クレソンの機能性成分等について
KW:健康食品・クレソン・cresson・ウオータレタス・water lettuce・オランダガラシ草・ミズカラシ・水芥子・機能性成分
Q:クレソン中に含まれている各種成分等について
A:クレソンはアブラナ科(Brassicaceae)の多年草でヨーロッパが原産である。
クレソン(cresson)はフランス名で、英名はウオータレタス(water lettuce)ともいう。
- 和名:ミズカラシ(水芥子)。 オランダガラシ草(Nasturtii herba)。
- 原植物:Nasturtium officinale R.BR. (オランダガラシ)。
葉の小片は、ひどく縮み、普通は丸まっていて淡緑色ないし暗緑色を呈する。細い葉脈があり無毛である。茎の小片は扁平で幅広く、淡褐色、中空である。小花は黄白色で、黄色の葯がある。小さな短角果はやや曲がり小さな褐色の種子を有する。
cressonは非常に弱い芳香とやや苦く、ピリッとした灼けるような味がある。 cressonは小川の畔や湿地帯に散在、生育する。
小規模に栽培もされているが、東ヨーロッパ、南東ヨーロッパの諸国から輸出される。
- 同意語:Herba Cardamines、Herba Nasturtii aquatici[ラ]。Brunnenhressenkraut、Wasserkresse[独]。Water cress[英]。Cresson de Fontaine、Herbe aux chantes[仏]。
- 含有成分:本生薬は少量の glucosinolate(芥子油配糖体):gluconasturtiin、2-phenylethyl isothiocyanate。ニトリル類:3-phenylpropionitrile、8-methylthiooctanone nitrile等を含有している。その他シニグリン(sinigrin)という微量成分を有し殺菌・解毒作用がみられ、食中毒の予防になるの報告もみられる。
- 応用:本生薬はエキスの形で利胆剤の製造に用いられる。
民間療法では、健胃剤、咳嗽・歯肉炎・歯周炎時に用いられる。自然療法として浄血剤としての使用が報告されている。
- 副作用:芥子油配糖体を含有しているので、胃粘膜を刺激するおそれがあるため、cressonを長期間に亘って用いたり、大量摂取してはならない。 等の報告がされている。
尚、以下にcressonの報告されている栄養成分について、紹介する。可食部100g当たりの含有量であるが、我が国の場合cressonを大量に摂食する習慣はなく、精々肉料理のツマとして使用される程度であり、そのツマについても必ずしも摂食するとは限らない。
食品名 | energy | 水分 | 脂質 | 蛋白質 | 炭水化物 | 灰分 | Na | K | Ca | Mg | P |
cresson茎葉 |
15kcal | 94.1g | 2.1g | 0.1g | 2.5g | 1.1g | 23mg | 330mg | 110mg | 13mg | 57mg |
*株元。硝酸イオン 0.1g。
従って、芥子油配糖体あるいは辛味成分の含有量にもよるが、通常使用量程度では、期待される効果は得られないと考えられる。
[015.9.CRE:2005.5.24.古泉秀夫]
- 奥田拓道・監修:健康・栄養食品事典 改訂新版;東洋医学舎,2002-2003
- 井上博之・監訳:西洋生薬;廣川書店,1999
- 香川芳子・監修:五訂食品成分表;女子栄養大学出版部,2005