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一般用医薬品(外用痔疾用薬)の催奇形 性について

木曜日, 8月 16th, 2007

KW:催奇形性・催奇性・奇形児・外用痔疾用薬・一般用医薬品・OTC ・妊婦・絶対過敏期・相対過敏期

「外用痔疾用薬製造(輸入)承認基準」(平成7年3月22日改正)におい て、外用痔疾用薬の有効成分・配合量等が規定されている。使用上の注意については、平成7年3月22日付文書が報告されているが、妊婦への投与については、「2.次の人は使用前に医師又は薬剤師に相談すること。-(3)妊婦又は妊 娠していると思われる婦人[坐剤(軟カプセル剤を含む。以下同じ)及び注入の用法をもつ軟膏剤]」と記載されている。

相談された医師・薬剤師が、何に依拠して回答するのか、根拠の一助とすべく 報告されている資料の整理を行った。

  • 妊娠1カ月:最終月経の開始日を0週0日とし、4週間が1カ月、0週0日-3週6日まで
  • 妊娠2カ月:4週0日-7週6日まで
  • 安 全 期:月経周期28日型の場合、月経初日から33日目(3週末まで)→残留性のない薬剤の場合、催奇 形性の可能性はない。
  • 絶対過敏期:最終月経開始日から28日-50日目(妊娠4週-7週末まで→胎児の中枢神経、心臓、消化器、 四肢などの重要臓器が発生・分化し、催奇形に対し最も敏感な時期。)
  • 相対過敏期:51日-84日目
[分類]・薬剤名 評価 概要
[261]acrinol(ethacridin lactate)

アクリノール(乳酸エタクリジン)

[適]殺菌消毒薬

data未詳 規定した資料に、該当する記載がない(8。消化管 からの吸収は極めて悪い。200mg経口投与時、投与6?12時間後に最高血漿中濃度40?50ng/mL(5。
[261]alkylpolyaminoetilglycine

(Tego-51)

アルキルポリアミノエチルグリシン

[適]殺菌消毒薬

data未詳 ■本薬は陰・陽両イオンが共存する両性界面活性剤で優れた洗浄力・殺菌力を有する。

■本薬を主成分とする洗眼剤の添付文書中に、妊婦への使用に関する注意事項は記載されていない。ま た消毒剤の添付文書中に、妊婦への使用に関する注意事項は記載されていない。

[262]allantoin

アラントイン

[適]組織修復剤

data未詳 ■アラントイン=グリオキシルジウレイド、5-ウレイドヒダントイン。尿素。プリン体の代謝産物。 生体内では尿酸のウリカーゼによる酸化によって作られる。ヒトや霊長類を除く哺乳動物では、この酵素が肝臓にあるので、プリン代謝の最終産物である。

■生体内で、生成されるとすれば、原則的には、奇形発現の原因物質とはなり得ないのではと推定され る。

[262]aluminum chlorhydroxy allantoinate(alcloxa)

アルミニウムクロロヒドロキシアラントイネート(アルクロキサ)

[適]組織修復剤

data未詳 ■アルクロキサの褥瘡・皮膚潰瘍治療剤の添付文書中に、妊婦への投与に関する注意事項は記載されて いない。また、本薬はアラントインの形で経皮吸収されるの報告。

■本薬の組織修復作用を期待して散布剤の市販がされている。現在までに本剤が妊娠初期又は妊娠期間 中の女性に全く使用された経験がないとは考えられず、その結果として奇形児出生率の増加が見られたとする報告も知られていない。

[264]dried aluminumpotassium sulfate乾燥硫酸アルミニウムカリウム(明礬)

[適]局所収斂・分泌抑制作用

原則無影響 ■漬物類、煮物類の保色剤として使用。浄水剤(6。

■漬物類の保色剤・浄水剤として使用等から、妊娠初期又は妊娠中の女性が過去に全く曝露された経験 がないとは考えられない。またその結果奇形児の出生率が増加したとする報告も知られていない。

[261]benzalkonium chloride

塩化ベンザルコニウム

[適]殺菌消毒薬

data未詳 ■妊婦・授乳婦への投与:規定した資料に、該当する記載がない(8。
[261]berberine chloride

塩化ベルベリン

[適]殺菌消毒薬

data未詳 ■妊婦・授乳婦への投与:規定した資料に、該当する記載がない(8
[121]p-butylaminobenzoyl diethylaminoethyl hydrochloride

塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル

[適]局所麻酔薬

data未詳 ■催奇形性に関する資料は不明。
[264]d-camphor

d-カンフル

[適]消炎・鎮痛・鎮痒薬

data未詳 ■妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治 療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。
[264]dl-camphor

dl-カンフル

[適]消炎・鎮痛・鎮痒薬

[261]cetrimide

セトリミド

[適]殺菌消毒薬

data未詳 催奇形性に関する資料は不明。
[261]cetylpyridinium chloride

塩化セチルピリジニウム

[適]殺菌消毒薬

A →

推定無影響

A:妊婦又は妊娠可能な年齢層の女性多数例に使用されてきたが、使用によって奇形発現の頻度が増加 したいう証拠は得られておらず、ヒト胎児に対する他の直接・間接的な有害作用も証明されていない[ADEC]。

