Orange Oilについて
火曜日, 8月 14th, 2007Q:放射性物質による曝露に対する処理マニュアル中にオレンジオイルの記載が見られるが、これは何か。
A:Orange Oil;Sweet Orange Oil → Sweet Orange[Citrus auranitium var.sinesis=C.sinensis(Rutaceae)]の新鮮な果皮から得られた黄色?黄褐色の揮発性の油である。C10H20Oのアルデヒド含有率が1%(w/v)未満のもの。別名として『橙花油』、『オレンジ花油』。
特徴としてオレンジの香りと味を持つ。蝋様の非揮発性物質を含む。飽和限界温度は25℃。遮光して保存する。
オレンジオイルは風味付と香り付に使用される。これにはテルペンを除いたオレンジオイルが使用される。本品により光線過敏症を惹起するとする報告がされている。
その他、オレンジオイルについて、次の情報が公開されている。
オレンジオイルは化学名をリモネンといい、蜜柑・檸檬・オレンジなど柑橘類の皮に0.5%程度含まれる天然の精油成分である。特徴としてレモン・オレンジの芳香性を有し、鉱物油(石油系)などによく溶ける。
オレンジの皮から抽出されるオレンジオイルは、油性の汚れに対して強い洗浄力を持ち、特に焼き付いた油やカーボンの汚れなどに強力な洗浄力を発揮する。油水分離がよく、洗浄液と油分の分解が簡単、その為に洗浄液のリサイクルが可能で、廃水の負荷も極めて少ない。
テスト前の大腸菌数(mL中) | ||||
10億個 | 1000万個 | 10万個 | 1000個 | |
48時間後の大腸菌数(mL中) |
D-リモネン[D-limonene=d-p-mentha-1,8-diene;cajeputene(カヤプテン);cinene(シネン);carvene(カーベン);citrene(シトレン);hesperidene(ヘスペリデン); kautsschin(カウチ);dipentene(ジペンテン)=dl-limonene]
リモネンは右旋性(D)及び左旋性(L)の異性体があり、旋光性のない不活性(DL)リモネンをジペンテンという。リモネン(C10H16=136.24)はレモン様の香気がある液体。
- ジペンテンの引火点:45℃。沸点:175?176℃。d-リモネンの沸点:177℃。
- 用途:香料としてネロリ油、マンダリン油などの調合、レモン系精油の偽和にも使用される。
- 製法:天然には植物性油中に広く分布している。その主なものはd-リモネンはミカン油、レモン油、オレンジ油、樟脳白油など、l-リモネンはハッカ油、その他dl-リモネンは橙花油、杉油、樟脳白油など。
以上の各報告から放射性物質曝露対応処理マニュアル中にレモンオイルの記載が見られるのは、汚染環境の洗浄目的で使用するために記載されていると考えられる。
[1999.10.6.古泉秀夫・栗原稔枝]
- Martindale 32Ed.,1999
- http://www.gumbo.ne.jp/orenge/(〒983-0852 仙台市宮城野区榴岡1-6-37-401 TWL.022-293-2340)
- http://www.digitalfact.co.jp/usc/abcase-6-098.htm
- http://www.nicca.co.jp/source/jigyo/tokuka.htm
- http://arc.pmall.ne.jp/dinos/doretoru/data/data1 2.html
- http://www.sekisuiplastics.co.jp/w2.html(積水化成品工業株式会社)
- 12394の化学商品:化学工業日報社,1994