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トシル酸ブレチリウムについて

日曜日, 8月 12th, 2007

KW:薬名検索・トシル酸ブレチリウム・bretylium tosylate・ダレンチン・darenthin・降圧剤・抗不整脈薬

Q: トシル酸ブレチリウムとはどの様な薬剤か

A:トシル酸ブレチリウム(bretylium tosylate:INN) は、降圧剤あるいは抗不整脈薬と報告されている。

用法として100-400mg、1日3回。

同意語:BW-57-373、ASL-603。Omid。[商] Bretylan、Bretylin、Darenthin、Hypotyl、Ipodaren、Ornidum、ダレンチン。

bretyliumは、アドレナリン作動神経末端からのノルアドレナリン遊離を阻害する。

副腎髄質からのアドレナリンの遊離は影響を受けない。

神経顆粒のノルアドレナリン含量は変化しない。

モノアミン酸化酵素活性の阻害が報告されている。

外来性ノルアドレナリンに対する感受性は増大する。

本品は血圧を下降させるが、作用の持続は短く一定しない。

不整脈の治療に使用されることがある。耐性を生じやすい。

精神錯乱、骨格筋力低下などの副作用のために臨床応用は限定されるとする報告がされている。

その他、アドレナリン作動性神経終末からのノルアドレナリン遊離を抑制することによって、アドレナリン作動精神系シナプスの興奮伝達を遮断する。

グアネチジンやレセルピンと異なって、神経終末の伝達物質を枯渇させる作用はないため、作用の発現は速く、持続は短い。

副腎髄質からのカテコールアミン遊離を抑制せず、血中カテコールアミンに対する受容器細胞の反応は著しく増強される。また中枢神経系に対する作用も認められないとする報告がされている。

  • 臨床応用:時に、抗不整脈薬として用いられるが、消化管からの吸収の悪いこと、耐性を生じること、副作用のために高血圧の治療に用いられなくなった。
  • 副作用:体位性低血圧、下痢が高頻度に見られる。
    また本剤による治療中に体動によって衰弱感、目眩及び呼吸困難をきたす。
    また強い局所麻酔作用と抗ヒスタミン作用を示す。耳下腺痛をきたす。

[011.1.BRE:2004.2.16. 古泉秀夫]


  1. 薬名検索辞典;薬業時報社,1984
  2. 中井健吾・他編:薬理学第2版;理工学社,1984
  3. 藤原元始・他編:医科薬理学;南山堂,1986