KB-2796について
火曜日, 8月 14th, 2007KW:薬名検索・治験記号・KB-2796・lomerizine hydrochloride・塩酸ロメリジン・片頭痛・群発頭痛
Q:治験記号KB-2796の薬剤はどの様な薬剤か
A:KB-2796はカネボウ薬品が鎮痛剤「塩酸ロメリジン(lomerizine hydrochloride)」の開発中に使用していた治験記号である。
同意語:DE-090、KP-2796、terranas、migsis、テラナス(R) (日本オルガノン)、ミグシス(R)(ファイザー)。
[薬効]鎮痛剤、中枢神経系薬。眼科用剤。
lomerizine hydrochloride は、Ca++ チャンネル遮断作用を有する片頭痛・群発頭痛治療薬である。作用は冠動脈よりも脳動脈への選択性が高いと報告されている。
動物実験により椎骨動脈血流を選択的かつ持続的に増加させ、また大脳皮質血流も増加させることが認められている。更に脳底動脈等の脳血管に対し強い弛緩作用を示し、また血小板機能の亢進を改善する作用も示す。本剤は予防薬で、1ヵ月程度の服用で発作の頻度が半減するとする報告も見られる。
本剤はカネボウ薬品の単独開発であったが、第III相臨床試験段階でファイザーとの共同開発となった。1999年3月末にカネボウ薬品は医薬品部門を日本オルガノンに営業譲渡したことにより、製品及び知的財産権が移管され、テラナスは日本オルガノンの販売となった。
なお、本剤に血管拡張作用による眼循環改善作用(網膜及び神経乳頭)が認められたことから緑内障治療薬(DE-090:参天製薬)としての開発がされているとされる。
[011.1.LOM:2005.2.15.古泉秀夫]
- lomerizine hydrochloride;明日の新薬CD-ROM版,2004
- 高久史麿・他監修:治療薬マニュアル;医学書院,2005