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横紋筋融解症を惹起する薬剤

木曜日, 8月 16th, 2007

横紋筋融解症は、骨格筋細胞の融解、壊死により筋体成分が血液中に流出した病態である。その際、流出した大量のミオグロビンにより尿細管に負荷がかか るため、急性腎不全を併発することが多い。また、稀ではあるが、呼吸器筋が障害され、呼吸困難になる場合もあるとする報告が見られる。

従って血液透析などの適切な処置が必要となる。初期症状に気付いた場合、直ちに服用を中止し、主治医に受診する。

発症時の自覚症状として『四肢の脱力感、腫脹、しびれ、痛み、赤褐色尿(ミオグロビン尿)などがあり、これに腎不全症状として無尿、乏尿が見られる場合もある。発症 は急性、亜急性、緩徐発症を示し、筋痛、筋力低下は、下肢、大腿部等に局限することが多いが、全身性のこともあり、呼吸筋、嚥下筋が障害される場合もある。症状として歩行障害、運動障害、呼吸障害、意識障害等様々な症状を呈することがある。検査所見として 『ミオグロビン、CPK等の筋逸脱酵素の急激な上昇』が認められる。

横紋筋融解症を発現する薬剤としては、高脂血症治療剤やニューキノロン系薬剤 などがよく知られているが、最近ではそれ以外にも多種多様な薬剤による横紋筋融解症の報告が続いている。ここの薬剤による横紋筋融解症発現のメカニズムは明確でないものが多いが、直接的な筋障害を起こす可能性の低い薬剤であっても、低リン血症、低K血症、糖尿病性ケトアシドーシスなどの代謝障害や悪性高体温、痙攣発作などを誘発する薬剤は、二次的に横紋筋融解症を発現する可能性があるため、注意が必要である。

対処法

横紋筋融解症の症例の多くは、入院加療が必要となる。速やかな対応(薬剤の中 止、輸液療法、血液透析等)により筋力の回復、腎機能の回復が見られるが、腎不全が進行し透析導入に至った事例もある。また、高カリウム血症による死亡例も報告されているとの報告が見られる。

副作用として横紋筋融解症の発現が添付文書に記載されている薬剤を服用中の患 者では、次の点に注意するよう前もって患者に伝えておく。

『手足がしびれる、手足に力が入らない、手足・肩・腰・全身の筋肉が痛んだり、こわばったりする。又は全身がだるい、尿の色が赤褐色になる』な どの症状に気付かれた場合には、服薬を中止し、直ちに主治医に受診すること。

[分類]一般名・商 品名(会社名) 発生頻度 概要
[394]allopurinol
ザイロリック錠(GSK)
横紋筋融解症 *発症機序不明。 allopurinolはキサンチンの尿酸への転換を阻害するので、キサンチンの尿中排泄が増加する。その結果、尿路系・筋肉内にキサンチン結晶形成の危
険性を生じうるとされており、過剰のキサンチンが影響する可能性。
[218]aluminium clofibrate
アルフィブレートカプセル(日研)
横 紋筋融解症 * フィブラート系薬剤で、腎機能障害を有する患者において横紋筋融解症が発現し、急激に腎機能が悪化。
*HMG-CoA還元酵素阻害薬では服用後1年以内の発症が殆どであり、4カ月以内が50%以上とする報告が見られる。
*発症原因として、薬剤の筋への直接的障害と薬剤により誘発された低K血症、痙攣発作などが原因する二次的なものが考えられている。高脂血症薬では、筋細
胞膜中のコレステロール含量低下、細胞中ユビキノンの低下、膜のClイオンの透過性低下が考えられている。
[218]atorvastatin calcium hydrate
リピトール錠(アステラス)
[211]aminophylline
ネオフィリン末・錠・注
(エーザイ)
横紋筋融解症 *発症原因として、薬剤の筋 への直接的障害と薬剤により誘発された低K血症、痙攣発作などが原因する二次的なものが考えられている。キサンチン系薬剤では、細胞内カルシウムイオンの
流入増加などが関与していると報告されている。
[218]bezafibrate
ベザトールSR(キッセイ)
横紋筋融解症0.01%又は 0.1% *発症原因として、薬剤の筋 への直接的障害と薬剤により誘発された低K血症、痙攣発作などが原因する二次的なものが考えられている。高脂血症薬では、筋細胞膜中のコレステロール含量
