ブルーベリーの効果について
月曜日, 8月 13th, 2007Q:ブルーベリーの効果について
A:ビルベリー(Bilberry)。
- 学名:Vaccinium myrtillus L.。
- ツツジ科。
- 別名:Whortleberry、ブルーベリー。
- 原産地:北ヨーロッパ。
- 使用部位:果実。
- 作用:視覚機能改善。循環機能改善。抗酸化作用。抗炎症作用。流通品規格:アントシアジニン含量25%。
- 推奨量:1日50?600mg。安全性:北欧での長い食経験により、安全性は高いと考えられている。
5種のアントシアジニンをアグリコンとして、3位に3種の糖が結合した合計15種類のアントシアニン(アントシアジニン配糖体)を高含量含む。
その他、次の報告がみられる。
ブルーベリー(blue berry)は、ツツジ科スノキ属の一種で、北米原産の低木性果樹である。野生種のhybush・blueberry・の優良個体を選抜し、次々に新品種が育成されている。
種類 | 野生種 | 栽培種(野生種を改良し栽培化) | |
---|---|---|---|
lowbush・blueberry | hybush・blueberry | rabbiteye・blueberry | |
分布 | 米国北東部の諸州ミギメイン州)からカナダ東部にかけて自生。
寒冷地。 |
フロリダ州北部からメイン州南部、ミシガン州南部にかけて自生 。
寒冷地。 |
南東部諸州の平地・森林の端に自生。
暖地。 |
樹木 | 樹高は15?40cm程度の低木。 | 樹高は1.5?3m。 | 樹高は3m以上、樹勢が強い。 |
果実 | 果実は小さく酸味が強い。 | 果実が大きく、皮も薄く、甘味が強いため生食に適す。 | |
anthocyanin | 栽培種の数倍 | ||
優良品種 | コリンズ、ブルークロップ、バークレイ、ジャージ等 | ティフブルー、ウッダード、ブライトブルー、デライト(大粒)等 |
成分 | 品種 | |
---|---|---|
hybush・blueberry
- ジャージ- |
rabbiteye・blueberry
-ティフブルー- |
|
廃棄率(%) | 0 | 0 |
エネルギー(Kcal) | 52 | 66 |
水分(g) | 85.5 | 81.6 |
蛋白質(g) | 0.5 | 0.4 |
脂質(g) | 0.1 | 0.1 |
炭水化物(g) | 13.7 | 17.7 |
水溶性食物繊維(g) | 0.6 | 0.4 |
不溶性食物繊維(g) | 3.2 | 3.7 |
灰分(g) | 0.2 | 0.2 |
β-カロチン(mg) | 65 | 15 |
ビタミンA効力(IU) | 36 | 8 |
α-トコフェロール(mg) | 1.8 | 1.5 |
ビタミンE効力(mg) | 1.9 | 1.6 |
ナイアシン(mg) | 0.2 | 0.3 |
ビタミンC(mg) | 8 | 17 |
blueberry果実の特徴は、15種類のanthocyanin色素を含んでいることである。anthocyanin色素は、水溶性の色素でリンゴ、スモモ、ブドウ、イチゴの果皮、朝顔、アジサイ等に含まれ赤紫色を呈する色素である。
種類 | anthocyanin |
---|---|
野生種 | 0.33?0.38 |
ティフブルー | 0.14 |
ウッダード | 0.14 |
ホームベル | 0.15 |
また、blueberry中のanthocyanin色素の種類別含有割合(%)は、次の通り報告されている。
nthocyanin色素 | 野生種 | ティフブルー |
---|---|---|
デルフィニジン系
シアニジン系 ペチュニジン系 ペオニジン系 マルビジン系 |
38.7
28.8 14.9 4.4 13.2 |
26.8
17.2 16.9 5.5 33.6 |
- 薬効・薬理:anthocyanin色素は、網膜にある色素体であるロドプシン(視紅素)の分解・再合成を促進させることにより視覚機能を高める作用があると報告されている。
更にanthocyaninの暗視野における視力の改善、視野拡大、夜盲症患者の光感受性の改善、抗潰瘍性、抗炎症作用などについての動物実験・臨床試験成績が発表されている。
また、活性酸素による脂質の過酸化やDNAの損傷が問題視されるようになって以来、anthocyaninがビタミンP(ルチン)と類似の作用を持つことが注目されている。
ビタミンCとの共同作用により体内の活性酸素を消去し、血管に過酸化脂質が蓄積することを防いで末梢血管の弾力を保つ結果、網膜を活性化して視力を回復し、白内障や眼精疲労を抑え、老化防止、抗潰瘍活性や抗炎症作用の増強につながるのではないかとの期待がもたれているとする報告が見られる。
アントシアジニン(anthocyanidin)
アントシアニンを加水分解して得られるアグリコン(配糖体のうち、構成糖以外の非糖部をいう)である。置換基の位置によりペラルコニジン、シアニジン、デルフィニジンの3種に大別される。
アントシアニン(anthocyanin)
植物の花、果実などに存在する色素である。これは配糖体であり、アグリコンはアグリコンはanthocyanidin、等としてはグルコース、ガラクトース、ラムノース等が多い。
[015.9BLU:2000.5.29.古泉秀夫]
- Japan Blueberry Association:village.infoweb.ne.jp/,2000.5.29.現在
- 株式会社パシフィックワールド東京営業所・資料,2000.5.29.現在
- 奥田拓道:健康・栄養食品事典;東洋医学舎,2000-2001
- 健康産業新聞/「ハーブ」プロジェクトチーム・編:薬用ハーブの機能研究;株式会社健康産業新聞社,1999
- 薬科学大辞典 第2版;廣川書店,1990