天仙液について
日曜日, 8月 12th, 2007KW:漢方薬・生薬・天仙液・抗がん剤・中国1号天仙液・天仙丸
Q:天仙液は末期癌の患者の治療にも有効なのか
A:正式名称は『中国1号天仙液』(吉林省通化振国薬業有限公司)と称するようである。
本品は健康食品ではなく、医薬品に相当するものと考えられるが、我が国の薬事法上、成分の一部を秘伝として伏せている限り、医薬品としての取扱いはされない。本品は中国東北部、北朝鮮と国境を接する長白山で育った30数種類の天然生薬と動物性胆汁等の独特な配合により作られた抗がん漢方薬であるとされている。
1983年王振国医師により「天仙丸」(錠剤)として初めて開発され、その有効性が中国で評価された。1985年中国衛生部国家科学委員会で第 7次5ヵ年計画の重点科学技術研究プロジェクトとして指定され、国家レベルで抗がん薬としての開発が進めらた。更に1988年には、抗がん効果があるとして、中国で初めての抗がん中成薬(抗がん漢方薬)として政府に認定されたとする報告が見られる。
吉林省長白山は特有の火山灰地で、1200種類もの薬草が自生し「薬草の宝庫」といわれている。天仙液は、この天然生薬を厳選して作られたもので、他の土壌に見られない20種類以上の有効成分を含有している。中国の医療機関又は米国の国立がんセンターなどの臨床実験で80%以上の有効率が立証され、食道がん、胃がん、肝臓がん、肺がんをはじめ10種類のがん、48種類のがん細胞を殺傷、抑制する効能があることが示され、開発から20年が経ち、世界中で60 万人以上に服用され、その有効性が立証されていると報告されている。また、西洋医薬とは違い、天仙液には目立った副作用も報告されていない。
天仙液の公表されている成分は、成分の95%のみで、残りの5%は国家的機密ということで公表されていないとされるが、配合成分として公表されているのは以下の成分である。
生薬名 | 配合率 | 原料 | 適応 |
---|---|---|---|
熊胆 | 2.5% | 熊の胆嚢・胆汁から精製 | 健胃、気付け、強壮 |
麝香
人参 |
2.5%
10% |
ジャコウジカの麝香嚢から精 製
薬用人参の根を精製 |
抗菌、抗腫瘍
強胃、健胃、滋養 |
珍珠 | 2.5% | 珍珠貝の形成物から精製 | 抗アレルギー、新陳代謝促進 |
黄ぎ | 10% | マメ科黄ぎの根から精製 | 血管拡張、免疫力増強、抗菌 |
龍葵 | 5% | ナス科龍葵から精製 | 抗ガン、抗菌、抗炎症、強心 |
氷片 | 2.5% | 龍悩香科植物から精製 | 鎮痛、抗炎症、血流量改善 |
白朮 | 5% | キク科白朮の根茎を精製 | 血糖降下、抗菌、抗腫瘍、利 尿 |
天花粉 | 5% | ウリ科括桜の根を精製 | 抗腫瘍、抗菌 |
威霊仙 | 5% | モウロウ科威霊仙の根から精製 | 鎮痛、抗菌、抗ガン |
白花蛇舌草 | 15% | 白花蛇舌草の根から精製 | 抗ガン、副腎皮質機能増加 |
青黛 | 15% | 馬欄葉の乾燥色素から精製 | 抗腫瘍、抗菌、肝機能保護 |
女貞子 | 2.5% | 木犀科女貞の果実から精製 | 血管脂質低下、強壮、強心 |
甘草 | 2.5% | 甘草の根・根皮・根茎を精製 | 鎮痛、抗消化性潰瘍 |
猪苓 | 10% | 猪苓の乾燥菌核から精製 | 抗腫瘍、抗菌 |
その他、本品の成分として、下記の報告も見られる。
Q:天仙の主な成分?
A:清熱解毒薬:白花蛇舌草、天花粉、苦参、魚星草、半枝蓮、牛黄、熊胆等。 痛み止め薬:麝香、氷片、乳香、没薬、三梭、莪朮、元胡、細辛、全蝎、蜈蚣等。益気健脾薬:人参、黄耆、大棗、白朮等。 痞瘤を消散する薬:半夏、南星、狼毒、威霊仙等。
Q:天仙の効果?
A:単独有効率は80.2%、総合使用時の有効率は90%。 臨床によると、消化器官の腫瘍に効果が最も顕著。各種癌にも効果。
Q:なぜ効果が明らかではない?
A:病気の状態、個人差など原因があります。その一、既に危険状態である。その二、消化機能が弱い、薬物を吸収しにくい。その三、腫瘍はすでに広い範囲に転移。その四、使用量がたりない、によって癌細胞に殺傷力が弱い
Q:放射療法や化学療法を受けている時
A:放射療法や化学療法と同時に天仙の使用をお勧め。
以上、インターネット上から情報を検索したが、処方の一部が伏せられているということでもあり、本品の有効性についての論評は避けたい。
[015.9.HEA:2004.10.26.古泉秀夫]
- 古泉秀夫・編著:わかるサプリメント健康食品Q&A;じほう,2003
- http://www.maima.com/products/krqa.htm,2004.10.6.
- http://www.e-kampo.org/clumn_030323.htm,2004.10.6.
- http://www.tenseneki.com/01/index.html,2004.10.6.