低下、細胞中ユビキノンの低下、膜のClイオンの透過性低下が考えられている。
*服用後1日?2年の間での発症が報告されている。2週間以内が50%以上の報告。
[117]bromperidol
インプロメン錠
(三菱ウェルファーマ)
横紋筋融解症(自主報告6 例) *発症機序不明。抗精神病薬 投与中に発症する横紋筋融解症には、抗精神病薬の過量投与、薬剤による直接的な筋障害、多飲による水中毒、悪性症候群、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群
等、様々な要因が関与していると考えられる[JPA-DI,2(5):6-9(1999)]。
*抗精神病薬により悪性症候群が発症し、これに引き続き横紋筋融解症が惹起されることは従来よりよく知られていた。今回報告された症例の中に水中毒、
SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)に引き続いて横紋筋融解症が発現した事例が見られており、注意が喚起される[JPA-DI,2(5):6-
9(1999)]。
[214]candesartan cilexetil
ブロプレス錠(武田)
横紋筋融解症(市販後6例) *アンジオテンシンII受容 体拮抗剤による発症機序は不明。一般的に薬剤による横紋筋融解症の発症機序は、薬剤の筋細胞への直接的障害と、薬剤により誘発された低K血症、痙攣発作な
どが原因で発症する二次的なものが考えられている[JPA-DI,5(9):18(2002)]。
[613]cefcapenepivoxil hydrochloride
フロモックス錠(塩野義)
横紋筋融解症(頻度不明) *発症機序不明。ただし、動 物実験(イヌ)でCPKの上昇を伴う筋細胞障害(骨格筋の病理組織学的検査)が認められているの報告[IF,1997.6]
[624]ciprofloxacin hydrochloride
シプロキサン錠(バイエル)
横紋筋融解症(0.1%未 満) *発症機序不明。ニューキノ ロン系薬剤では服用後1-6日間と短期間の服薬で急激に発症するの報告がされている。
[614]clarithromycin
クラリス錠(大正富山)
横紋筋融解症(頻度不明) *発症機序不明。本症の発症 には原因が何であれ骨格筋の障害が必須である。筋組織内のミトコンドリアにおけるATPの障害、過度の運動後のK欠乏などが原因と考えられているが定説は
ない。
[218]clinofibrate
リポクリン錠(住友)
横 紋筋融解症 * フィブラート系薬剤で、腎機能障害を有する患者において横紋筋融解症が発現し、急激に腎機能が悪化[添付文書,1999.6]。
*発症原因として、薬剤の筋への直接的障害と薬剤により誘発された低K血症、痙攣発作などが原因する二次的なものが考えられている。高脂血症薬では、筋細
胞膜中のコレステロール含量低下、細胞中ユビキノンの低下、膜のClイオンの透過性低下が考えられている。
[218]clofibrateヒポセロールカプセル(扶桑)
[117]clomipramine hydrochloride
アナフラニール錠・注
(ノバルティス)
横紋筋融解症 *発症機序不明。抗精神病薬 投与中に発症する横紋筋融解症には、抗精神病薬の過量投与、薬剤による直接的な筋障害、多飲による水中毒、悪性症候群、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群
等、様々な要因が関与していると考えられる[JPA-DI,2(5):6-9(1999)]。
[211]choline theophylline
テオコリン錠(エーザイ)
横紋筋融解症 *発症原因として、薬剤の筋 への直接的障害と薬剤により誘発された低カリウム血症、痙攣発作などが原因する二次的なものが考えられている。キサンチン系薬剤では、細胞内Caイオンの
流入増加などが関与していると報告されている。
[399]ciclosporin
サンディミュンカプセル
(ノバルティス)
横紋筋融解症 *発症機序不明。本剤に起因 するmyopathyの症例報告が最近見られるの報告。