■本薬のトローチ剤の添付文書中に、妊婦への投与に関する注意事項は記載されていない。

■本薬の抗菌作用を期待して、トローチ剤の市販がされている。現在までに本剤が妊娠初期又は妊娠期 間中の女性に全く使用された経験がないとは考えられず、その結果として奇形児出生率の増加が見られたとする報告も知られていない。

[261]chlorhexidine gluconate

グルコン酸クロルヘキシジン

[適]殺菌消毒薬

A →

推定無影響

A:妊婦又は妊娠可能な年齢層の女性多数例に使用されてきたが、使用によって奇形発現の頻度が増加 したという証拠は得られておらず、ヒト胎児に対する他の直接・間接的な有害作用も証明されていない[ADEC]。

■塩酸クロルヘキシジンを成分とするトローチ剤の添付文書中に、妊婦への投与に関する注意事項は記 載されていない。

■本薬の抗菌作用を期待してトローチ剤の市販がされている。現在までに本剤が妊娠初期又は妊娠期間 中の女性に全く使用された経験がないとは考えられず、その結果として奇形児出生率の増加が見られたとする報告も知られていない。

[261]chlorhexidine hydrochloride

塩酸クロルヘキシジン

[適]殺菌消毒薬

[441]chlorpheniramine maleate

マレイン酸クロルフェニラミン

[適]抗ヒスタミン薬

C →

A→

推定無影響

C:動物生殖試験では、胎仔に催奇形性、胎仔毒性、その他の有害作用があることが証明されており、 ヒトでの対照試験が実施されていないもの。あるいはヒト、動物ともに試験は実施されていないもの。ここに分類される薬剤は、潜在的な利益が胎児への潜在的危険性よりも大きい場合にのみ使用すること[FDA]。

A:妊婦又は妊娠可能な年齢層の女性多数例に使用されてきたが、使用によって奇形発現の頻度が増加 したという証拠は得られておらず、ヒト胎児に対する他の直接・間接的な有害作用も証明されていない[ADEC]。

■妊婦の使用に関して催奇形性・胎児毒性を示唆した症例報告あるいは疫学調査は ない(3。

■クロルフェニラミンに体内で曝露された児に、先天性の奇形がみられる頻度は増 加しないとのレトロスペクティブな調査報告がある(3

■50,282組の母子に関する調査で、第1三半期に1,070例が本剤に曝露されていた。また、 妊娠中のいずれかの時期に本剤に曝露された母子は3,931組あった。何れの群も催奇形との関連を示唆する証拠は認められなかった。数種の奇形と関連している可能性がみられたが、統計的に有意であるかどうか明らかでない(3。

[311]cod liver oil

肝油・強肝油

[適]ビタミンA欠乏症治療剤

data未詳

ビタミンAとして1日推奨許容量の範囲内であれば、原則無影響

■本品はマダラ又はスケトウダラの新鮮な肝臓及び幽門垂から得た脂肪油であると局方中に規定。両魚 の肝臓等は食物としても摂食されており、その意味では妊娠初期又は妊娠期間中の女性が全く曝露される機会がないとは考えられない。また、タラ肝臓の摂食により奇形児の発生がみられたとする報告も知られていない。
[264]crotamiton

クロタミトン

[適]消炎・鎮痛・鎮痒薬

C → C:動物生殖試験では、胎仔に催奇形性、胎仔毒性、その他の有害作用があることが証明されており、 ヒトでの対照試験が実施されていないもの。あるいはヒト、動物ともに試験は実施されていないもの。ここに分類される薬剤は、潜在的な利益が胎児への潜在的危険性よりも大きい場合にのみ使用[FDA]。

■本薬に関する動物での生殖試験は行われていない。本薬を妊婦に投与するとき、胎児障害を起こすか 否か、あるいは受胎能力に影響を及ぼすか否かは未知である。本薬を妊婦に投与する場合は、明確に必要である場合に限るべきである[PDR]。

[261]dequalinium chloride

塩化デカリニウム

[適]殺菌消毒薬

推定無影響 ■本薬はグラム陽性菌、真菌などに抗菌作用を示す。本薬のトローチ剤の添付文書中に妊婦への投与に 関する注意事項は記載されていない。

■本薬の抗菌作用を期待してトローチ剤の市販がされている。現在までに、本剤が妊娠初期又は妊娠期 間中の女性に全く使用された経験がないとは考えられず、その結果として奇形児出生率の増加が見られたとする報告も知られていない。

[121]dibucaine

ジブカイン

[適]局所麻酔薬

  ■妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(8。
[121]dibucaine hydrochloride

塩酸ジブカイン

[適]局所麻酔薬

[264]dimethyl isopropylazulene

(guaiazulene)

ジメチルイソプロピルアズレン

(グアイアズレン)

[適]消炎・鎮痛・鎮痒薬

推定無影響 ■カミツレ(Matricaria chamomilla L.)は、菊科植物で古くより民間薬として諸種の疾患に使用されている。カミツレの有効成分アズレン(azulene)は、特有の七員環構造を持つ化合物で、炎症組織に対する直接作用と各種の起炎物質に対する抑制作用を示す。グアイアズレンはアズレンの一種である(19・20。

