GLP-1について
KW:薬名検索・GLP-1・glucagon-like peptide 1・glucagon・insulin secretagogue・インスリン分泌促進物質・点鼻薬
Q:開発中のGLP-1関連薬剤について
A: GLP-1はglucagon-like peptide 1の略称である。膵glucagon及びenteroglucagonの共通の前駆物質であるpreproglucagon構造の中に、更に二つの glucagon様配列が含まれていることがわかり、GLP-1及びGLP-2と名付けられた。膵からは両者が結合した不活性な形で分泌され、消化管からは活性型であるGLP-1(7-36)の形で分泌され、インスリン分泌増強物質(インクレチン)として作用している。
現在、GLP-1に基づく医薬品として、次の薬物が治験段階として報告されている。
治験記号 | 一般名(企業名) | 概要 |
insulinotropin(米・Scios) |
薬理:insulin secretagogue(インスリン分泌促進物質)。糖尿病用剤。剤形:静注・点滴静注。本品はインスリン放出ホルモンであり、血糖値を過度に低下せずに糖尿病患者の血糖値を調節する。インスリン非依存性糖尿病治療薬として開発中(第II相臨床試験)である。抗肥満薬としての効果も期待されている。現在中断の可能性。 |
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SUN-E7001 | ? (日・Suntory) |
insulin secretagogue(インスリン分泌促進物質)。糖尿病用剤。その他のホルモン剤。 インスリン非依存性糖尿病を適応として、orphan drug指定。 剤形:点鼻薬。前臨床段階。 本品はグルカゴン様ペプチド(GLP-1)のアミノ酸残基7番目から36番目までのペプチドで、大腸菌を用いた遺伝子組換えによって製造される。 血糖値上昇時に膵臓のβ細胞に作用してインスリン分泌を促進するとともに、gluca-gonの分泌を抑制する。 |
[011.1.GLP:2004.4.13.古泉秀夫]
- 医学大辞典;南山堂,1992
- 最新医学大辞典 第2版;医歯薬出版株式会社,1996
- 明日の新薬CD-ROM版,2002.6.21