[114]diclofenac sodiumボルタレン錠(ノバルティス) 横紋筋融解症 *本剤による横紋筋融解症の 発症機序は不明。本剤投与患者で、本剤との関連を否定できない横紋筋融解症の症例報告が、1994年以降6例(自発報告5例、学会報告1例)報告されてい
る。
*非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)による横紋筋融解症発症の機序は明確ではない。しかし、NSAIDsをエンドトキシンなどと一緒に動物に投与す
るとNSAIDsの濃度の上昇に伴ってTNF-α(腫瘍壊死因子)が増加することが知られている。従って、感染症の解熱目的でNSAIDsを使用すると一
端は解熱するが、 TNF-αを増加してサイトカイン類が増加し、多臓器不全を起こしやすくなる危険があると考えられ、多臓器不全の一つとして筋肉障害を起こす可能性がある
[JPA-DI,5(4):16-20(2002)]
[211]diprophylline
ネオフィリンM末・注(エーザイ)
横紋筋融解症 *類薬 (theophylline)で報告。
*発症原因として、薬剤の筋への直接的障害と薬剤により誘発された低カリウム血症、痙攣発作などが原因する二次的なものが考えられている。キサンチン系薬
剤では、細胞内カルシウムイオンの流入増加などが関与していると報告されている。
[119]donepezil hydrochloride
アリセプト錠・D錠・細粒(エーザイ)
横紋筋融解症 *発症機序不明。本剤投与に 起因すると思われる横紋筋融解症の患者発現。死亡例1例報告[PMDSI,No.214,2005.6.]
[624]enoxacin
フルマーク錠(大日本)
横紋筋融解症 *発症機序不明。ニューキノ ロン系薬剤では服用後1-6日間と短期間の服薬で急激に発症するの報告がされている。
[117]etizolam
デパス錠(三菱ウェルファーマ)
横紋筋融解症 *発症機序不明。抗精神病薬 投与中に発症する横紋筋融解症には、抗精神病薬の過量投与、薬剤による直接的な筋障害、多飲による水中毒、悪性症候群、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群
等、様々な要因が関与していると考えられる[JPA-DI,2(5):6-9(1999)]。
[232]famotidine
ガスター錠・注(アステラス)
横紋筋融解症 *発症機序不明。国内におい て横紋筋融解症の副作用が報告された。
[613]faropenem sodium
ファロム錠(アステラス)
横紋筋融解症(頻度不明) *発症機序不明。本症の発症 には原因が何であれ骨格筋の障害が必須である。筋組織内のミトコンドリアにおけるATPの障害、過度の運動後のK欠乏などが原因と考えられているが定説は
ない。
[218]fenofibrate
リパンチルカプセル(グレラン)
横紋筋融解症 *発症原因として、薬剤の筋 への直接的障害と薬剤により誘発された低カリウム血症、痙攣発作などが原因する二次的なものが考えられている。高脂血症薬では、筋細胞膜中のコレステロー
ル含量低下、細胞中ユビキノンの低下、膜のClイオンの透過性低下が考えられている。
[624]fleroxacin
メガロシン錠(杏林)
横紋筋融解症 *発症機序不明。ニューキノ ロン系薬剤では服用後1-6日間と短期間の服薬で急激に発症するの報告がされている。
[112]flunitrazepam
サイレース錠・注(エーザイ)
横紋筋融解症(市販後報告) *発症機序不明。一般的に薬 剤による横紋筋融解症の発症は、薬剤の筋細胞への直接的障害と、薬剤により誘発された低K血症、痙攣発作などが原因で発症する二次的なものが考えられてい
る[JPA-DI,5(7):24-25(2002)]。
[218]fluvastatin sodiumローコール錠
(ノバルティス)
横紋筋融解症 *HMG-CoA還元酵素阻 害薬では服用後1年以内の発症が殆どであり、4カ月以内が50%以上とする報告が見られる。
*発症原因として、薬剤の筋への直接的障害と薬剤により誘発された低K血症、痙攣発作などが原因する二次的なものが考えられている。高脂血症薬では、筋細
胞膜中のコレステロール含量低下、細胞中ユビキノンの低下、膜のClイオンの透過性低下が考えられている。