■古くから外国において民間薬として使用されてきたということであり、この間に 妊娠初期又は妊娠期間中の女性が本薬に全く汚染される機会がなかったとは考え難い。また、そのことを理由として、奇形児出生率の増加が見られたとする報告は知られていない。

■本薬軟膏剤の添付文書中に、催奇形性に関する記載はされていない。

[441]diphenhydramine

ジフェンヒドラミン

[適]抗ヒスタミン薬

C →

A →

推定無影響

C:動物生殖試験では、胎仔に催奇形性、胎仔毒性、その他の有害作用があることが証明されており、 ヒトでの対照試験が実施されていないもの。あるいはヒト、動物ともに試験は実施されていないもの。ここに分類される薬剤は、潜在的な利益が胎児への潜在的危険性よりも大きい場合にのみ使用すること[FDA]。

A:妊婦又は妊娠可能な年齢層の女性多数例に使用されてきたが、使用によって奇形発現の頻度が増加 したという証拠は得られておらず、ヒト胎児に対する他の直接・間接的な有害作用も証明されていない [ADEC]。

■50,282組の母子に関する調査では、第1三半期に595組が本薬に曝露されていた。また、妊 娠中の何らかの時期に、本薬に曝露された母子が2,948組あったが、何れの群も奇形と関連性を示唆する証拠は認められなかった。数種の奇形と関連している可能性はあるが、統計的に有意かどうかは不明(3。

■599例の口蓋裂を有する子供群と590例の口蓋裂のない子供群を比較した調 査では、第1三半期に子宮内でジフェンヒドラミンに曝露されたのは、前者20例、後者6例と有意差がみられた。母親のジフェンヒドラミン服用と口蓋裂の発生に統計的に有意な関連が認められたとの報告(3。

■1971年に行われた奇形を有する児に関する調査では、第1三半期に抗ヒスタ ミン剤に曝露された児に奇形のみられる頻度は対照群と比較してむしろ少なかったと報告されている。この調査ではジフェンヒドラミンは2番目に繁用されていた(3。

■6,509人の母親の調査で、第1三半期に本剤を服用した270例では、薬剤の使用と催奇形に関 連性は認められなかった(3。

■妊娠中にジフェンヒドラミンを毎日150mg/kg服用していた母親から産まれた子供に、離脱症 状として、全身の震えと下痢が発生したとの報告がある。フェノバルビタールによる治療で症状は改善(3。

[441]diphenhydramine hydrochloride

塩酸ジフェンヒドラミン

[適]抗ヒスタミン薬

[441]diphenylpyraline hydrochloride

塩酸ジフェニールピラリン

[適]抗ヒスタミン薬

B2 → B2:妊婦又は妊娠可能な年齢層の女性に対する使用経験はまだ限られているが、奇形発現頻度の増加は なく、ヒト胎児に対する他の直接的・間接的有害作用は観察されていない。-まだ不適切・不十分な動物試験しか行われていないという懸念はあるが、現在入手しうるデータでは、胎児に対する有害作用の頻度を増大するという証拠は得られていない[ADEC]。

■妊婦への使用について、催奇形性を示唆する症例報告も疫学調査もない。50,282組の母子に関 する調査で、使用例の少ないその他の抗ヒスタミン剤として本剤を含む12種の薬剤を服用した 113例の調査結果があげられている。これらの薬剤に妊娠初期4カ月間に曝露されたことにより奇形の発生頻度は増加しないと報告。113例中本薬に曝露された母子は1組(3。

■奇形発生の頻度が高い妊娠初期に本剤を服用した4例は、何れも健常児を出産(3。

[222]ephedrin hydrochloride

塩酸エフェドリン

[適]局所血管収縮薬

C →

A →

C:動物生殖試験では、胎仔に催奇形性、胎仔毒性、その他の有害作用があることが証明されており、 ヒトでの対照試験が実施されていないもの。あるいはヒト、動物ともに試験は実施されていないもの。ここに分類される薬剤は、潜在的な利益が胎児への潜在的危険性よりも大きい場合にのみ使用すること[FDA]。

A:妊婦又は妊娠可能な年齢層の女性多数例に使用されてきたが、使用によって奇形発現の頻度が増加 したという証拠は得られておらず、ヒト胎児に対する他の直接・間接的な有害作用も証明されていない [ADEC]。

[245]epinephrine

エピネフリン液

[適]局所血管収縮薬

C → C:動物生殖試験では、胎仔に催奇形性、胎仔毒性、その他の有害作用があることが証明されており、 ヒトでの対照試験が実施されていないもの。あるいはヒト、動物ともに試験は実施されていないもの。ここに分類される薬剤は、潜在的な利益が胎児への潜在的危険性よりも大きい場合にのみ使用すること[FDA]。
[121]ethyl aminobenzoate

アミノ安息香酸エチル

[適]局所麻酔薬

data未詳 ■妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(8。
[264]eucalyptus oil

ユーカリ油

[適]消炎・鎮痛・鎮痒薬[賦香料]

data未詳 ■本薬はEucalyptus globulus Labillardiere又はその近縁植物(Myrtaceae)の葉を水蒸気蒸留して得た精油である。主成分はcineole (eucalyptol)約70%以上であり、その他p-cymene、terpineol 、cuminal、pineneなどであるが、品種によりcineole以外の含有成分に大差がある。少量成分として、低級脂肪族アルデヒド、 phellandrene、phellandral及びセスキテルペンなどが含まれる。
[264]glycyrrhetic acid

