トップページ»

プロポリスについて

月曜日, 8月 13th, 2007

Q:プロポリスの薬理作用と副作用について

A:プロポリスについて、次の報告がされている。

国立予防研究所と協和醗酵研究所の研究グループは、抗癌効果のある新たな化合物を発見した。蜜蜂が集めた樹脂や花粉、有機物などに酵素を加えたプロポリスというニカワのようなものからこの化合物の抽出に成功、更に抗癌作用のあることを確認した。

プロポリスは蜜蜂が巣を外敵や雑菌から防御するために壁などに付着させる物質。抗炎症作用があるため欧州では古くから広く民間薬として利用している他、日本では痔の薬の成分に含まれているという。最近ブラジルで癌に効果があると騒がれた。

子宮頸癌患者や肝癌患者など数人にプロポリスを経口投与したところ、3カ月から1年後には癌細胞が殆ど死滅してしまったという。

ブラジル産プロポリスの成分を調べたところ、クレロダン系ジテルペンの一種である新化合物を発見した。同化合物を肝臓癌や子宮頸癌などの患者から採取した癌細胞に加えたところ実験開始10時間後の癌細胞にはDNA(デオキシリボ核酸)を合成し分裂増殖するS期に限って抑制効果があり、1日後には死滅した。

ウサギの正常な腎臓細胞に加えて見ると、増殖を抑制したり細胞を損傷することがなく、副作用も殆どないことが判った。

新タイプの健康補助食品スーパーヘルスケアフードシリーズ第一弾として、「プロフィーラ」(林原商事・本社岡山)が発売された。本品は蜜蜂が作りだす天然物質“プロポリス”に水溶性ルチン及びビタミンCを加えた健康補助食品で、健康維持や滋養強壮に適する。プロポリスは蜂蜜やローヤルゼリーと同じく、蜜蜂が樹木から集めてきた木の芽や蕾に蜜蜂の唾液中の酵素が作用してできたもので、優れた抗菌性を持つ。各種フラボノイド、ミネラル、ビタミン等健康維持に有用な成分が豊富に含まれる。

プロポリスは蜜蜂が葉芽や樹皮から集めてくる樹脂性の物質で、蜜蜂はこれを使って巣を作る。腹部の臘腺から分泌する蜜臘とその間隙をつなぐ接着剤の役割を果たすのがプロポリスであり、連結したり、充填したりするだけでなく、臘のブロックを補強したり、巣蓋を作るのもプロポリスでされる。プロポリスは抗菌力が強いため巣の内部を衛生的に保つ働きをする。

蜜蜂の巣の中に二十日鼠を追込んだ実験では、刺殺した二十日鼠をプロポリスで被包したが、5年間に亙って防腐保存されたとする報告もされている。

プロポリスの組成は約55%が各種の樹脂、30%が蜜臘、10%が油、5%が花粉である。微量栄養素の中では、バイオフラボノイド(ビタミンP)の含有率が極めて高い。優れたバイオフラボノイド源であるとされるオレンジの約500倍である。柑橘類の黄色やオレンジ色はフラボノイドによる色調であるがプロポリスの含有率は、それらの柑橘類より高い。ビタミンPはビタミンCと相乗的に作動するので、ビタミンCの効果が高まる。

最近の研究では抗菌作用のみならず、胃潰瘍、インフルエンザ、風邪、鼻・気管の炎症にも効果があることが確かめられている。喉、舌、口腔内の炎症をやわらげるため、欧米ではプロポリス入りの歯磨やドロップまで市販されている。

■ エスタプロント(estapronto)

[日本プロポリス株式会社〒101東京都千代田区神田泉町1-6-16ヤマトビル5FTEL.03-3865-0468]

蜜蜂の巣から取れる有用物には大きく分けて3種類ある。蜂蜜、ローヤルゼリー、そしてプロポリスである。プロポリスは蜜蜂が集めた樹脂類や花粉、蜜臘などが混ぜ合わされてできたゼラチン様の物質で、巣の保護や補集のために使われる。プロポリス等の有用物によってガードされた巣はほぼ無菌に近い状態となり、蓄えられた蜜が腐敗することがない。

プロポリスの語源は、プロ(前)+ポリス(都市=巣)からなるギリシャ語に由来し、巣の前にあって巣を守ると言う意味であるとされている。古代からヨーロッパではプロポリスを貴重な資源として活用してきた。近年では化学分析等により、その組成や優れた特性が明らかにされつつあり、数々の可能性を秘めた物質として注目を集めている。

プロポリスは蜜蜂の巣の構成成分の一部であり、そのまま服用したり摂取することは困難である。プロポリスを採取し、それを液状にするかあるいは摂取しやすい形態に変えることが必要である。エスタプロントは最初の段階からアルコール及び溶剤を使用しておらず、酵素の働きを応用したミセル抽出を行っている。その結果、細かい粒子にプロポリス成分が包み込まれた状態になっているため無駄なく速やかに体内に吸収される。

プロポリス分析試験結果

テトラサイクリン系抗生物質は検出しなかったと報告されている。その他、分析結果としてアミノ酸の含有率の報告がされている。

尚、プロポリス飲用に伴う副作用について、特にこれといって報告されていないが、稀に湿疹が出ることがあるとする報告が見られる。

現在、プロポリスは健康食品として市販されており、漢方薬としての取扱いはされていない。

成分 含有率 成分 含有率
水分 3.5% 総カロチン 0.20mg/100g
蛋白質 10.3% サイアミン(ビタミンB1) 0.18mg/100g
脂質 55.1% リボフラビン(ビタミンB2) 0.60mg/100g
灰分 1.9% ビタミンB6 0.15mg/100g
炭水化物 29.2% ナイアシン 1.61mg/100g

[510.011.1PRO][1994.1.11.・1999.3.19.一部修正.古泉秀夫]


  1. ハチの巣の物質から抗ガン化合物を抽出:日本経済新聞,1991.10.5.
  2. ミツバチ分泌の天然物質を配合-林原商事が健康食品-:化学工業日報,1991.10.23.
  3. 丸元淑生:プロポリス-みつばちが集める樹脂性物質抗菌力強く、ビタミンP豊富;読売新聞,1990.4.19.
  4. 日本プロポリス株式会社・私信,1994
  5. 松野哲也:プロポリスの抗腫瘍作用;日本医事新報,No.3600:128(1993)
  6. 国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・編:FAX.DI-News,No.833,1994.6.24.より転載