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非ステロイド性抗炎症薬の効力比較

金曜日, 8月 17th, 2007

KW:臨床薬理・非ステロイド性抗炎症薬・効力比較・NSAID・鎮痛作用・抗リウマチ作用・抗炎症作用・解熱作用

■非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidalanti-inflammatore drug:NSAID)は、鎮痛・解熱、高用量で抗炎症作用を示す薬物である。

NSAID は化学的に種々の群があるが、いずれもシクロオキシゲナーゼ(cyclo-oxygenase:COX)阻害能があり、それによるプロスタグランジン (prostaglandins)合成阻害がその治療効果の主役となる。prostaglandinsは細胞防御作用をもつと考えられるため、胃粘膜の prostaglandins合成阻害が、胃腸管障害(消化不良、悪心、胃炎)を起こすことが少なくない。更に重篤な有害作用は胃腸管出血と穿孔である。

なお、下表に示す効力の比較は、同一試験群の結果に基づく比較ではなく、個別の報告に基づく判断であるため、あくまで参照情報である。表中の○ 印は、添付文書中に効果があるの記載がされていることを示す。また、資料中に抗リウマチ作用と標記されていたものは、『抗炎症作用』に統一表記した。

化学構造による分類 半減期(h) 鎮痛作用 抗炎症作用 解熱作用

カルボン酸類 カルボン酸 ■サリチル酸系
sodium salicylateザルソニン注(扶桑) 24時間以内
100%尿中排泄
?
aspirin
アスピリン錠(各社)
2-5 ++ +++(大量)
salicylamide
サリチルアミド(岩城)
  ?
■フェナム酸
flufenamic acid aluminium
オパイリン錠(大正富山)
72時間迄に
51% 尿中排泄
mefenamic acid
ポンタール錠(三共)
24時間後
血中濃度 痕跡
+++ ○(>aspirin )
tolfenamic acid
クロタムカプセル(大鵬)
1.8 +++ ?
酢酸 ■アリール酢酸系
diclofenac sodium
ボルタレン(ノバルティス)
1.2 +++ ++++ ○(>indometacin)
■インドール酢酸系
sulindac
クリノリル錠(万有)
α:3β:11-15 +++ +++ ○(indometacin)
fenbufen
ナパノール錠(ワイス)
α:12.5β:17 +++ +++ ○(aspirin )
amfenac sodium
フェナゾックス(明治製菓)
8時間後92.8%尿中排泄 +++ ++++ ++++
indometacin
インダシン(万有)
約2 +++ +++
indometacin farnesil
インフリー(エーザイ)
1.5 +++ +++
proglumetacin maleate
ミリダシン錠(大鵬)
α:2
β:14
+++ +++
acemetacin
ランツジール錠(興和)
3 +++ +++
nabumetoneレリフェン錠(三和化学) 約21 ?
etodolac
オステラック錠(ワイス)
6-8 +++ +++ ?
mofezolac
ジソペイン錠
(三菱ウェルファーマ)
約2.2 +++ +++ ?
プロピオン酸 ■プロピオン酸系
ibuprofen
ブルフェン錠(科研)
1.8 ++ ++ ++
ketoprofen
カピステン(キッセイ)
約1.13、
約4.5(徐放)
++ ++ ++
flurbiprofen
フロベン錠(科研)
約2.7
(>aspirin )
+++ ○(>aspirin )
flubiprofen axetil
ロピオン注(科研)
5.8
(>aspirin )
+++ ○(>aspirin )
oxaprozin
アルボ錠(大正富山)
約50 ++ ++ ++
fenoprofen calcium
フェノプロン錠(山之内)
3.5-5.9 ++ ++ ++
tiaprofenic acid
スルガム錠(アベンティス)
約2 ++ ++ ++
naproxenナイキサン錠(田辺) 約14 ++ ++ ++
pranoprofen
ニフラン錠
(三菱ウェルファーマ)
α:1.3
β:5.4
++ ++ ++
loxoprofen sodium
ロキソニン錠(三共)
1.2 ++ ++ ++
alminoprofen
ミナルフェン錠(マルホ)
1.06 ++ ++ ++
zaltoprofen
ペオン錠(ゼリア)
α:約0.87
β:約9
++ ++ ++

■ピラゾロン系
bucolome
パラミヂン(グレラン)
200時間後
約 50%尿中排泄
+++ +++ ?
■オキシカム系
piroxicam
バキソ(大正富山)
約36 +++ +++ ?
ampiroxicam
フルカム(ファイザー)
約40 +++ +++ ?
tenoxicamチルコチル錠(中外) 57 +++ +++ ?
meloxicam
モービック(ベーリンガー)
約27.6 +++ +++ ?
lornoxicam
ロルカム錠(大正富山)
約2.5 ++++ ++++ ?
非酸性
(塩基性)
epirizole(mepirizole)
メブロン錠(第一)
1.5
(>aspirin )
?
tiaramide hydrochloride
ソランタール錠(藤沢)
1.1 ○(>pentazocine)
emorfazone
ペントイル錠(ヘキサル)
1.75
化学構造による分類 半減期(h) 鎮痛作用 抗炎症作用 解熱作用

[015.4.NSA:2004.1.6.古泉秀夫]


  1. 麻生芳郎・訳:一目で分かる薬理学 第3版;MEDSi,1997
  2. 田中良子・監修:臨床で役立つ 薬効別 服薬指導マニュアル;薬業時報社,1990
  3. 高久史麿・他監修:治療薬マニュアル;医学書院,2003
  4. 長澤紘一・監修:カルテの読み方と基礎知識 第2版;薬業時報社,1997
  5. クロタムカプセル添付文書,2003.4.改訂
  6. 300mgパラミヂンカプセル添付文書,2002.12.改訂
  7. バキソカプセル添付文書,2003.4.改訂
  8. ロルカム錠添付文書,2003.12.改訂
  9. モービックカプセル添付文書,2001.5.
  10. 厚生省薬務局研究開発振興課・監修:JPDI;薬業時報社,1996
  11. ペントイル錠インタビューフォーム,1995.8.改訂
  12. ソランタールインタビューフォーム,1994.9.改訂
  13. メブロン錠・G添付文書2002.7.改訂