グリチルリチン酸

[適]消炎・鎮痛・鎮痒薬

原則無影響 ■食品添加物としてのグリチルリチン酸は、甘草又は同属植物を原料として作る。現在はナトリウム塩 として精製したものを使用することは稀で、甘草エキス又はエキスを粉末にしたものが使用される。本剤は甘草中の成分であり、味噌及び醤油の甘味料として添加されている。従って、妊娠初期又は妊娠期間中に、グリチルリチン酸に全く曝露する機会がなかったとは考えられず、またそのことにより奇形児発生率が加したとする報告も知られていない。
[263]homosulfamine

ホモスルファミン

[適]サルファ剤

B → B:サルファ剤として。動物生殖試験では胎仔への危険性は否定されているが、ヒト妊婦での対照試験 は実施されていないもの。あるいは動物生殖試験で有害な作用(又は出生数の低下)が証明されているが、ヒトでの妊娠初期3カ月の対照試験では実証されていない。又はその後の妊娠期間でも危険であるという証拠はないもの[FDA]。
[245]hydrocortisone

ヒドロコルチゾン

[適]副腎皮質ホルモン剤

C → C:動物生殖試験では、胎仔に催奇形性、胎仔毒性、その他の有害作用があることが証明されており、 ヒトでの対照試験が実施されていないもの。あるいはヒト、動物ともに試験は実施されていないもの。ここに分類される薬剤は、潜在的な利益が胎児への潜在的危険性よりも大きい場合にのみ使用すること[FDA]。

■催奇形性はないが、その薬理作用によってヒト胎児又は新生児に有害な作用を及ぼす、又は及ぼす可 能性が疑われる薬剤。この作用は可逆的な場合もある。

C:動物実験で は、副腎皮質ステロイドが口蓋裂、骨格奇形など種々先天奇形を来すことはよく知られているが、ヒトに関しては当たらないようである。しかし、長期の投与では、ヒト・動物何れも胎盤重量や生体体重の減少を来すという報告がある。長期投与で新生児の副腎皮質機能が抑制される危険性を考慮すれば、その投与は母体への必要性と児に対するリスクを比較して、十分に慎重でなければならない。呼吸速迫症候群の予防のため出産前に短期間の副腎皮質ステロイドを投与することは、胎児や新生児に対しリスクを負荷することにはならないようである。また産褥期や体液負荷に伴って、本剤が母体に肺水腫を来したという報告がある [ADEC]。

■第1三半期におけるコルチゾンを服用した34組の母子の調査で、先天性奇形発生の証拠は確認でき なかった。強力ポステリザン軟膏を妊娠初期(最終月経から17?31日に4日間服用)使用した1例で、健常児出産(3。

[245]hydrocortisone acetate

酢酸ヒドロコルチゾン

[適]副腎皮質ホルモン剤

[264]ichthammol

イクタモール

[適]消炎・鎮痒薬

data未詳 ■本薬はアンモニア(2.5%以上)、硫酸アンモニウム(8.0%以下)及び総イオウ10.0%以 上を含む。

■イヒチオール(イクタモール)は、ギリシャ語の魚からきた語で、前生期の魚類と海獣の残骸を含む 石塊(歴青質頁岩)を乾留して得られるイヒチオール油である。

[261]isopropylmethylphenol

イソプロピルメチルフェノール

[適]殺菌消毒薬

data未詳 ■催奇形性に関する資料は不明。
[212]lidocaine

リドカイン

[適]局所麻酔薬

A →

推定無影響

A:妊婦又は妊娠可能な年齢層の女性多数例に使用されてきたが、使用によって奇形発現の頻度が増加 したという証拠は得られておらず、ヒト胎児に対する他の直接・間接的な有害作用も証明されていない[ADEC]。
[212]lidocaine hydrochloride

塩酸リドカイン

[適]局所麻酔薬

[395]lysozyme chloride

塩化リゾチーム

[適]消炎酵素剤

原則無影響 ■鶏卵白を原料とする蛋白質。生体防御の目的でヒト生体内にも存在する。従って、本剤に由来する催 奇形性の発生は考え難い。また、卵白自体、食物あるいは菓子類等の嗜好品として摂取されており、鶏卵の摂取量により奇形発生率の増加がみられたとする報告もみられない。
[233]mentha oil

ハッカ油

[適]芳香性健胃薬

原則無影響 ■本薬は芳香健胃薬の配合剤として用いられており、現在までに妊娠初期あるいは妊娠期間中に全く服 用した事例がないとは考えられない。また、その結果、特に奇形児の発生率が上昇したとする疫学調査結果も報告されていない。食品あるいは嗜好品中にも添加されているものがあり、それを理由として奇形児発生の増加は報告されていない。
[233]dl-menthol

dl-メントール

[適]芳香性健胃薬

[233]l-menthol

l-メントール

[適]芳香性健胃薬

[121]mepivacaine

メピバカイン

[適]局所麻酔薬

A → A:妊婦又は妊娠可能な年齢層の女性多数例に使用されてきたが、使用によって奇形発現の頻度が増加 したという証拠は得られておらず、ヒト胎児に対する他の直接・間接的な有害作用も証明されていない[ADEC]。
[121]meprylcaine hydrochloride