[625]foscarnet sodium hydrateホスカビル注(アストラゼネカ) 横紋筋融解症(頻度不明) *発症機序不明。本症の発症 には原因が何であれ骨格筋の障害が必須である。筋組織内のミトコンドリアにおけるATPの障害、過度の運動後のK欠乏などが原因と考えられているが定説は
ない。
[624]gatifloxacin hydrate
ガチフロ錠(杏林)
横紋筋融解症(外国) *発症機序不明。本症の発症 には原因が何であれ骨格筋の障害が必須である。筋組織内のミトコンドリアにおけるATPの障害、過度の運動後のK欠乏などが原因と考えられているが定説は
ない。
[117]haloperidol
セレネース錠・注(大日本)
横紋筋融解症(文献報告7 例) *発症機序不明。抗精神病薬 投与中に発症する横紋筋融解症には、抗精神病薬の過量投与、薬剤による直接的な筋障害、多飲による水中毒、悪性症候群、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群
等、様々な要因が関与していると考えられる[JPA-DI,2(5):6-9(1999)]。
[117]haloperidol decanoate
ハロマンス注(大日本)
横紋筋融解症(類薬) *類薬 (haloperidol等)で報告。
*発症機序不明。抗精神病薬投与中に発症する横紋筋融解症には、抗精神病薬の過量投与、薬剤による直接的な筋障害、多飲による水中毒、悪性症候群、抗利尿
ホルモン不適合分泌症候群等、様々な要因が関与していると考えられる[JPA-DI,2(5):6-9(1999)]。
[232]lafutidine
プロテカジン錠(大鵬)
横紋筋融解症 類薬(他のH2受 容体拮抗剤)で報告[添付文書,2002.8]。
[625]lamivudineエピビル錠(GSK) 横紋筋融解症(頻度不明) *発症機序不明。本症の発症 には原因が何であれ骨格筋の障害が必須である。筋組織内のミトコンドリアにおけるATPの障害、過度の運動後のK欠乏などが原因と考えられているが定説は
ない。
[624]levofloxacin
クラビット錠(第一)
横紋筋融解症 *発症機序不明。ニューキノ ロン系薬剤では服用後1-6日間と短期間の服薬で急激に発症するの報告がされている。
[117]lithium carbonate
リーマス錠(大正富山)
横紋筋融解症 *発症機序不明。抗精神病薬 投与中に発症する横紋筋融解症には、抗精神病薬の過量投与、薬剤による直接的な筋障害、多飲による水中毒、悪性症候群、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群
等、様々な要因が関与していると考えられる[JPA-DI,2(5):6-9(1999)]。
[624]lomefloxacin hydrochloride
ロメバクトカプセル(塩野義)
横紋筋融解症(頻度不明) *発症機序不明。ニューキノ ロン系薬剤では服用後1-6日間と短期間の服薬で急激に発症するの報告がされている。
[214]losartan potassium
ニューロタン錠(万有)
横紋筋融解症 *アンジオテンシンII受容 体拮抗剤による発症機序は不明。一般的に薬剤による横紋筋融解症の発症機序は、薬剤の筋細胞への直接的障害と、薬剤により誘発された低K血症、痙攣発作な
どが原因で発症する二次的なものが考えられている。
[117]maprotiline hydrochlorideルジオミール錠(ノバルティス) 横紋筋融解症 *発症機序不明。抗精神病薬 投与中に発症する横紋筋融解症には、抗精神病薬の過量投与、薬剤による直接的な筋障害、多飲による水中毒、悪性症候群、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群
等、様々な要因が関与していると考えられる[JPA-DI,2(5):6-9(1999)]。
[391]monoammonium glycyrrhizinate・DL-methionine・aminoacetic acid
グリチロン錠(ミノファーゲン)
横紋筋融解症の症状 *脱力感、筋力低下、筋肉 痛、四肢痙攣・麻痺等の横紋筋融解症の症状発現[添付文書,2001.3]。
