クロレラ製品中に含まれるクロレラの含有量

KW:健康食品・クロレラ・組成・含有量・サンクロレラA・グロスミン・光合成能力

 

Q:現在、服薬指導を担当している患者が、クロレラを摂食している。クロレラ製品中のクロレラ含有量あるいはそれらに含まれる成分としてどのようなものが含まれているのか。

A:市販されているクロレラ製品のうち、資料の入手ができたものについて、以下に紹介する。

クロレラ(chlorella)は、淡水産の緑藻類の一種で、直径1000分の3mm?8mmの球形の単細胞生物である。ギリシャ語のクロロス (緑)とラテン語のエラ(小さいもの)を組合せ「クロレラ」と命名されている。超微生物ではあるがその生命力はすばらしく、他の植物の数十倍以上の光合成能力で20時間毎に4分裂を繰り返して増え続ける。

クロレラの蛋白質合成量は驚くべき数値で、年間推定量として大豆の38倍、稲の55倍に相当する。アミノ酸組成も8 種類の必須アミノ酸をはじめ、3種の準必須アミノ酸もバランスよく豊富に含んでおり、極めて良質である。各種ビタミン・ミネラルなどが天然のままの状態で含まれている等の資料が示されている。

製品名(会社名) サン・クロレラA
[(株)サン・クロレラ]
グロスミン
[クロレラ工業(株)]
一般組成(g)
水分 4.6 4.0
蛋白質 58.4 63.5
脂質 9.3 11.5
炭水化物 23.2 15.0(糖質)
繊維質 0.3 2.3(粗線維)
灰分 4.2 6.2
クロレラエキス   26
食物繊維   20
エネルギー 411kcal 408kcal
ビタミン類(mg)
ビタミンA効力 51,300IU  
β-カロテン 92.4 41.4
ビタミンB1 1.7 1.85
ビタミンB2 4.3 5.70
ビタミンB6 1.4 0.912
ビタミンB12   0.077
ビタミンC 10.4 58
エルゴステロール   86
ビタミンE 1.5以下 12
ビタミンK1   1.0
ナイアシン 23.8 22.3
パントテン酸 1.1 2.85
ビオチン 0.18 0.209
イノシトール 132 221
葉酸 0.088 0.049
クロロフィル 1,663 2,000
コリン   380
コエンザイムQ9   17
ミネラル類(mg)
カルシウム 271 98.5
マグネシウム 315 221
カリウム   962
130 160
亜鉛 71  
リン 895  
ヨウ素 0.4  
アミノ酸類(g)
リジン 3.11  
ロイシン 4.69  
イソロイシン 2.32  
スレオニン 2.37  
バリン 3.23  
メチオニン 1.31  
フェニルアラニン 2.77  
トリプトファン 0.50  
ヒスチジン 1.12  
アルギニン 3.31  
セリン 2.00  
プロリン 2.49  
グリシン 3.06  
アラニン 4.29  
グルタミン酸 5.75  
アスパラギン酸 4.66  
その他 11.42  
脂肪酸
飽和脂肪酸 18.5%  
不飽和脂肪酸 81.5%  
リノール酸   1.8g
リノレン酸   2.0g

 

健康補助食品或いは健康食品の場合、その含有成分について厳密に測定すべき項目は定められていないようであり、その意味では表中の空欄部分は、その成分が存在しないことを意味しない。いずれにしろ、原料は天然の産出物であり、含有成分にバラツキはあるものの、それぞれ各成分が含まれていることは推定できる。

上表の含有成分中、医薬品との相互作用が懸念されているのは、葉緑素中に含まれるビタミンKで有り、warfarinの添付文書中に「クロレラとの併用は避ける」の記載がされている。

[015.9.CHL:1997.9.4.古泉秀夫]


  1. (株)サン・クロレラ東京支店・私信,1995.2.24.〒103東京都中央区東日本橋2-23-5サン・クロレラ第2ビルTEL.03-3864-1903
  2. クロレラ工業(株)・私信,1995.2.24.