塩酸メプリルカイン

[適]局所麻酔薬

data未詳 ■催奇形性に関する資料は不明。
[222]dl-methylephedrine hydrochloride

dl-塩酸メチルエフェドリン

[適]局所血管収縮薬

C →

A →

推定無影響

C:塩酸エフェドリンとして→動物生殖試験では、胎仔に催奇形性、胎仔毒性、その他の有害作用があ ることが証明されており、ヒトでの対照試験が実施されていないもの。あるいはヒト、動物ともに試験は実施されていないもの。ここに分類される薬剤は、潜在的な利益が胎児への潜在的危険性よりも大きい場合にのみ使用すること[FDA]。

A:塩酸エフェドリンとして→妊婦又は妊娠可能な年齢層の女性多数例に使用されてきたが、使用に よって奇形発現の頻度が増加したという証拠は得られておらず、ヒト胎児に対する他の直接・間接的な有害作用も証明されていない[ADEC]。

■妊娠中の投与に関する安全性未確立-治療上の有益性(8。

[132]naphazoline hydrochloride

塩酸ナファゾリン

[適]局所血管収縮薬

  ■妊娠中の投与に関する安全性未確立-治療上の有益性(8。

■ヒトについての問題は実証されていない。本剤は全身性に吸収されるので、治療上の有益性が危険性 を上回ると判断される場合にのみ投与すること(9。

[121]oxipolyethoxydodecan

オキシポリエトキシドデカン

[適]局所麻酔薬

data未詳 ■催奇形性に関する資料は不明。
[132]phenylephrine hydrochloride

塩酸フェニレフリン

[適]局所血管収縮薬

B2 → 2:妊婦又は妊娠可能な年齢層の女性に対する使用経験はまだ限られているが、奇形発現頻度の増加は なく、ヒト胎児に対する他の直接的・間接的有害作用は観察されていない。-まだ不適切・不十分な動物試験しか行われていないという懸念はあるが、現在入手しうるデータでは、胎児に対する有害作用の頻度を増大するという証拠は得られていない[ADEC]。
[245]prednisolone

プレドニゾロン

[適]副腎皮質ホルモン剤

B  →

C →

B:動物生殖試験では、胎仔への危険性は否定されているが、ヒト妊婦での対照試験は実施されていな いもの。あるいは動物生殖試験で有害な作用(又は出生数の低下)が証明されているが、ヒトでの妊娠初期3カ月の対照試験では実証されていない。又はその後の妊娠期間でも危険であるという証拠はないもの[FDA]。

C:催奇形性はないが、その薬理作用によってヒト胎児又は新生児に有害な作用を及ぼす、又は及ぼす 可能性が疑われる薬剤。この作用は可逆的な場合もある。

■動物実験では、副腎皮質ステロイドが口蓋裂、骨格奇形など種々先天奇形を来す ことはよく知られているが、ヒトに関しては当たらないようである。しかし、長期の投与では、ヒト・動物何れも胎盤重量や生体体重の減少を来すという報告がある。長期投与で新生児の副腎皮質機能が抑制される危険性を考慮すれば、その投与は母体への必要性と児に対するリスクを比較して、十分に慎重でなければならない。呼吸速迫症候群の予防のため出産前に短期間の副腎皮質ステロイドを投与することは、胎児や新生児に対しリスクを負荷することにはならないようである。また産褥期や体液負荷に伴って、本剤が母体に肺水腫を来したという報告がある[ADEC]。

■妊娠中プレドニゾロンを毎日2.5?30mg投与された喘息の母親から生まれ た小児に、奇形の発生頻度が増加したとの報告がある(3。

■妊娠中にプレドニゾロンあるいはプレドニゾンを投与された報告が多数ある。しかし、これらの薬剤 は胎児の発達にほとんど影響しない。これまでの知見から妊婦の種々の疾病をコントロールするのに、本剤を使用することが指示される(3。

[245]prednisolone acetate

酢酸プレドニゾロン

[適]副腎皮質ホルモン剤

[121]procaine hydrochloride

塩酸プロカイン

[適]局所麻酔薬

data未詳 ■妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(8。

■正常分娩で、胎盤に異常のない絨毛上皮ホモジネートの遠沈渣を局麻剤と培養し、その残存量の定量 からプロカインは胎盤で分解されるとしている。また分娩時妊婦40例に1?10mg/kgを静注し、分娩後の臍帯静脈、母動脈中で測定した場合、4mg以下では胎盤血中にプロカインは見られないがPABAは2mg投与でも見られるとしている(8。

[264]purified yolk lecithin

精製卵黄レシチン

[適]消炎・鎮痛・鎮痒薬

原則無影響 ■天然物乳化剤としてマーガリン、チョコレート、キャラメル、パン、ビスケット、ケーキ、饂飩、マ カロニ、佃煮、アイスクリーム類、味噌、醤油等に使用(6。