*本剤に含まれる甘草の成分であるグリチルリチンにより、偽アルドステロン症が起こる可能性があることは知られているが、添付文書改訂の根拠となった4症
例ではCPKの上昇を伴った横紋筋融解症を併発している[JPA-DI,1(3):13-14(1998)]。
[232]nizatidine
アシノンカプセル(ゼリア)
横紋筋融解症 類薬(他のH2受 容体拮抗剤)で報告。
[624]norfloxacin
バクシダール錠(杏林)
横紋筋融解症 * 発症機序不明。ニューキノロン系薬剤では服用後1-6日間と短期間の服薬で急激に発症するの報告がされている。
[624]ofloxacin
タリビット錠(第一)
横紋筋融解症(頻度不明)
[232]omeprazole
オメプラール腸溶錠
(アストラゼネカ)
横紋筋融解症 *発症機序不明。本症の発症 には原因が何であれ骨格筋の障害が必須である。筋組織内のミトコンドリアにおけるATPの障害、過度の運動後のK欠乏などが原因と考えられているが定説は
ない。
[122]pancuronium bromide
ミオブロック注(三共)
横紋筋融解症 *発症機序不明。本症の発症 には原因が何であれ骨格筋の障害が必須である。筋組織内のミトコンドリアにおけるATPの障害、過度の運動後のK欠乏などが原因と考えられているが定説は
ない。
[624]pazufloxacin mesilate
パシル注(大正富山)
横紋筋融解症 *発症機序不明。本症の発症 には原因が何であれ骨格筋の障害が必須である。筋組織内のミトコンドリアにおけるATPの障害、過度の運動後のK欠乏などが原因と考えられているが定説は
ない。
[613]piperacillin sodium
ペントシリン注(大正富山)
横紋筋融解症 *発症機序不明。本症の発症 には原因が何であれ骨格筋の障害が必須である。筋組織内のミトコンドリアにおけるATPの障害、過度の運動後のK欠乏などが原因と考えられているが定説は
ない。
[232]pipethanate hydrochloride・甘草抽出物・magnesium aluminometasilicate
ゲシュウル(テイコクメディックス)
横紋筋融解症
の症状(1例報告)
*脱力感、筋力低下、筋肉 痛、四肢痙攣・麻痺等の横紋筋融解症の症状発現[添付文書,2002.2]。
*本剤に含まれる甘草の成分であるグリチルリチンにより、偽アルドステロン症が起こる可能性があることは知られているが、添付文書改訂の根拠となった4症
例ではCPKの上昇を伴った横紋筋融解症を併発している[JPA-DI,1(3):13-14(1998)]。
[449]pranlukast hydrate
オノンカプセル(小野)
横紋筋融解症 *発症機序不明。本症の発症 には原因が何であれ骨格筋の障害が必須である。筋組織内のミトコンドリアにおけるATPの障害、過度の運動後のK欠乏などが原因と考えられているが定説は
ない。
[218]pravastatin sodiumメバロチン錠・細粒(三共) 横紋筋融解症 *HMG-CoA還元酵素阻 害薬では服用後1年以内の発症が殆どであり、4カ月以内が50%以上とする報告が見られる。
*発症原因として、薬剤の筋への直接的障害と薬剤により誘発された低カリウム血症、痙攣発作などが原因する二次的なものが考えられている。高脂血症薬で
は、筋細胞膜中のコレステロール含量低下、細胞中ユビキノンの低下、膜のクロールイオンの透過性低下が考えられている。
[218]probucol
シンレスタール錠・細粒(第一)
横紋筋融解症 *発症原因として、薬剤の筋 への直接的障害と薬剤により誘発された低K血症、痙攣発作などが原因する二次的なものが考えられている。高脂血症薬では、筋細胞膜中のコレステロール含量
低下、細胞中ユビキノンの低下、膜のClイオンの透過性低下が考えられている。
[259]propiverine hydrochloride
バップフォー錠(大鵬)
横紋筋融解症 *発症機序不明。本症の発症 には原因が何であれ骨格筋の障害が必須である。筋組織内のミトコンドリアにおけるATPの障害、過度の運動後のK欠乏などが原因と考えられているが定説は
ない。
[111]propofol
ディプリバン注(アストラゼネカ)
