amezinium metilsulfateとdextromethorphan hydrobromideの相互作用
KW:相互作用・amezinium metilsulfate・dextromethorphan hydrobromide・リズミック錠・メジコン散・併用禁忌
Q:メジコンとリズミックがレセプトコンピュータでは相互作用対象薬として検索されるが、その理由は
A:両剤の添付文書中に記載されている作用機序及び相互作用は下記の通りである。
amezinium metilsulfate リズミック錠(大日本住友) |
dextromethorphan hydrobromideメ ジコン散・錠(塩野義) |
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作用機序 |
本剤はノルエピネフリン (norepinephrine)と競合して末梢の神経終末に取込まれ、norepinephrineの神経終末への再取込を抑制するとともに、神経終末においてnorepinephrineの不活性化を抑制し、交感神経機能を亢進させる[添付文書,2003.6] 。本剤は交感神経刺激剤に属する低血圧症治療剤である。本剤はα刺激作用により、散瞳を惹起し、前立腺を収縮させる。 |
臭化水素酸デキストロメトル ファンは、延髄にある咳中枢に直接作用し、咳反射を抑制することにより鎮咳作用を示す。臭化水素酸デキストロメトルファンの肝代謝に関する酵素の分子種はo-脱メチル化ではCYP2D6、N-脱メチル化ではCYP3A4である。 |
相互作用 |
-併用注意-ドロキシドパ[血圧の異常上昇]:ドロキシドパから変換したノルエピネフリンの末梢神経終末における再取込と不活性化が本剤により抑制。 norepinephrine[血圧異常上昇]:本剤によりnorepinephrineの末梢神経終末における再取込と不活性化が抑制[添付文書, 2003.6]。 *ドロキシドパ(norepi-nephrineの前駆物質)。 |
-併用禁忌-MAO阻害剤(phenelzine)[臨床症状:痙攣、反射亢進、異常高熱、昏睡等]:デキストロメトルファンは中枢のセロトニン濃度を上昇させる。MAO阻害剤はセロトニンの代謝を阻害し、セロトニンの濃度を上昇させる。併用によりセロトニンの濃度が更に高くなるおそれがある[添付文書, 2003.6]。 [禁忌]MAO阻害剤投与中の患者。 |
添付文書を見る限り両剤間に相互作用があるとする記載はされていない。従ってレセプトコンピュータに導入されている相互作用データを作成した当事者でなければ、何故に検索されるのかの理由は不明であるが、資料によっては、amezinium metilsulfateの特徴として、間接的な交感神経刺激薬、交感神経内MAO阻害作用、交感神経内より放出されたノルアドレナリン再取込抑制作用を持つ等の報告がされており、相互作用データ中にamezinium metilsulfateの薬理作用として“交感神経内MAO阻害作用”が記載されていれば、dextromethorphan hydrobromideの添付文書中のMAO阻害剤(phenelzine)に反応した可能性が考えられる。
[015.2.AME:2004.12.13.古泉秀夫]
- 高久史麿・他監修:治療薬マニュアル;医学書院,2004
- リズミック錠IF,1995.8.(改訂3版)
- 水島 裕・編集:今日の治療薬-解説と便覧-;南江堂,2004