治験薬一覧:L
木曜日, 8月 16th, 2007
治験記号:L-627
<一般名:biapenem>
概要
[治験薬]
BIPM、ビアペネム。注射用カルバペネム系抗菌剤で、グラム陽性菌、グラム陰性菌、嫌気性菌に対して幅広い抗菌スペクトルと強い抗菌活性を示し、、β-ラクタマーゼに対して極めて安定である。また、腎デヒドロペプチダーゼに安定である。中枢神経に対する作用が殆ど認められないのが特徴である。現在、複雑性尿路感染症に対する臨床検討がされている。ワイスレダリー。[商]オメガシン(日本ワイスレダリー)。カルバペネム系抗生物質。申請中。[剤型]点滴静注用剤。グラム陽性菌に対する抗菌力はIPMより僅かに弱いが、グラム陰性菌、特に緑膿菌にはIPMより強い抗菌力を示す。ヒトにおける半減期は長いが、安全性が高い。
出典
高杉益充:月刊ミクス,3:92-93(2000)・トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000
治験記号:LMB
<一般名:Leptomycin B>
概要
レプトマイシンB。1983年HamamotoらによりStreptomyces属の放線菌から単離された抗カビ物質である。本品が近年再び脚光を浴びるきっかけとなった特異的な活性を知る手がかりは、その構造が明らかにされた時点で報告されていたMucor属のカビと分裂酵母であるS.pombeにしか活性を示さないという、極めて特徴的な抗菌スペクトルを示した点である。本品はHIVウイルスの増殖に重要な役割を果たしているRev蛋白質の核外移行を特異的に阻害することが発見され、再び注目を集めるようになった。
出典
青木俊二:ファルマシア,35(9):940-941(1999)
治験記号:LY-110140
<一般名:fluoxetine HCl>
概要
[治験薬]
抗うつ薬。塩酸フルオキセチン。海外でプロザック(イーライリリー)として市販されているSSRIの一つ。日本では2000年4月現在健康成人を対象に薬物動態試験を開始した段階。この試験はブリッジング・スタディに向け、安全性に対する海外データの同等性を確認するためのもの。ブリッジング・スタディが実施されれば、2?3年後の申請も見込むとしている。[商]prozac(中外リリークリニカルサーチ)。選択的セロトニン再取込阻害薬(SSRI)。[適]うつ病、うつ状態等。[剤型]経口剤。国内臨床第II相試験段階。
出典
1)日刊薬業,2000-4-12・2)月刊ミクス,12:74(2000)
治験記号:LY-139481HCl
<一般名:raloxifene HCl>
概要
選択的エストロゲン受容体調整剤(SERM)。エストロジェン(骨量減少予防、骨折抑制効果が認められている)と同様の効果を発揮し、エストロジェンで問題となる不正出血、子宮癌誘発等の副作用の発現はみられないとされている。第III相臨床試験臨床治験(中外-日本イーライリリー)。
出典
月刊ミクス,12:73(2000)
治験記号:LY-139603
<一般名:tomoxetine HCl>
概要
選択的ノルエピネフリン再取込阻害剤(SNRI)。[適]小児・成人の注意欠陥、多動性障害(ADHD)。[剤形]経口剤。米国において第II相臨床試験。国内第I相臨床試験段階。(中外リリークリニカルサーチ)。
出典
月刊ミクス,12:74(2000)
治験記号:LY-170053
<一般名:olanzapine>
概要
[商]ジプレキサン。抗精神分裂病剤。申請中。[剤形]錠剤。チエノベンゾチアゼピン誘導体で、非定型的抗精神病薬であるクロザピンと類似した活性プロフィールを持つ5-HT2/D2受容体拮抗薬である。
出典
トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000
治験記号:LY-248686
<一般名:duloxetine hydrochloride>
概要
抗うつ剤。SNRI(セロトニン・ノルエピネフリン再取込阻害剤)で、セロトニンとノルエピネフリンの再取込を強力に阻害する作用を有し、抗コリン作用や他の受容体に対する親和性は極めて弱い。塩酸イミプラミンとの二重盲検比較試験で、ほぼ安全以上の安全度で有意に優れた成績を示し、抗コリン性副作用と循環器系副作用も有意に少ない結果がでたと報告されている。米・イーライリリー社との提携品。臨床第III相試験段階。2002年申請予定。塩野義製薬。
出典
月刊ミクス,9:111(2000)
治験記号:LY-275585
<一般名:insulin lispro>
概要
[商]ヒューマログ(リリー)。超速効型インスリンアナログ。申請中。[剤型]皮下注射。
遺伝子組換え技術により産生された速効型インスリンアナログであり、レギュラー人インスリンとの比較で、より速やかに吸収されることが示唆されている。また、食前投与が可能である。インスリンリスプロ(イーライリリー)。超速効型インスリン製剤。ヒトインスリンB鎖のC末端、28位のプロリン及び29位リジンのアミノ酸配列を置換したアナログである。この置換によりインスリン分子間の自己会合が低下し、皮下から迅速に血中へ吸収され、作用発現が速やかになり、作用持続時間も短縮される。従来の速効型ヒトインスリンと比較し、食後血糖コントロールを改善し、夜間低血糖、重症低血糖及び低血糖全般の発現頻度が低下すると報告されている
出典
トライアルドラッグス2000;株式会社ミクス,2000・高杉益充:DI室;月刊ミクス,4:72(2001)
治験記号:LY-333531
<一般名:——–>
概要
PKCβ阻害剤(イーライリリー-武田)。本剤はイーライリリー社が創製した糖尿病性細小血管合併症治療薬で、糖尿病性神経障害や糖尿病性網膜症の治療薬として臨床試験を進めている経口薬。現在欧米では第3相試験、国内では第2相試験を実施している。
出典
薬事新報,No.2301:19-20(2004)
治験記号:LY-450,190
<一般名:tadalafil>
概要
一般名:タダラフィル、[商]シアリス(米・リリー)。本剤はED(勃起障害)治療薬である。本剤はシルデナフィルと同様フォスフォジエステラーゼ(PDE)阻害剤であるが、半減期が長いのが特徴である。経口投与後速やかに吸収され、最高血漿中濃度は378μg/mLに達する。肝でチトクロームP450(CYP)3A4を介して代謝されるが、治療濃度ではCYP3A4を阻害も誘導もせず、ロバスタチンの代謝に影響を与えない。チトコナゾールとの併用で本剤の血中濃度が上昇する。用量は10-20mg/回であるが、216例を対象とした臨床試験で、プラセボに比べて有効勃起機能の改善効果が認められている。副作用として頭痛、消化器症状が見られる。
出典
薬事新報,No.2288:1145(2003)・Giuliano F.et al:Eu.Heart J.4(Suppl.H),H245,2002