ピューラックスとキッチンハイターの効果について
月曜日, 8月 13th, 2007KW:物理化学的性状・ピューラックス・キッチンハイター・次亜塩素酸ナトリウム・水酸化ナトリウム
Q:ピューラックスとキッチンハイターの効力比較について
A:両製品の成分については、次の通り報告されている。
商品名 | 次亜塩素酸ナトリウム | 水酸化ナトリウム |
---|---|---|
キッチンハイター (花王) | 4-6% | 1% |
ピューラックス (オーヤラックス) |
6w/v% | ? |
その他、『キッチンハイター』には、界面活性剤が添加されていると報告されている。
『ピューラックス』は、次亜塩素酸ナトリウムを単独の成分とする製剤で、専ら『消毒剤』として使用されている。
次亜塩素酸ナトリウムについては、温度、空気、光、pHの影響を受け易く、pH7以下では急速に分解が促進されるとする報告が見られる。
『キッチンハイター』に水酸化ナトリウムが添加されている理由は、開封後もなお一定期間の保存が考えられる『台所用漂白剤』としての役割から安定性を確保する目的で添加されているものと考えられる。従って、『キッチンハイター』は、次亜塩素酸ナトリウムのもつ薬理作用により漂白・除菌・除臭の作用が期待できる製品である。
以上の報告の結果、主成分が同一であることから効力は同一であるとすることができるが、開封後の安定性については『ピューラックス』は開封後の長期保存には適していない。
『キッチンハイター』は界面活性剤が添加されていることから洗浄能力の点では、次亜塩素酸ナトリウム単独の製品である『ピューラックス』よりは優位性があると考えられる。従って、両製品はそれぞれの使用目的に合わせて使用すべきであって、両製品の効力比較はあまり意味をもたない。
[014.4.SOD:2004.1.21.古泉秀夫]
- 古泉秀夫・代表編著:医薬品情報Q&A[5];株式会社ミクス,1988
- 武田美文・監修・古泉秀夫・編:院内感染防御マニュアル;薬業時報社,1996