■鶏の卵黄から精製したレシチンで、本来食品として摂取されるものであり、鶏卵の摂食により催奇形 性の発現率が増加したとする報告は知られていない。

[261]resorcin(resorcinol)

レゾルシン

[適]殺菌消毒薬

医薬品(皮膚疾患治療薬)

化粧品原料基準

殺菌、鎮痒、表皮剥離、角質溶解剤として次の疾患に:脂漏、脂漏性湿疹、 被髪部乾癬、尋常性ざ瘡、批糠性脱毛症。

data未詳 ■フェノールに類似する殺菌作用を持つが、フェノールより局所刺激性、腐食性及び毒性は弱い。二価 フェノールの殺菌作用は、カテコール、ハイドロキノン、レゾルシンの順に弱くなるが毒性も低下する。濃厚液は強い疼痛を伴わずに腐食作用、角質溶解作用をもっている。本品は吸収されると解熱作用を現す。石炭酸計数:0.4。

■禁忌:過敏既往歴者、皮膚結核、真菌性皮膚疾患、単純疱疹、種痘疹、水痘、乳幼児、眼及び眼周 囲。

■副作用:長期連用・大量使用による経皮吸収により胃腸障害(悪心等)、中枢神 経障害(眩暈、痙攣等)、メトヘモグロビン血症、粘液水腫等の中毒症状。掻痒感、腫脹、水疱等の過敏症状(使用中止)。皮膚の真菌性及び細菌性感染症(使用中止)(19。

[311]retinol palmitate

パルミチン酸レチノール

[適]ビタミンA

A → X

X →

D →

1日推奨許容量の範囲内であれば推定無影響

A:ヒトの妊娠初期3カ月間の対照試験で、胎児への危険性は証明されず、またその後の妊娠期間でも 危険であるという証拠もないもの。但し、推奨される1日投与量以上、又は服用時期によって→X。

X:動物又はヒトでの試験で、胎児異常が証明されている場合、あるいはヒトでの使用経験上胎児への 危険性の証拠がある場合、又はその両方の場合で、この薬剤を妊婦に使用することは、他のどん な利益よりも明らかに危険性の方が大きいもの。ここに分類される薬剤は、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には禁忌である[FDA]。

D:ヒト胎児に作用して奇形あるいは非可逆的障害の発現頻度を高める薬、あるい は高めたことが推定される薬、あるいは高めるであろうことが強く疑われる薬、これらの薬は薬理学的な副作用を伴うこともある。→過量のビタミンA摂取は、先天障害を引き起こすことがある。服用前にビタミンAを補う必要があるかどうかを考えること。通常、オーストラリア人の食事はビタミンAの1日標準必要量 2500 I.U.を充分に含んでいる[ADEC]。

■FDAリスクファクターでは、1日10000 I.U.以上で[X]、8000 I.U.では[A]に分類。疫学調査及び症例報告で実際に奇形が報告されている用量は、1日25000 I.U.以上、潜在的催奇形性を示す用量は1日25000I.U.以上という見解もみられる(3。

[124]scopolia extract

ロートエキス

[適]自律神経系作用薬

(鎮痙薬・粘膜分泌抑制薬)

C →

B2 →

C:動物生殖試験では、胎仔に催奇形性、胎仔毒性、その他の有害作用があることが証明されており、 ヒトでの対照試験が実施されていないもの。あるいはヒト、動物ともに試験は実施されていないもの。ここに分類される薬剤は、潜在的な利益が胎児への潜在的危険性よりも大きい場合にのみ使用すること[FDA]。

B2:妊婦又は妊娠可能な年齢層の女性に対する使用経験はまだ限られているが、奇形発現頻度の増加は なく、ヒト胎児に対する他の直接・間接的有害作用は観察されていない- まだ不適切・不十分な動物試験しか行われていないという懸念はあるが、現在入手しうるデータでは、胎児に対する有害作用の頻度を増大するという証拠は得られていない[ADEC]。

[263]sulfadiazine

スルファジアジン

[適]サルファ剤

B  →

C →

B:サルファ剤として。動物生殖試験では胎仔への危険性は否定されているが、ヒト妊婦での対照試験 は実施されていないもの。あるいは動物生殖試験で有害な作用(又は出生数の低下)が証明されているが、ヒトでの妊娠初期3カ月の対照試験では実証されていない。又はその後の妊娠期間でも危険であるという証拠はないもの[FDA]。

C:催奇形性はないが、その薬理作用によってひと胎児又は新生児に有害な作用を及ぼす、又は及ぼす 可能性が疑われる薬剤。この作用は可逆的な場合もある。サルファ剤は血漿アルブミンに結合したビリルビンを置換してしまうため、生後最初の1カ月間は新生児核黄疸を引き起こす場合がある。従って、できるならば妊娠最終月には、サルファ剤の投与は控えるべきである[ADEC]。

[263]sulfisomidine

スルフイソミジン

[適]サルファ剤

B  → B:サルファ剤として、動物生殖試験では胎仔への危険性は否定されているが、ヒト妊婦での対照試験 は実施されていないもの。あるいは動物生殖試験で有害な作用(又は出生数の低下)が証明されているが、ヒトでの妊娠初期3カ月の対照試験では実証されていない。又はその後の妊娠期間でも危険であるという証拠はないもの[FDA]。
[263]sulfisomidine sodium

