トップページ»

α-リポ酸について

火曜日, 8月 14th, 2007

KW:健康食品・α-リポ酸・alpha lipoic acid・リポ酸・lipoic acid・チオクト酸・thioctic acid・補酵素・副作用

Q:健康食品としてテレビ放映されたα-リポ酸とはどの様なものか

A:リポ酸(lipoic acid)→チオクト酸(thioctic acid)ともいう。lipoic acidは多くの微生物の発育因子で、肝臓や酵母中に存在する。lipoic acidが酵素蛋白質と結合した補酵素型をリポアミドと称する。分子内のジチオール基の可逆的酸化還元、アセチル基の転移によって、ピルビン酸などの酸化反応に関与する。

その他、別名:6,8-ジチオクタン酸。C8H14O2S2。ビタミンの一種。

lipoic acidは、肝臓、酵母の未知の抽出液の微量成分が、乳酸菌の発育因子であることが見いだされて、新しいビタミンとして登場した。

1951年 L.J.Reedが初めてこの微量成分を肝臓から結晶として単離し、α-lipoic acid(alpha lipoic acid:ALA)と命名した。

その後合成により構造が確立され、黄色板状結晶、融点47.5℃。有機溶媒に溶け易く、水に不溶。

lipoic acidは、固体の状態では比較的安定である。lipoic acidは水溶性でも脂溶性でもなく、体内で全ての細胞に浸透する。

種々の天然物質の中に見いだされ、極めて微量で活性があり、代謝での必須の物質であることも認められる等の報告がされている。

医療用医薬品としての『thioctic acid』は、肝機能障害や肝性昏睡の際に蓄積するα-ケトグルタル酸やピルビン酸を酸化的脱カルボキシル化するとき、補酵素の一つとして機能し、TCAサイクルの代謝活性を亢進し、生体内のエネルギー産生に関与する。

  • [用]1日1回10-25mg 静注・筋注・皮下注
  • [副]1)消化器(食欲不振、悪心、下痢)

    2)その他(発疹、頭痛、眩暈、心悸亢進)

健康食品としてのlipoic acidは、ビタミン様物質として、各種の活性酸素を抑制する抗酸化作用がある。lipoic acidは体内で生成されるが、加齢と共に十分な生成量が望めないため、食品等から摂取するとされている。

vitamin Cやvitamin E等の抗酸化作用もつ栄養成分の代役を務め、不足を補い、効果を高める作用がある。

解毒作用、肝臓の代謝改善。 lipoic acidを含む食品:肝臓、酵母。

[015.9.LIP:2005.2.28.古泉秀夫]


  1. 薬科学大辞典 第2版;広川書店,1990
  2. 志田正二・代表編:化学辞典;森北出版株式会社,1999
  3. 高久史麿・他監修:治療薬マニュアル;医学書院,2005
  4. 中村丁次・監修:最新版からだに効く 栄養成分バイブル;主婦と生活社,2001
  5. 糸川嘉則:最新ビタミン学;フットワーク出版,1998