ラタニアについて
月曜日, 8月 13th, 2007KW:薬名検索・ラタニアチンキ・ラタニア・クラメリア・Rathania・クラメリア科・Krameriaceae・ラタニア赤・Krameria red
Q:OTC薬のうがい薬に配合されている「ラタニアチンキ」とは何か
A:ラタニア根(Ratanhiae radix)を原料としたチンキ剤である。
ラタニア根は、暗褐色、太さ1-3cmの根。薄い根皮は、老根では鱗片状、幼根では平滑で、容易に材部から剥がれる。木部には小孔と、多数の狭い放射組織がある。味は収れん性で、わずかに苦い。
- 原植物:Krameria triandra Ruiz et Pavon.、クラメリア科(Krameriaceae)。
- 同意語:[英]Rhatany root、[独]Ratanhiawurzel、Rote Ratanhia、Payta-Ratanhia、[ラ]ratanhiae radix、Radix Krameriae。
- 和名:ラタニア、クラメリア
- 産地:ボリビアとペルーのアンデス山地に原産する小低木。赤い花の咲く軟毛で覆われた単葉の低木。
- 含有成分:15%までのカテコールタンニン(特に皮に局在)、長期貯蔵するとタンニンの縮合(不溶性フロバフエン:phlobaphene、いわゆるラタニア赤:Krameria redに変化)が進むため、含量が低下する。その他の成分:親油性ベンゾフラン誘導体、澱粉、糖、N-methyltyrosin等。
- 適応:タンニン含有量が高いので、主としてチンキ剤の剤型で収斂薬として使用する。特に歯肉炎、舌の裂傷、口内炎、咽頭炎、稀にはアンギナーにもうがい薬や塗布剤として用いる。時にミルラチンキと配合して用いる。
本品の他の使用法(止瀉薬として経口・潰瘍部外用)は、現在殆ど行われていない。
[011.1.RAT:2006.1.31.古泉秀夫]
- 井上博之・監訳:カラーグラフィック西洋生薬;廣川書店, 1999
- 薬科学大辞典 第3版;広川書店,2001