スルフイソミジンナトリウム

[適]サルファ剤

[264]tannic acid

タンニン酸

[適]局所収斂剤剤

原則無影響 ■規定した資料に、該当する記載はない(8。

■本品は通例、五倍子又は没食子から得たタンニンである。タンニン酸はゲンノショウコ、緑茶、コー ヒー等に含まれており、通常、飲料用として摂取されている。従って、妊娠初期又は妊娠中の女性が、タンニン酸に曝露される機会は多いが、そのことを理由として奇形児出生率の増加が見られたとする報告はされていない。

[139]tetrahydrozoline hydrochloride

塩酸テトラヒドロゾリン

[適]局所血管収縮薬

data未詳 ■妊娠中の使用の安全性を確立するためのヒトでの資料は不十分(10。
[315]tocopherol

トコフェロール

[適]ビタミンE

A → C

1日推奨許容量の範囲内であれば推定無影響

A:ヒトの妊娠初期3カ月間の対照試験で、胎児への危険性は証明されず、またその後の妊娠期間でも 危険であるという証拠もないもの。但し、推奨されている1日投与量以上、又は服用時期によって→C。

C:動物生殖試験では、胎仔に催奇形性、胎仔毒性、その他の有害作用があることが証明されており、 ヒトでの対照試験が実施されていないもの。あるいはヒト、動物ともに試験は実施されていないもの。ここに分類される薬剤は、潜在的な利益が胎児への潜在的危険性よりも大きい場合にのみ用いる[FDA]。

■米国・国立科学アカデミーの食品栄養協議会が勧告した、妊婦における1日推奨許容量は16mgで あり、これ以下の量を服用した場合[A]。この用量を超えて服用した場合の危険度について、危険性示唆した報告も安全性を示唆したを報告もない(3。

■トコフェロール:油脂、バター若しくはこれらを使用した食品の酸化防止剤とし て使用。日常的に摂食する食品であり、妊娠初期あるいは妊娠期間中の女性が全く曝露しなかったとは考えられない。またそのことにより奇形児出生率の増加がみられたとする報告も知られていない。

[315]tocopherol acetate

酢酸トコフェロール

[適]ビタミンE

[311]vitamin A oil

ビタミンA油

[適]ビタミンA

A → X

D →

1日推奨許容量の範囲内であれば無影響

A:ヒトの妊娠初期3カ月間の対照試験で、胎児への危険性は証明されず、またその後の妊娠期間でも 危険であるという証拠もないもの。但し、推奨されている1日投与量以上、又は服用時期によって →X。

X:動物又はヒトでの試験で、胎児異常が証明されている場合、あるいはヒトでの使用経験上胎児への 危険性の証拠がある場合、又はその両方の場合で、この薬剤を妊婦に使用することは、他のどんな利益よりも明らかに危険性の方が大きいもの。ここに分類される薬剤は、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には禁忌である[FDA]。

D:ヒト胎児に作用して奇形あるいは非可逆的障害の発現頻度を高める薬、あるい は高めたことが推定される薬、あるいは高めるであろうことが強く疑われる薬、これらの薬は薬理学的な副作用を伴うこともある。→過量のビタミンA摂取は、先天障害を引き起こすことがある。服用前にビタミンAを補う必要があるかどうかを考えること。通常、オーストラリア人の食事は、ビタミンAの1日標準必要量2500I.U.を充分に含んでいる[ADEC]。

■FDAリスクファクターでは、1日10000 I.U. 以上で[X]、8000 I.U.以下では[A]に分類。疫学調査及び症例報告で実際に奇形が報告されている用量は1日25000 I.U.以上であり、潜在的催奇形性を示す用量は1日25000 I.U.以上の見解もみられる(3 。

■強化剤として使用。味噌、マーガリン、魚肉ハム・ソーセージに使用。その他、強化乳等の乳製品、 スープの素、カレールウー、ハヤシルー、チョコレートなどの菓子類に添加(6。

■日常的に摂食する食品であり、妊娠初期あるいは妊娠期間中の女性が全く曝露し なかったとは考えられない。またそのことにより奇形児出生率の増加がみられたとする報告も知られていない。

[264]yolk lecithin

卵黄油

[適]消炎・鎮痛・鎮痒薬

原則無影響 ■卵黄油は昔から家庭で作られており、健康食品として利用されてきた。大正14年発行の「家庭にお ける実際的看護の秘訣」にも心臓病、若白髪が卵黄油によって改善された例が報告されている。痔にも有効とされている。鶏卵の黄身10個から約50gの卵黄油が取れる。レシチン及びリノール酸の生理効果を期待(15。

■卵黄油は蛋白質の加熱生成物を油で抽出したものであり、健康食品として旧来使用されてきたことか ら、妊娠初期又は妊娠期間中の女性が全く曝露されたことがないとは考えられない。またそのことにより奇形児の出生率が上昇したとする報告も知られていない。