横紋筋融解症(0.1%未 満) *発症機序不明。麻酔薬の作 用によって骨格筋細胞内の筋小胞体からCaイオンが異常に遊離されて細胞内Ca2+濃度が異常に上昇し、骨格筋が過度に収縮して筋原性の発熱が生ずるとす
る報告が見られる。
[211]proxyphylline
モノフィリン錠・注(日医工)
横 紋筋融解症 * 類薬(theophylline)で報告。
*発症原因として、薬剤の筋への直接的障害と薬剤により誘発された低K血症、痙攣発作などが原因する二次的なものが考えられている。キサンチン系薬剤で
は、細胞内Caイオンの流入増加などが関与していると報告されている。
[222]proxyphylline・ ephedrine hydrochloride・phenobarbitalアストモリジンM錠(マルホ)
アストモリジンD錠(マルホ)
[232]ranitidine hydrochloride
ザンタック錠・注(GSK)
横紋筋融解症 *発症機序不明。国内におい て横紋筋融解症の副作用が報告された。1996-2000の注射剤・経口剤の報告例7例[JPA-DI,4(12):16-18(2001)]。
[117]risperidone
リスパダール錠(ヤンセン)
横紋筋融解症 *発症機序不明。抗精神病薬 投与中に発症する横紋筋融解症には、抗精神病薬の過量投与、薬剤による直接的な筋障害、多飲による水中毒、悪性症候群、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群
等、様々な要因が関与していると考えられる[JPA-DI,2(5):6-9(1999)]。
[259]ritodrine hydrochloride
ウテメリン錠(キッセイ)
横紋筋融解症(注:6例、 錠:3例) *詳細は不明であるが、一般 的に横紋筋融解症発現原因の一つとして低K血症が挙げられていることから本剤のβ2 刺激作用による血清Kの低下が一部関与している可能性が推定される[JPA-DI,2(39:6-7(1999)]。
[232]roxatidine acetate hydrochlorideアルタットカプセル(帝国臓器) 横紋筋融解症(頻度不明) 類薬(他のH2受 容体拮抗剤)で報告[添付文書, 2001.4]。
[118]salicylamide・ acetaminophen・anhydrous caffeine・chlorpheniramine maleate
ペレックス顆粒(大鵬)
横紋筋融解症(3例集積) * 発症機序不明。ただし国内症例のうち1例はDLST陽性であったことから、アレルギー性の機序による発症も考えられる。*国内において本剤との因果関係が否定できない横紋筋融解症が3例集積(過量服用症例1例含む)。また、海外ではacetaminophenによる横紋筋
融解症が1例報告されている[JPA-DI,5(5)19-20(2002)]
[118]salicylamide・ acetaminophen・anhydrous caffeine・promethazine methylenedisalicylate
PL顆粒(塩野義)
横紋筋融解症
(頻度不明)
[111]sevoflurane
セボフレン液(ダイナボット)
横紋筋融解症 *発症機序不明。麻酔薬の作 用によって骨格筋細胞内の筋小胞体からCaイオンが異常に遊離されて細胞内Ca2+濃度が異常に上昇し、骨格筋が過度に収縮して筋 原性の発熱が生ずるとする報告が見られる。
[218]simfibrate
-製造中止-
横 紋筋融解症
(類薬)
* フィブラート系薬剤で、腎機能障害を有する患者において横紋筋融解症が発現し、急激に腎機能が悪化
*HMG-CoA還元酵素阻害薬では服用後1年以内の発症が殆どであり、4カ月以内が50%以上とする報告が見られる。
*発症原因として、薬剤の筋への直接的障害と薬剤により誘発された低K血症、痙攣発作などが原因する二次的なものが考えられている。高脂血症薬では、筋細
胞膜中のコレステロール含量低下、細胞中ユビキノンの低下、膜のClイオンの透過性低下が考えられている。
[218]simvastatin
リポバス錠(万有)
[113]sodium valproate
デパケン錠・細粒(協和醗酵)
