マジックマッシュルームについて
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Q:マジックマッシュルームを摂取したことを理由として、麻薬及び向精神薬取締法違反で逮捕されたという記事を見たが、キノコが、何時から麻薬に指定されたのか
A:幻覚作用を惹起するキノコ「マジックマッシュルーム (magicmushroom)」を摂食したとして、麻薬及び向精神薬取締法違反容疑で逮捕されたとの報道がされたのは2004年1月30日である。
従来脱法ドラッグの一種として市販されていたマジックマッシュルームは、平成14年5月7日に公布された政令改正により、麻薬原料植物に指定され、平成14 年6月6日以降これらの植物は麻薬として取り扱われるので、輸入、輸出、栽培、譲り受け、譲り渡し、所持、施用、広告という行為のすべてが法違反として扱われる。
■麻薬原料植物として指定された植物
- (1) 3-[(2-ジメチルアミノ)エチル]-インドール-4-イルリン酸エステル(別名サイロシビン)及びその塩類を含有するきのこ類
- (2) 3-[2-(ジメチルアミノ)エチル〕-インドール-4-オール(別名サイロシン)及びその塩類を含有するきのこ類
マジックマッシュルームとは、幻覚作用を惹起するキノコの俗称で、毒キノコの一種である。乱用されているのは、主にキノコを乾燥させたものである。乱用されるマジックマッシュルームは、主として次のキノコと考えられている。
- Psilocybe cubensis(シロシベ・クベンシス、和名:ミナミシビレタケ)
- Copelandia cyanescens(コーポランディア・キアネンシス、和名:アオゾメヒカゲタケ) ただし、これ以外の名前で呼ばれているものもあるので、注意が必要である。マジックマッシュルームには、サイロシビン(psilocybin:シロシビン)やサイロシン(psilocin:シロシン)という麻薬成分が含まれている。
- psilocybin:メキシコ産茸の一種であるpsilocybe mexicanaに含まれるアルカロイドである。健常人に経口投与すると不安が著しくなり、知覚障害、思考力減退、幻視、多幸感、リジン現象などが見られる。
- psilocin:メキシコ産茸の一種であるpsilocybe mexicanaに含まれるアルカロイドで、サイロシビンと同様に幻覚薬である。
マジックマッシュルームに含まれる麻薬成分のpsilocybinや psilocinは、中枢神経系に作用し、中枢神経の興奮や麻痺、幻覚を起こす。
主な症状は幻覚、酩酊状態、狂乱、発熱などで、摂食してから15-60分後に発現する。摂食後2週間から4カ月後、飲酒やストレス、睡眠不足、他の薬物の服用等によって、幻覚などの精神症状が再び現れる『フラッシュバック現象(再燃現象)』が起こることがある。
[011.1.PSI:2004.3.2.古泉秀夫]
- マジックマッシュルーム食べた疑い-打楽器奏者逮捕;読売新聞,第 45924号,2004.1.30.
- http://www.kenkou.metro.tokyo.jp/yakumu/m- sitei/mm.html,2004.2.1.
- 薬科学大辞典 第2版;広川書店,1993