[264]zinc oxide

酸化亜鉛

[適]消炎・鎮痛・鎮痒剤

推定無影響 ■規定した資料に、該当する記載がない(8。

■グルコン酸亜鉛・硫酸亜鉛については、食品添加物として、母乳代替品に限定して強化剤としての使 用が認められている(6。

■亜鉛本体はヒトに必要な微量金属で、食物を経由して摂取されるものであり、原 則的に催奇形性は考えられない。

[510]紫根(シコン)

[適]消炎・鎮痛・鎮痒剤

推定無影響 ■本品はムラサキ(Lithospermum erythrorhizon Siebold et Zuccarini(Boraginaceae)の根である。ナフトキノン系の色素acetylshikonin及びその同族体lithospermic acid 、青酸配糖体(lithospermoside)、allantoin 、多糖、フリルヒドロキノン誘導体などを含む。紫雲膏。

■神農本草経中品に収録、皮膚疾患用薬等に配合されてきた歴史的経過から見て、例えば経皮吸収した として、現在までに妊娠初期又は妊娠中の女性が全く曝露する機会がなかったとは考え難い。またその結果、本薬使用者に奇形児出生率の増加が見られたとする報告も知られてない。

[510]セイヨウトチノキ種子

[適]止血剤

セイヨウトチノキと呼ばれるマロニエ(ウマグリ)は、トチノキ (Aescalusturbinata Blume)と多少成分は異なるが、ドイツでは種子の水浸液を痔、子宮出血等の止血剤として使用。

推定無影響 ■動物による試験の結果、本薬を含む成分配合剤の投与により胎仔に何らの異常も認められなかった。

■セイヨウトチノキ種子乾燥エキス配合剤の添付文書中に、妊婦への投与に関する注意事項記載無し。

■本薬配合経口剤の適応として、月経障害に伴う下腹痛、腰痛があり、その意味では妊娠初期段階に気 付かずに服用した事例が皆無とは考えられない。また、本剤の服用により奇形児の出生率が増加したとする報告も知られていない。

[510]加工大蒜(ダイサン)

[適]強壮薬

原則無影響 ■大蒜(ニンニク)は、食品又は香辛料として摂食されており、現在までに妊娠初期又は妊娠中の女性 が全く曝露される機会がなかったとは考えられない。また、そのことにより奇形児の発生頻度が増加こしたとする報告も知られていない。
[510]ハマメリス

[適]消炎・鎮痛・鎮痒剤

hamamelis virginiana L.(マンサク科)の植物。アメリカマンサク。ハマメリスタンニン、フロバタンニン等を多量に含む(12%)。ハマメリスタンニンは結晶性酵素タナーゼによって没食子酸とハマメロースに分解される。この他サポニン、フラボノイド、微量の精油類を含む。ハマメリスタンニンは収斂性止瀉、収斂性消炎作用が認められる。

推定無影響 ■動物による試験の結果、本薬を含む成分配合剤の投与により、胎仔に何らの異常も認められなかっ た。

■ハマメリス皮乾燥エキス配合剤の添付文書中に、妊婦への投与に関する注意事項記載無し。

■本薬配合経口剤の適応として、月経障害に伴う下腹痛、腰痛があり、その意味では妊娠初期段階に気 付かずに服用した事例が皆無とは考えられない。また、本剤の服用により奇形児の出生率が増加したとする報告も知られていない。

[015.11.TER:1998.4.27.古泉秀夫・2003.12.28.改訂]


  1. JAPIC・編:一般薬日本医薬品集;薬業時報社,1998-99
  2. 高久 史麿・他編:治療薬マニュアル;医学書院,1998
  3. 佐藤 孝道・他編:妊娠と薬;薬業時報社,1992
  4. 雨森 良彦・監修:妊娠中の投薬とそのリスク;医薬品・治療研究会, 1993
  5. 第十二改正日本薬局方解説書;廣川書店,1991
  6. 石館 守三・他監修:第5版 食品添加物公定書解説書;廣川書店, 1987
  7. 厚生省薬務局研究開発振興課・編:JPDI;薬業時報社,1996
  8. 堀岡 正義・他:薬剤投与情報;同朋舎,1985
  9. 西村 秀雄・監:催奇形性等発生毒性に関する薬品情報 第2版;東洋 書店,1986
  10. 第六改正日本薬局方注解;南山堂,1945
  11. 薬科学大辞典;廣川書店,1990
  12. 厚生省薬務局審査第二課・監修:日本薬局方外医薬品成分規格;薬業時 報社,1989
  13. ベノプラント錠添付文書,1996.2.改訂
  14. 福山 忠男・編:健康食品便覧;食品と科学社,1995. p.126
  15. 三橋 博・監:原色牧野和漢薬草大図鑑;北隆館,1988
  16. 第十改正日本薬局方解説書;廣川書店,1981
  17. 薬科学大辞典 第2版;廣川書店,1990
  18. 大阪府病院薬剤師会・編:医薬品要覧 第5版;薬業時報社,1992
  19. アズノール軟膏添付文書,1996.3.改訂
  20. SPトローチ明治添付文書,1996.8.改訂
  21. ダントローチ・ヒビテン添付文書,1995.6.改訂
  22. スプロールトローチ添付文書,1989.1.改訂
  23. イサロパン添付文書,1996.8.改訂
  24. イルリガール添付文書,1996.6.改訂
  25. ハイパールNo.3添付文書,1995.9.改訂