『アルツハイマー治療薬rivastigmineについて』

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Q:アルツハイマー病治療薬rivastigmineについて

A:rivastigmineは、cholinesterase(ChE)阻害薬(acetylcholine esterase(AChE)阻害薬及びbutylcholinesterase(BuChE)阻害薬)、認知促進薬に分類される。

商品名:Exelon(瑞西・Novartis Pharmaceuticals)。

アルツハイマー病による痴呆症の治療薬としてカルバミン酸系(carbamate-based)cholinesterase阻害薬である酒石酸リバスチグミン(rivastigmine tartrate)が発売された。本品はアルツハイマー病に対してFDAで承認された3番目の薬剤である。国内では現在第III相臨床試験段階である。

rivastigmineは軽度-中程度のアルツハイマー病の一部の患者において認識及び機能測定の一時的な安定化又は改善をもたらす。適応症としてアルツハイマー病、他の疾患における記憶障害、軽度認知障害である。

偽非可逆的に中枢作用性のacetylcholine esterase(AChE)を阻害し、acetylcholineの利用度を上げる。増加したacetylcholineの利用度は、記憶を調節する新皮質のコリン作動性神経の変性を一部補う。butylcholinesterase(BuChE)を阻害する。成長因子を遊離するか、あるいはアミロイド沈着を阻害するかもしれない。基本の記憶や行動に何らかの改善が明らかになるのに6週近くかかることがある。また、変性過程の何等かの安定が明らかになるまで、何カ月もかかることがあるとする報告が見られる。

副作用としてAChEの末梢での阻害の結果、消化器系の副作用を生じうる。AChEの中枢での阻害は悪心、嘔吐、体重減少、睡眠障害に寄与していることがある。悪心、下痢、嘔吐、食欲不振、胃酸分泌亢進、体重減少。頭痛、ふらつき。易疲労感、抑鬱。危険な副作用として希にてんかん性発作、失神。

 

1)The Medical Letter<日本語版>16(21),2000.10.2.
2)仙波純一・訳:精神科治療薬処方ガイド;メディカル・サイエンスインターナショナル,2006

                                                    [011.1.RIV:2007.2.9.古泉秀夫]