横紋筋融解症 *発症機序不明。本症の発症 には原因が何であれ骨格筋の障害が必須である。筋組織内のミトコンドリアにおけるATPの障害、過度の運動後のK欠乏などが原因と考えられているが定説は
ない。
[624]sparfloxacin
スパラ錠(大日本)
横紋筋融解症(0.1%未 満) *発症機序不明。ニューキノ ロン系薬剤では服用後1-6日間と短期間の服薬で急激に発症するの報告がされている。
[629]sulfamethoxazole・ trimethoprimバクタ錠・顆粒(塩野義) 横紋筋融解症(頻度不明) *発症機序不明。本症の発症 には原因が何であれ骨格筋の障害が必須である。筋組織内のミトコンドリアにおけるATPの障害、過度の運動後のK欠乏などが原因と考えられているが定説は
ない。
[122]suxamethonium chloride
サクシン注(アステラス)
横紋筋融解症 *発症機序不明。本症の発症 には原因が何であれ骨格筋の障害が必須である。筋組織内のミトコンドリアにおけるATPの障害、過度の運動後のK欠乏などが原因と考えられているが定説は
ない。
[613]tazobactam・ piperacillin hydrateタゾシン注(大鵬-大正富山) 横紋筋融解症(頻度不明) *発症機序不明。本症の発症 には原因が何であれ骨格筋の障害が必須である。筋組織内のミトコンドリアにおけるATPの障害、過度の運動後のK欠乏などが原因と考えられているが定説は
ない。
[225]theophylline
テオロング錠・顆粒(エーザイ)
横紋筋融解症 *発症原因として、薬剤の筋 への直接的障害と薬剤により誘発された低K血症、痙攣発作などが原因する二次的なものが考えられている。キサンチン系薬剤では、細胞内Caイオンの流入増
加などが関与していると報告されている。
[624]tosufloxacin tosilate
オゼックス錠(大正富山)
横紋筋融解症(頻度不明) *発症機序不明。ニューキノ ロン系薬剤では服用後1-6日間と短期間の服薬で急激に発症するの報告がされている。
[214]trandolaprilオドリック錠(アベンティス) 横紋筋融解症 *発症機序不明。本症の発症 には原因が何であれ骨格筋の障害が必須である。筋組織内のミトコンドリアにおけるATPの障害、過度の運動後のK欠乏などが原因と考えられているが定説は
ない。
[241]vasopressin
ピトレシン注(三共)
横紋筋融解症 *発症機序不明。横紋筋融解 症の発症原因として水中毒に続発する症例が報告されている。本剤による横紋筋融解症も同様の理由によることが推定される。
[122]vecuronium bromide
マスキュラックス静注用(三共)
横紋筋融解症 *発症機序不明。本症の発症 には原因が何であれ骨格筋の障害が必須である。筋組織内のミトコンドリアにおけるATPの障害、過度の運動後のK欠乏などが原因と考えられているが定説は
ない。
[625]zidovudine・ lamivudine
コンビビル錠(GSK)
横紋筋融解症 *発症機序不明。本症の発症 には原因が何であれ骨格筋の障害が必須である。筋組織内のミトコンドリアにおけるATPの障害、過度の運動後のK欠乏などが原因と考えられているが定説は
ない。
[520]芍薬甘草湯エキス 顆粒
(ツムラ)
横 紋筋融解症の症状(各1例報告) * 脱力感、筋力低下、筋肉痛、四肢痙攣・麻痺等の横紋筋融解症の症状発現[添付文書,1998.10]。
*本剤に含まれる甘草の成分であるグリチルリチンにより、偽アルドステロン症が起こる可能性があることは知られているが、添付文書改訂の根拠となった4症
例ではCPKの上昇を伴った横紋筋融解症を併発している[JPA-DI,1(3):13-14(1998)]。
[520]小柴胡湯エキス顆 粒(ツムラ)

[015.11.RHA:2003.6.2.古泉秀夫・2005.6.27.訂正]


  1. 高久史麿・他監修:治療薬マニュアル;医学書院,2003
  2. 日本病院薬剤師会・編:重大な副作用回避のための服薬指導情報集[1];薬業時報社,1997
  3. 真木正博・他監修:メイラー医薬品の副作用大事典;西村書店,1998
  4. 高橋隆一・責任編:第2版 薬の副作用チェックマニュアル;中外医学社,1998