保育士による坐薬の挿入
月曜日, 8月 13th, 2007KW:法律・規則・保育士・保母・保健師助産師看護師法・保助看法・服薬介助・坐薬・医療行為・医業禁止
Q:病気治療中の保育園児に対し、母親の依頼を受けた保育士が、坐薬の挿入等を行うことになにか問題があるか
A:保健師助産師看護師法第37条(医療行為の禁止)において『保健師、助産師、看護師又は准看護師は、医師又は歯科医師の指示があった場合を除くほか、診療機械を使用し、医薬品を授与し、医薬品について指示をしその他医師又は歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならない。
ただし、臨時応急の手当てをし、又は助産師がへその緒を切り、浣腸を施しその他助産師の業務に当然附随する行為をする場合は、この限りではない。』と規定されている。
保健師助産師看護師法第5条では『この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。』と規定されている。
上記の各条文から『医薬品についての指示(用法・用量)』は、医療行為の範疇であり、医師の指示に基づく実施行為について、『本人及びその保護者』以外の第三者では、医師の指示を受けた助産師、看護師又は准看護師が、『療養上の世話又は診療の補助』として行う場合に限定される。
『保育士は療養上の世話又は診療の補助を業とする者』ではないため、医師法第17条(医師でない者の医業の禁止)『医師でなければ、医業をしてはならない。』に違反する可能性がある。
医薬品の使用により得られるのは利益(効果)のみならず不利益(副作用)も存在する。園児に不利益が発生した場合、坐薬挿入の手技上の問題として、親との間に軋轢が生ずることも予測されるため、保育士が、服薬介助を行うべきではない。
また、小児科医あるいは看護師等が配置されていない保育園では、園児の急変に対応できないため、熱発時の園児を預かることは原則的には避けるべきであると考える。
[615.1.NUR:2004.1.27.古泉秀夫]
- 平成16年版実務衛生行政六法;新日本法規,2003