と臨床(広川書店)
19)岩本多喜男:薬物投与が臨床検査成績に及ぼす影響 その3;薬局,21(9):1131(1970)
20)日本医薬品情報センター・編:日本医薬品集 第9版;薬業時報社,1985
21)ランプレンカプセル添付文書,1997.4.改訂
22)ランプレンカプセルインタビューフォーム,1996.12.作成
23)社団法人東京都薬剤師会医薬品情報室:DI掲示板;都薬雑誌,23(6):12-16(2001)
[第一改訂.1997. 6.23.古泉秀夫・第二改訂.1997.12.19.・第三改訂.2002. 1.21.・第四改訂.2003. 9.10.・第五改訂.2005.10.3.・第六改訂,2007.12.1.]
調査者 | 古泉秀夫 | 記入日 | 2005.8.5. |
調査者 | 古泉秀夫 | 記入日 | 2006.1.2. |