アトピーに有効とされるお茶について

KW:健康食品・機能性食品・生薬・アトピー・お茶・茶・黄杞茶・コウキチャ・フラボノイド・明日葉パーセント・あしたば・栄養補助食品・アトピー性皮膚炎・カルコン誘導体・入浴用シジュウム・シジュウム茶・甘茶

 

Q:お茶がアトピーに有効であるとする報道がされたと聞くが、その作用等について

 

A:現在までに収集した情報として、次のような製品がある。

■「黄杞茶(コウキ)」
[マンナンフーズ株式会社 東京都中央区日本橋人形町2-17-10](30g×30袋)
黄杞は、中国の広東、広西、福建省等に分布するクルミ科の常緑高木植物である。この葉は、加熱乾燥すると甘くなることから、中国では「甘茶」と称し、夏負けしないとか、解熱、解毒、鎮痛、健胃、減肥満(ダイエット)などに効果のある健康茶として、飲み次がれてきた。黄杞の葉の甘味には、天然の特殊成分フラボノイドの一種「ジヒドロフラボノール配糖体」が、他の植物に比較して豊富に含まれている。この成分は万病の原因とも言われる不要な活性酸素や過酸化脂質の生成を抑制する働きがあることが、動物実験により判明している。また、日本人に不足がちなカルシウムを始め、亜鉛、鉄分などの必須ミネラルが豊富で、栄養補助食品としても活用できる。黄杞茶は美容、癌、アレルギーに効果があるとしている。尚、本品の原植物について調査したが、検索できなかった。
 
■「明日葉パーセント(あしたば)」
[株式会社ダイケン 明日葉パーセント 〒100-15 東京都八丈島八丈町三根567 八丈島指定あしたば加工工場](粒(150g)・粉末(150g)
八丈島に自生する明日葉は、古くは天然痘の予防薬として用いられ、現在でも民間薬として重宝がられている。ほうれん草よりも栄養学的に優れていることでも注目されているが、それ以上に世界でも2?3の植物にしか含まれていない「カルコン誘導体」が豊富に含まれていることで、注目されている。癌の予防、アトピー性皮膚炎に効果を発揮するほか、抗HIV活性があるという結果も報告されている。これを大阪薬科大学の馬場教授の指導のもと、多彩な成分を損なわないように粉末と粒状にしたものが「明日葉パーセント」である。八丈島で栽培された原葉の新芽を使用し、独自の特許製法により純度100%の無添加・無着色の製品化に成功。粉末は水や牛乳に溶かしたり料理に使うなど手軽に食べられる。

明日葉100g中(含有%)

ビタミンA効力 人参約4本分
ビタミンB2 にんにく約28個分
ビタミンC レモン約4個分
蛋白質 牛乳180g 7本分
鉄分 ほうれん草約3束分
植物繊維 セロリ約56本分
■「入浴用シジュウム・シジュウム茶」
[OS工業株式会社 東京都荒川区東尾久5-22-2]
(入浴剤:15g×30包・茶:0.5g×100包)
シジュウム:ブラジルなどの熱帯アメリカ原産の植物で、繁殖力が強い。かつてインカ人(南米ベール高原を中心に繁栄したインデオの一種族)によって広く栽培され、果実(ゴルフボール大)が常食されていた。葉は人間の手のひら大。
 
–シジュウム葉の構成–
 
シジュウム葉は、大きく分けて次の8成分より構成されている。クエン酸・蓚酸・乳酸・リンゴ酸・ギ酸・ビタミンA・ビタミンC・タンニンこれらの成分はシジュウム葉の主要成分であるが、これ以外に次の18種以上の成分が含有されている。caryopyylene,α-pinine,aromadendren,limonene,β-bisobolene, caryophyllene,oxide,
arcurcumene,1,8-cineole,y-muurolene,calamenene,camphne,β-pinene,myrcene,
α-terpineol,hex-3-en-l-ylacetate,cis-β-ocimene,N-hexyl,α-copanen,α-humulene, α-cadinener
これらは全て芳香族化合物と呼ばれる成分で、それぞれ種々の特質を持っている。例えばα-humulene(抗バクテリア物質)、1,8- cineole(肺感染症の治療、去痰)、α-terpineol(去痰、利尿)。これ以外にもシジュウムの葉には、人間に不可欠な各種ミネラル成分が多量に含まれている。日本食品分析センターにおけるシジュウム葉の分析結果は次の通りである。

分析試験項目

結果

分析試験項目

結果
水分 10.7% リン 147mg/100g
蛋白質 9.8% 31.3mg/100g
脂質 4.6% カルシウム 1.3%
繊維 15.2% ナトリウム 9.48mg/100g
灰分 6.9% カリウム 973mg/100g
糖質 42.7% マグネシウム 350mg/100g
タンニン 10.1% 総アスコルビン酸 19mg/100g

シジュウム葉は、アトピー性皮膚炎に対する治療効果が著しい。その効果は、エキスについて、肥満細胞を用いたヒスタミン遊離抑制試験によって、抗ヒスタミン活性が確認されたことから、抗ヒスタミン作用に基づいて発揮されるものと考えられる。従って、アトピー性皮膚炎に限らず、ヒスタミンの関与する気管支喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎等のアレルギー性疾患にも適用されると考えられているの報告がされている。

[015.9.SIZ:2007.12.27.古泉秀夫]


  1. 黄杞茶(マンナンフーズ):薬局新聞,1995.12.6.
  2. マンナンフーズ株式会社・私信,1996.2.16.
  3. Medical Science Report「がん・アトピー・花粉症・エイズに効く」「4代新薬」は人類を救うか:週刊現代,1996.1.27.
  4. アトピー性皮膚炎抑制性分発見-野生植物「シジュウム」の葉:東京新聞,1995.12.24.
  5. OS工業株式会社・私信,1996.2.12.
  6. 国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・編:FAX.DI-News,No.1237,1996.2.22.