ヤエヤマアオキについて
月曜日, 8月 13th, 2007Q:ヤエヤマアオキの果実のジュースが体にいいと聞いたが、どの様な効果があるのか
A:和名:ヤエヤマアオキ(八重山青木)は、アカネ科の高さ8m程度の常緑小高木で、樹皮から赤色染料、根から黄色染料(根の木質部:赤色染料、樹皮:黄色染料とする報告もある)を取るためボルネオ等では広く栽培されている。メンクデュ(Mengkudu)、学名: Morinda citrifolia Rubiaceae。
本品はインドからマレー、東インド諸島、太平洋諸島、オーストラリア東部及びフィリピン、台湾、沖縄等に亘って広く分布している。
ボルネオでは本品は二次林や荒廃地に自生しているが、木の実を野菜として食べるため栽培も行われている。果実は種子が多く味もなく、決して美味とはいえないが、旱魃で食糧の欠乏時にはこれを食用とする。
ボルネオでは、ヤエヤマアオキの葉と果実を薬用として使用している。完熟した果実は糖尿病の進行を制御する働きをしたり、女性の身体の血液を浄化する作用もあると伝えられている。解熱や腹痛を治療するときは、葉を乾燥して温布にして胸部や腹部に張り付ける。新鮮な果実は、シャンプーとして洗髪に使用し、鉄鍋を磨くためにも使用されている。
その他、本品についてフレンチポリネシア諸島で「神からの贈り物」といわれ古くから幅広く利用されている果実があり「ノニ」と現地ではいわれているとする報告も見られる。ノニ中に含まれる成分については、次の資料を入手したが、各成分の含有量については記載されていない。
なお、含有成分について、原資料は日本名で記載されているが、調査の都合上、該当する英名を調査し、調査不能な物質については、確認された物質の英名から一部類推した。
各成分のうち既に合成され、食品添加物等として使用されている物、あるいは医薬品原料とされているもの等、その一部について資料の捕捉はできたが、本品固有の成分と考えら物質では、現段階では検索不能のものも見られる。
従って、本品の摂取と服用中の薬品に対する影響等については、不明であるとすることになるが、医薬品の服用に際し、ジュースでの服用は避けるとするのが原則であり、同時に摂取しない限り、特に問題はないのではないかと判断する。
ヤエヤマアオキの果実を商品化したものとして「タヒチアンTMジュース(モリンダ社)が市販されている。
商品化されたジュースには、ブルーベリーとグレープが配合されているとされる。 なお、本品はフルーツジュースとして市販されており、薬効は標榜されていない。
[015.9.MOR:2000.4.12.古泉秀夫]
- 深井 勉:素材を探る14-ボルネオ先住民の植物利用;健康産業流通新聞,10.3.12.
- 花城良廣:染料植物;www.ryukyushimpo.co.jp/,2000.3.17.
- village.infoweb.ne.jp,2000.3.17.
- http://www.nttl-net.ne.jp/boxtree/nonitop.htm,2000.3.17
- 薬科学大辞典 第2版;廣川書店,1990
- 中薬大辞典;上海科学技術出版社,1979
- 13599の化学商品;化学工業日報社,1999
- The Merck Index 12Ed.,1996